mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ベイスターズ春期キャンプの1,2軍振り分けを深読みする(野手編)



昨日に続いて今日は野手について書こう。


まず捕手では、


戸柱恭孝、伊藤光、益子京右、山本祐大  


の4名が1軍キャンプに参加する。高城捕手と嶺井捕手は2軍の嘉手納キャンプへ。


嶺井捕手は宮﨑選手と同様、無症状ながら自主トレ中にコロナに感染したが、宮﨑選手は1軍キャンプなので、むしろ、昨年9月末に右肘のクリーニング手術を受けたことを考慮しての判断だったと思う。


しかしながら、人生でも、プロ野球の世界でも、何かの拍子で巡ってきたチャンスの芽がそのまま育って、いつのまにか動かすことのできない新たな体制として確立されていることがある。


それは例えばこう言うことだ。


32歳になった伊藤光捕手が、しばらく逡巡していた肩のクリーニング手術によって復活し、ここのところ冴えなかった盗塁阻止率を改善し、自慢の粘り強い打撃も加味してこれから3年間はベイスターズの扇の要のそのかなめとして捕手陣を引っ張る、とか。


昨シーズン終盤で何かをつかみ打撃開眼したように見えた戸柱捕手のレベルアップはやはりホンモノで、遅ればせながら、カープの會澤捕手のように「打てるキャッチャー」として正捕手の座をつかむ、とか。


あるいは、山本捕手に続く4番手あるいは5番手と思っていた益子捕手が1軍のピッチャーのボールに慣れ、2番手あるいは3番手のキャッチャーとして1軍に定着し、その後数年かけてファンが長年待っていた正捕手への道を歩み始めるとか。


ともかく、捕手陣に関しては、今シーズンがそう言う潮目になるような予感がしている。



さて、次は、我が社の誇るこれらの強(好)打者6人だ。


外野手:佐野恵太、桑原将志、T.オースティン
内野手:N.ソト、牧秀悟、宮﨑敏郎


以前も書いたことがあるが、昨シーズンの月別の成績を見てみると、6人のうち誰かは故障で不在だったり不振だったりすることが多い。



そこで、この6人衆は常勤が5人と言う腹づもりでいるのが良いと思う。
もちろん6人そろって好調ならそれに越したことはないが、プランBは必要だし、シーズンが終わって見ればプランBで戦った試合の方が多かったと言うことも十分考えられる。


例えば、外野手のレギュラー3人のうち誰かをスタメンから外す必要がある場合、日本ハムから移籍してきた大田泰示選手、神里和毅、楠本泰史、そして細川成也の誰かが代わって出場するのがプランBとなる。


この場合、特に佐野選手やオースティン選手に代わって大田選手や神里選手が出場するのであれば、チーム全体としての守備力はかなり向上するだろう。
そのためにも、特に打撃の面でこの二人が高いレベルで競争してくれることを期待している。


楠本選手は、左の代打の切り札として数年前の佐野選手のような位置を確立するように頑張って欲しい。


右の代打の切り札は細川選手と蝦名選手が競うことになるだろう。蝦名選手は今回2軍スタートとなったが、これは10月に受けた右足関節のクリーニング手術の影響を考えてのことで、シーズン中に必ず戻ってきてくれることと思う。


私は蝦名選手のセンスあふれる打撃が好きなのだ。


また例えば、ソト選手をスタメンから外す場合も、ファーストには佐野選手かオースティン選手が入り、その代わりに外野手として大田選手か神里選手が入って守備力と走力の向上を図って欲しい。


このためには、佐野選手やオースティン選手がキャンプでファースト守備の練習をすることが必要で、この点は今回のキャンプで私が注目しているポイントの一つだ。


これに比べると、牧選手と宮﨑選手は替えがきかない。柴田選手がセカンドやサードに入ることによって守備は改善することが見込めるが(宮﨑選手のサードは守備範囲が広くはないものの正確さがありトータルの守備指標はリーグでもトップレベルだが)、打力という意味ではもの足りない。


セカンドについては柴田選手に加えて大和選手そして楽天から復帰した藤田選手のベテランらしい勝負強く味のある打撃を見たい。


それにしても、2軍スタートになった伊藤裕季也選手はどうしたのだろうか?
昨シーズンはとうとう1軍での打席数わずかに2、無安打に終わってしまった。2軍でも打率.229と振るわなかった。


私は、彼が新人の年に見せた1試合2ホームランを現地で観ており、その時の心地よい衝撃が忘れられない。西武の主軸のようなコンパクトな強打。良い選手が来てくれたと思ったものだ。


彼は今年で大卒4年目。同タイプの牧選手が新人とは思えないほど大活躍して焦る気持ちもあるだろうが、こういう時ほど、今まで積み上げてきたものに自信を持って勝負して欲しい。彼が宮﨑選手の後釜にはまってくれたらどれ程心強いか。



比較してしまって申し訳ないが、それにしても、牧選手の学び続け向上し続けることのできるプロ野球選手としての理想的な資質というのは本当に稀有なものだと思う。


最後にショート。これが1番難しい。
我々ファンとしては、森敬斗選手がブレイクして大活躍し、名実ともに石井琢朗コーチの後継者になると言うのが夢だ。


しかし、それにはまだ少し時間がかかるように思う。そして、周りの期待ばかりが高まって彼自身が空回りして才能を活かせないと言う状況を私は最も恐れてもいる。


と言うことで、ショートは当面守備を重視して柴田選手。彼が相変わらず左を打てないようであれば、1軍キャンプ参加となった知野直人選手と併用という可能性もある。
私は内心知野選手の安定した(当社比)ショートの守備とパンチ力もあるバッティングに期待している。


一方、2軍キャンプ参加となった倉本選手はチーム内の序列として厳しくなってきた様に感じる。
同じく2軍キャンプに振り分けられた田中俊太選手は、昨シーズンサンプル数は少ないものの対左で謎の高打率をあげており、これが本物なら知野選手との競争になる。


2軍キャンプに参加することになった選手たちについてあまり書くことができなかったが、また改めて整理してみたいと思う。


昨シーズン、神奈川県で1番悔しい思いをしたアスリートの一人、入江選手の状態や期待の新人粟飯原選手のプレーなど見どころが沢山ある。


私は、プロ野球と言う我々常人でははかり知れないレベルで向上を目指す全ての選手を尊敬し、特に、愛するベイスターズの選手たちの努力が身を結ぶことを祈っている。


彼らは一つの高度なプレーを、できるまで何度でも繰り返し、そして一度できたら続けてできる様に、飽くことなく続ける。その次は何度やっても失敗しなくなるまで諦めない、と言う気が遠くなる様な練習を行うのだ。


自己満足しない人間の多くは、永遠に前進し、永遠に希望を持つ。 魯迅