mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

森敬斗のインキュベーター

今回のキャンプで森敬斗選手は石井琢朗コーチから集中的に指導を受けている。


初日の練習終了後に居残りで守備練習を行なったのに続いて、昨日(2日)も全体練習の始まる前、朝8時からサブグラウンドで守備練習を行なった。


この練習には森選手に加えて知野選手も参加しており、指導する側も石井コーチに加えて田中浩康コーチも協力していた。


合計4人の練習は、素早いボール回しのキャッチボールから始まり、基本を確認するためだろうか、石井コーチが投げるゴロのボールを森選手と知野選手が交互に捕球して投球姿勢をとるまでを繰り返す練習へと続いた。


見ていて面白かったのは、田中コーチ(だと思う)のトスしたボールをセカンドベースの手前10mほどのところにバットを構えて待つ石井コーチがセカンドベース方面に打ち返す速い打球をベースに入って捕球するという練習だ。


これは、ファーストランナーの盗塁時にキャッチャーからの送球がずれたりバウンドしたりあるいは高かったりする予測しづらい状況にとっさに対応して確実に捕球するための練習だろう。


近距離でのトスバッティングの比較的強い打球はバットとボールが当たるまでコースが読めず、二人の選手とも苦労していたが、さすがの反射神経でかなりの確率で捕球に成功していた。


石井コーチはこうした風変わりだが目的にフィットする練習を工夫するのが得意なのだろう。森選手と知野選手の守備が急速に改善することに大いに期待が持てると感じた。


午後からは雨のため室内練習場でバッティング練習を行った。


ここでも、石井コーチの工夫による練習が行われた。
通常のボールに加えて、プラスチックの穴の空いた軽量ボールや重いソフトボールも
使って、森選手はバットを振り続けた。


石井コーチによると、


「ソフトボールは力強さ、軽いボールは打感がないので、軸を意識させた中でフルスイングすることでスイングスピードが身につく」


というのが狙いとのこと。


練習を終えた森選手は


「結構きついですね。でも自分のために、チームが勝つために、しっかりと自分を追い込んでやりたい」


と言っていた。


練習を終えた森選手と知野選手が、森選手は歩いて、知野選手が自転車にまたがって宿舎に帰って行った。



二人とも用具を抱えて帰っていく光景は、野球好きの小学生だった経験がある人にとっては誰もが懐かしいと思うものだった。
「そう言えば、オレもこんな時もがあったっけ」と思う人も多いだろう。


今回のキャンプの森選手を見ていると、ふと、インキュベーターという言葉を思い出した。


インキュベーターというのは、元々はニワトリなどの卵が孵化するのに定期した温度一定となるように保つことのできる装置のことを指す言葉だ。


現在は、そこから転じて、ベンチャー企業などの新規事業を立ち上げようとする人を支援する起業支援の制度のことを意味していて、初めて経営者になる人に必要な施設や設備を安価で貸し出したり、事務や管理あるいは経営に必要な知識を伝えたり一緒にサポートしたりといった様々なサービスが含まれる。


プロ野球選手というのは個人事業主であり、まだ20歳になったばかりの森選手はまさに起業しようとしているところなのだ。そのために必要な様々な知恵とスキルを石井コーチ達からしっかり学んで欲しい。


そうすれば、私が期待している、守備と走塁でライバル達を圧倒し、打撃もなんとかショートのレギュラーを任せられるだけのレベルに達するという今シーズンの目標を達成することができるだろう。


今日は節分ということで、上茶谷大河投手とフェルナンド・ロメロ投手が豆まきを行なった。鬼に扮したスタッフに「鬼は外―」と豆を投げていたが、コロナウィルスも外に追いやり内に福を連れてきてくれるように期待したい。


その他、逆襲を期する入江投手がブルペンに入るなど他にも見どころはあったが、それはまた改めて書くこととしたい。