mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

巨人戦(練習試合)に快勝。そして打撃投手のよろこび



2月20日 対ジャイアンツ 沖縄セルラースタジアム那覇 6-2 勝ち




これまでの練習試合では2番に入ることの多かった森敬斗がトップバッターとなり、代わってここまで結果の出ていない楠本が2番。


古巣ジャイアンツ相手に大田泰示がライトで4番、昨日に試合からあたりので始めた細川は5番DHを任された。


好調の神里が3番に居ることで、スピードと打撃の両方が期待できる。
この時点で、知野ちゃんと新人梶原の大爆発を誰が予想できただろうか?


1. 森(SS)
2. 楠本(LF)
3. 神里(CF)
4. 大田(RF)
5. 細川(DH)
6. 柴田(2B)
7. 山本(C)
8. 知野(1B)
9. 倉本(3B)


投手 坂本(4回)→上茶谷(3回)→山﨑(1回)→田中健(1回)
楠本→梶原(LF)、柴田→田部(2B)、神里(CF)→桑原(CF)、大田(RF)→神里(RF)、
細川(DH)→伊藤光(DH)、山本(C)→戸柱(C)


坂本と上茶谷はローテーション入りをかけて、何とか首脳陣にアピールしたいところ。
山﨑もクローザー復帰に向けて体型スリム化等の努力の成果を見せられるか?


タナケンはブルペンでも順調で、昨年後半の好調を維持できていれば久しぶりの勝ちパターン定着も狙える。




2回裏 岡本のセンター前ヒットに続いてウィーラーがセンターへの2塁打で無死2、3塁とし、中田翔はライトフライにうちとったが、一死後に大城のファーストゴロの間に巨人先制。0-1とリードされた。


5回裏 大城と廣岡のヒットで一死一、二塁となり、中山のファーストゴロでダブルプレーを狙うもショート森の悪送球で1点追加。0-2と2点ビハインドになった。


6回表 一死ランナー無しから梶原がレフト前ヒットで出塁し、続く神里がタイムリーツーベース。さらに、大田に代わって4番に入った桑原がレフト前に運んで2-2の同点に追いついた。


さらにベイスターズは8回表にも梶原がレフトにライナー性の当たりを放ったが、突っ込んできた廣岡が何故か転んでしまい、その間に俊足を飛ばしてスリーベースヒット。続く神里はきっちり犠牲フライを打って3-2と逆転に成功した。


8回裏は山﨑康晃がストレート主体のピッチングで三者凡退に抑え、続く9回表にもベイスターズ打線がスピード感のある攻撃で加点した。


一死から戸柱、知野の連続ヒットとし、次の倉本のセカンドゴロ併殺崩れで二死一、三塁。
ここで、今日はノーヒットに抑えられていた森敬斗がレフトへタイムリーツーベース。足が速いとレフトを抜けていなくても難なく2塁まで到達できる。いいなあ。


そして、二死二、三塁から梶原が開いた一、二塁間をゴロで破る2点タイムリーヒット。
森の俊足が生きた。


9回裏はタナケンがヒットを一本打たれたものの、落ち着いて後続をダブルプレーに打ち取ってゲームセット。




先発の坂本裕哉は4回を投げて被安打3、与四球1、奪三振2で失点1。
松原、坂本、丸、岡本、ウィーラー、中田翔、大城と続くジャイアンツの平常運転の打線に課題としていたストライクゾーンでの勝負というのはまずまずできていたと思う。


「昨年までだと走者が出るとアップアップになってしまったが、きょうは丁寧にバッターを打ち取ろうと考えた」と本人もメンタル面での成長を実感したという。今季から投げるようになったツーシームも試して、「真っすぐの軌道から(の変化)で、バッターもびっくりした反応だった」と手応えを感じていた


この調子で調整を続けて行けば、開幕ローテーションの6番手かその次くらいの位置までには入るのではないだろうか。


2番手の上茶谷も力のあるストレートとカットボール主体でストライクゾーン内で勝負できていたと思う。5回に1点を失ったが、森のエラーがらみなので自責点はゼロになるだろう。


また、得意のカットボールの対になる球があれば面白いと思って練習してきたという新球シュートを試していた。5回1死一塁からは広岡に左前打を許したが全5球を内角に投じるなど、意識的に右打者の内角を突く攻めは良かったのではないか。


小谷アドバイザーの意見も取り入れ球威向上に努めてきたストレートで相手を差し込む場面もあり、三浦監督も「直球が非常に強くなっている。去年とは比べものにならないくらい、球の質も良くなっている」と評価した。


時折投げるチェンジアップが高めに浮いてしまっていたこと、ストライクゾーンで勝負とは言え、ストレートがまん真ん中に行くことが何度かあったので、このあたりを調整して開幕ローテーション入りを果たしてもらいたい。



