mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

横浜反撃の前にしなくてはならないこと





昨日、1月23日に球団公式YouTubeチャンネルで配信された「横浜DeNA ベイスターズ プレイボールミーティング2022」で2022年シーズンのチームスローガン「横浜反撃」が発表された。


現役時代、「打たれても心までは折られない、そんなピッチャーでいたい」と言っていた三浦大輔監督らしい言葉だと思う。


「反撃」と言うキーワードを選んだのは、昨年、目の前でスワローズ胴上げを見て、それと同時に最下位が確定して、本当に悔しい思いをして、あの時からやり返すという気持ちで、反撃の年にしないといけないな、と強く感じたからと言うことだ。


そして、昨年に続いて「横浜」の2文字も入っている。
横浜一心で心を1つにして戦うという気持ちは常に持ちつつ、全員で反撃の年にしようということらしい。


ベイスターズの前身である大洋ホエールズが1960年に初めて優勝した時に監督だった三原修さんは、かつて、「チームを強くするのも弱くするのも、監督じゃあなくて親会社の考え方ひとつなのよ」と仰っていた。


三原マジックと言われ、優れた戦術で有名な名将三原さんがこう言うコメントを残したのは、なにも采配を過小評価している訳ではなく、球団が本腰を入れてしっかりと編成してくれることが勝つための必要条件だ(しかし十分条件ではない)と言う趣旨だろう。
それさえあれば勝って見せるよ、と言うプライドも含まれているのかも知れない。


この意味では、DeNAベイスターズ経営層は今オフはっきりと本腰を入れて素晴らしい基盤作りをしてくれた。


・石井琢朗コーチ、斎藤隆コーチ、鈴木尚典コーチ、相川亮二コーチ、小谷正勝アドバイザーの復帰


・エスコバー投手、ロメロ投手、ピープルズ投手の残留


・FA権を得た宮﨑選手と6年契約で生涯横浜


・FA権を得た山﨑康晃投手の残留


・来年FA権を得る三嶋投手と桑原選手にそれぞれ3年と4年契約を結び準生涯横浜


・日本ハムをノンテンダーとなった大田泰示選手を獲得


・楽天を自由契約となった藤田一也選手の復帰


・海外FA権を得た大和選手の2年契約での残留


・新人離れした大活躍の牧秀悟選手の年俸を新人野手史上最高の7000万円に引き上げ


・オースティン選手と3(+1)年契約


・新守護神候補クリスキー投手の入団


・ソト、オースティン、エスコバー、ロメロ、ピープルズの5人の外国人選手全てがキャンプ初日からチーム合流


親会社ははっきりと勝つための考え方を示しているのだ。


こうして整備されたチームの実力を発揮して、まさに横浜反撃の年にしてくれることを私も心から願っている。


しかし、その前に未だやらなくてはならないことがあるはずだ。


王貞治さんが仰っていた通り、


「敵と戦う時間は短い。自分との戦いこそが明暗を分ける」


と言うことを忘れてはいけない。年間143試合トータルの時間は約500時間。これは一年つまり8760時間の6%にも満たないのだ。



まず、今の時期はトレーニングでシーズンを通して戦い抜くことのできる身体を仕上げる必要がある。
それは例えば、滝行に臨んだ東克樹投手の別人かと思うほどの分厚い胸や太い腕を作った努力だろうし、あるいは、牧秀悟選手の大人のウエストほどもある太ももを作り上げた精進だろう。


そして、各自が昨シーズンの挫折を分析し、自分に欠けているものを補い、それを最大の武器にするような研鑽が欠かせない。そう、ピンチをチャンスにするのだ。


例えば、昨シーズンクローザーをつとめた三嶋一輝投手は右打者のインコースの被打率が5割に達した。先日のWith Baystarsでも明言していたが、彼はシュートを会得してそれを武器に今シーズンはそのコースを支配するつもりだ。


各選手がそれぞれ新しいシーズンに向けて自分自身を作り直した後、今度はキャンプとオープン戦での熾烈なチーム内の競争がある。
先発投手もリリーフ陣もそして内外野もキャッチャーもどれひとつとしてレギュラーが確約されたポジションは今のベイスターズにはない。


王さんの言うように、こうした「自分との戦い」こそが明暗を分け、勝ち残った選りすぐりのメンバーが「横浜反撃」のスタートラインに着くことが出来る。


昨シーズン最下位だったから今年もダメだろうと言う野球解説者は多いだろう。
しかし、彼らは、どん底の人たちほど動機付けがあればあっという間に変わるものだと言うことをもう忘れてしまっているだけだ。


昨シーズン、思いつくだけの失敗をおかし、どん底に沈んだベイスターズと我々ファンは、ドイツ哲学者の中島義道さんの次のような言葉を繰り返し呟きながら、自分自身と向きあって歩いていこう。


人生の焼かれるような不幸も過ぎ去れば「宝」であることを、私は知っている。


そして(死なないかぎり)いずれそれを「利用する」知恵も得られることを知っている。


何もしない幸福な人生より不幸や屈辱に満ちた人生のほうが豊かであることを知っている。