mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

今永昇太の開幕投手宣言



1月19日の各紙報道で、高知市で自主トレ中の今永昇太投手が開幕投手への想いを語ったと言う記事が載った。


「そのマウンドに立つイメージをしながら毎日を過ごしている。指名されたとき、チーム全員からこいつでいいよな、と思われないといけない。それが理想像」


まだ1月であるにもかかわらず、捕手が片膝を付いた状態での投球練習も行っていて、指にかかった伸びのあるストレートを捕手目線で撮った動画も公開された。

https://full-count.jp/2022/01/20/post1177299/2/?utm_source=yahoonews&utm_medium=rss&utm_campaign=1177299_6


「去年はこの時期にネットスローをしていた。過程を飛び越すことも、後ろに行くこともなく、着実に進んでいる」


と彼自身も手応えを感じているようだ。


以前の記事でも書いたが、私も開幕試合は今永投手に先発して欲しいと思っている。


それでは、まず、改めて彼の昨シーズンの成績を振り返ってみよう。

左肩のクリーニング手術から復帰した5月こそ防御率6.10、被打率 .350、WHIP 1.94と苦しんだが、その後は各種指標が徐々に良化して、夏頃には以前と同じように我々ファンもエースとしての投球を期待するようになった。


特に、7月と9月には、被打率が2割を下回り、WHIPも0.85、0.70と素晴らしい。この2ヶ月の防御率は2.00を下回っており、この状態が維持できるようになれば今シーズンこそ久しぶりの2桁勝利を挙げることができるだろう。


球種別に見ると、おそらくは怪我の影響で2020年に指標を落としていたストレートが復活してきており、wFA(ストレートを投じた場合の打撃結果が失点阻止にどの程度貢献するものとなっていたかを示す指標)が9.6まで戻ってきている。彼のベストは2019年の19.2だが、2020年の5.0からの回復は明らかだ。


空振りの取れるノビのあるストレートが彼の最大の長所であり、これが戻ってきたことは非常に心強い。



他方、少し気掛かりなのは、2020年から投げ始めたカットボールの指標wCTが-2.0と低いことだ。


この辺りに注目しつつ左右それぞれの打者への配球を見てみると、下の表に示すように、ストレートが全体の約50%を占めることは対左でも対右でも変わらない。


しかし、それ以外の配球は大きく異なっている。

右打者に対しては29.5%と多投しているチェンジアップは、他の左投手と同様あまり投げていない(7.2%)。代わって、左打者に対しては、スライダー 22.2%(対右:4.0%)とカットボール(対右:4.6%)を多く投じている。


そして、カットボールの被打率が.368と他の球種に比べて打ち込まれており、スライダーは被打率は低いものの最も多く本塁打を喫している※。

※ 各球種の投球数が異なるため、これを揃えた場合にどの球種が本塁打を打たれやすいかを数値化した(表中の被本塁打割合参照)。


実際、巨人の丸選手に対して三振か本塁打という極端な打席が続いたが、スライダーの失投をホームランにされた記憶が強く残っている。


結果的に、左打者の被打率は.250(右打者は.200)と相対的に打たれてしまっている。


ゾーン別の結果を見ても、下図の通り、左打者に対してはアウトローにボールを集めようとしており、このゾーンに決まれば被打率.098と抑えることに成功しているが、コースや高さが少し間違えると被打率4割以上と打ち込まれている。



特に、アウトコースを狙ったスライダーやカットボールが真ん中付近に来てしまった場合にはかなり高い確率で痛い目に遭ってしまう。


失投した場合のリスクの大きい配球と言える。


左打者に対する成績が改善されれば、今永投手が今シーズンの開幕試合となる3月25日の広島戦で勝利し、その後もエースとしてローテーションの中心であり続けることができるだろう。


そのための対策としては、まず、カットボールの球質とコントロールの改善がある。

努力家の今永投手はプロ入り直後あまり良くなかったスライダーも徐々に改善してきた経緯があり、カットボールについても昨シーズンの指標を良化してくれるものと期待している。


もう一つは、やはり、左打者のインコースを攻めることだろう。

アウトコース中心の配球で左打者が踏み込みやすい状況で緩急もあまりなく(左打者に対してはカーブとチェンジアップの割合がかなり低い)ストレートとスライダー系で討ち取るのはなかなか難しい。


今永投手の2021年シーズンは肩の手術からの復活を確かなものとする、いわば地盤を固めるような年だったと思う。そして、私は、故障の不安もなくなった今年こそ、その強固な地盤の上で彼が自己ベストの2019年を上回る大活躍をしてくれると信じて疑わない。


ちなみに、今永投手は1993年9月1日生まれ。六星占術では火星人(-)で、2022年3月25日の運勢は最高の「達成」だ。


アドバイスは、「期待度も高いので、プレッシャーに負けないようにしましょう」とのことだ。


大丈夫、今永君ならきっと負けずに結果を出せるはずだ。


毛量でも圧倒的な今永昇太投手の投球練習