山﨑康晃は先頭打者の松原と続く八尾板にほとんど全球ストレートで押した。2人の打者はともに押し込まれていたので、まずは順調と見て良いだろう。


3人目の吉川尚輝には外角に140キロ台半ばのシュートを2球続けて、セカンドゴロに打ち取っていた。これはいわゆる亜大ツーシームより速いので、小谷さんや斎藤隆コーチから教わった新しいボールだったのではないかと思う。


9回裏のタナケンも良かった。特に先頭の秋広選手が左打席に入ると、全てアウトローにスライダー、ボールになるフォーク、ストレートと続け、そして最後に115km/hの大きなカーブで見逃し三振。


トミージョン手術後ストレートの球速は上がったが以前の決め球だった大きなカーブが未だしっくりこないと言っていたが、今日のカーブは最高だった。全く反応できなかった秋広選手の様子を見てもよくわかる。




まずは何と言っても知野選手の4安打が目立った。一、二塁間を破る頃のヒットが2本あったが、こんなに流し打ちが上手だったかと思うようなバッティングだった。
もともと広角に打てるタイプだったが、コンタクトのうまさが光っていた。


知野選手は内野なら全てのポジションを守れるというユーティリティ性の高い選手で、ここぞという時の長打力も期待できる。その彼が今日のような旨いバッティングを見せてくれるようだと、1軍定着はもうすぐ手の届くところに来ている。


彼は未だ23歳。
これから何年にもわたってチームに欠かせない存在になっていく予感がする。


新人の梶原選手が3安打の猛打賞。彼も先日の紅白戦に続いてアピールに成功した。
一本目のレフト前、三本目の一、二塁間をゴロで抜ける2点タイムリーなどプロ野球でのヒットの打ち方を心得ているような好打を見せていた。


二本目のスリーベースはレフトに不慣れな廣岡選手の謎の転倒による幸運なヒットだったが、あれでサードまで到達できる走力にむしろ注目したい。
神里選手のツーベースで一塁から一気に生還した走塁も首脳陣の評価は高いはずだ。



この2人がこのままの調子で行くと、内野では田中俊太と倉本、外野では宮本と関根といったところの首が薄寒くなってくるだろう。


何かを掴みつつあるような未完の大砲、細川選手は今日も1安打。本人もだんだんボールが見えて来た、と言っているので、このままチャンスを掴んで1軍に定着して欲しい。


桑原選手は途中出場ながら2安打と好調で、昨年二度目のブレイクを果たした後の2年目のジンクス(?)の心配は杞憂に終わりそうだ。


神里選手もタイムリーツーベースと犠牲フライで2打点の活躍だったが、それ以外の3打席が全て三振というのは少し気になる。見逃し三振も二つあり、ストライクゾーンが合ってないような感じもしたが、好調を維持するためにも早々に補正して欲しい。


森選手は追加点を奪うタイムリーツーベースを放ち勝負強いところを見せたが、今日もゲッツーを狙って焦った送球からエラーでダメージを大きくするようなプレーがあり守備には反省材料があった。石井琢朗先生の補習を受けてこの失敗を技術の向上につなげて欲しい。


チーム全体としては13安打で6得点と打線が活発だった。
楠本選手が全く当たっていないのと、大田選手がボール球に手を出しているところが気になる。まだ時間はあるので、焦らずに調子を上げて行けば良い。




今日のスポニチアネックスに大木穂高さんの良いコラムがあったので最後に紹介しておきたい。https://news.yahoo.co.jp/articles/7d80bb0efeb6d70e50014dfef8ec94f95dd5326a


大木さんが打撃投手のフォームをスマホで動画撮影しているのを見て興味を持ったらしく、
グループリーダーの三橋直樹打撃投手に聞いてみると、次のような答えが来た。


「昨年4月ですね。スマートフォンの映像が手軽で新鮮で。何で今ままでやらなかったのかなと。投げると緊張するんです。打者に迷惑をかけたくない。でもフォーム崩れはある。凡打が続くと“やばい”と思う。逆に打たれると乗る。スマホで確認。それだけでも大きい」


1軍の打撃投手は総勢8人いるそうで、彼らはシーズン中、毎試合約100球を投げる。そして登板後はアイシングもせず、スコアラー業など別の仕事を行う。


三橋打撃投手は「投げるのは毎日、自転車に乗っているような感覚。この打線に携わっているのはうれしい。今、41歳。60歳でも続けたい」と言う。


打撃投手のフォームのチェックと言うのがプロスポーツの大事な品質管理の一部だということは私は考えたことがなかったので、このコラムはとても参考になった。


今日の練習試合でのベイスターズの打者たちの活躍も裏方さんと呼ばれる彼らの真のプロ意識と技術に支えられている。大木さんも書かれているように、98年に「マシンガン打線」で日本一に輝いた時も今もベイスターズの売り物の一つは強力打線で、その歴史は「打たれる」ことが仕事の男たちによってつながれているのだと思う。