mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

東克樹の全体的な「もっこり」について



トミージョン手術からの完全復活そしてさらにステップアップを目指す東克樹投手の今オフの取り組みについて、昨年からいくつかの報道がなされていた。


● 一つ目は、2021年11月24日の記事で、「おしりプリプリ計画」というものだ。


「手術を経験して今シーズン最後に3試合投げられた。来年に向けて希望の光が見えている。自分自身に期待している部分があります」


「トレーナーさんからパワーを生み出すことに繋がるように“おしりプリプリ計画”に取り組んでいます」


と肉体改造に着手していることに言及し、


「来季は5年目なので責任感のある投手として、フル回転で投げていきたいと思います」と完全復活を誓った。“


昨年11月の段階でも、トミージョン手術後の長いリハビリで筋力強化に取り組んだ成果は明らかで、復活時の東投手の体型は故障前と比べてかなりがっしりしていることがユニフォームの上からでも見てとれた。


そして、先週の合同自主トレ最終日の動画を見て、私は目を見張った。


お尻だけではなく、彼の下半身特に太ももの辺りの筋肉が他の選手と比べても異様なほど発達していたのだ。


これは、バーベルを使ったスクワットやデッドリフトといった筋力トレーニングを相当徹底的に実施して大臀筋と中臀筋を巨大化した結果だろう。



ピッチングには下半身が重要というのは良く聞く言葉だが、下半身の中でも急速アップに最も重要な筋肉がこれらの臀筋で、これを鍛えることによって次のような効果が期待できる。


・体重移動のスピードを速くすることができる

・軸足で立った時にグラつかなくなり安定する

・前に足を踏み出した後の回転動作が速くなる


急速アップのためには体重指導のスピードを上げる必要があり、踏み出した足で急激にブレーキをかけることでそのスピードを腕に伝え速く振ることができるが、この両方において臀筋が重要な役割を果たすことになる。



彼自身、取材に答えて、お尻プリプリの予定が「全体的にもっこり」したといっていたがまさにそれが画像からもはっきり見てとれた。


彼の臀筋の徹底した教科の成果は、平均140km/h台後半、最速152km/hに達した故障前のストレートの球速を取り戻し、さらに向上させることになるだろう。


● 二つ目は12月19日の記事にあった遅いチェンジアップだ。


東投手は、一月に名古屋で中日の選手らと自主トレを行い、「笠原さんのチェンジアップを身に付けられたらいいなと考えている。浜口さんのもそうですが、今より遅いものがあれば武器になる」と、同じ変化球を得意とする左腕から学びたい考えを示していた。“

東投手は以前からチェンジアップの使い手として高い評価を得ていて、新人の年の彼のチェンジアップの指標wCHは22.8という驚異的な数値を示していた。

名捕手であり名コーチでもある田村藤夫さんが今年の東のイースタンリーグでの投球を見て、次のように仰っていた。

“この日の東はストレートが最速145キロ。手術前は148キロは出ていたと思うが、それに比べるとあと2~3キロは出るのではないかと感じる。そこに126~8キロのチェンジアップとなれば、打者は苦労する。

腕がよく振れていた。腕の振りは非常に大切で、打者は、変化球で腕の振りが鈍くなると、このわずかな違いで球種を見分けて対応してくる。この日の東のようにストレートと変わらない腕の振りをされると、緩急をつけられることで、対応が難しくなる。

チェンジアップは奥行きで勝負できる特徴のある変化球だ。スライダーやフォークはベース手前で横にスライドしたり、落ちるなど変化する。しかし、良く抜けたチェンジアップは、なかなかボールがベースに到着しない。それもストレートとの球速差があればあるほど、チェンジアップは効果的になる。打者はこの時間差にタイミングを狂わされる。」


2021年シーズンも彼はチェンジアップで最も多くの三振を奪っていたが、その指標は新人の年には達しておらず、相手打者の対策の上を行く策として、もう1段階遅いチェンジアップの習得を目指したのだろう。


予定通り、年が明けて中日の笠原投手らと合同自主トレを行なった東投手は、取材に対して次のようにコメントしている。


「笠原さんのチェンジアップを習得しようと投げ方を聞いたり、取り組んでいる。今の感覚としてはすごくいい。このまましっかり練習で投げていけば、自分のものになるのでは」

「投球練習ではいい感じでも、打者の反応を見ていかないといけない。どういうタイミングで使って、どういう意味を持った球種として使っていくかを考えながらやっていきたい」

一つ目の対策でものにするストレートの球速アップと速さの異なる2種類のチェンジアップを組み合わせることで、彼の完全復活いや球界を代表する左腕エースに上り詰めていく姿が目に浮かぶ。

東克樹投手の活躍が今年の私の1番の楽しみだといっても良いだろう。