mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

コロナ禍での危機管理という新たな戦力



既に報じられているように、先週後半のPCR検査の結果、柴田竜拓、戸柱恭孝、牧秀悟、倉本寿彦、山下幸輝、浜口遥大、神里和毅の7選手が相次いで陽性と判定された。


また、桑原将志、石田健大、大田泰示の3選手が濃厚接触者疑いで自主隔離となっている。これ以外にも、斎藤チーフ投手コーチ、スタッフ3人も陽性となっており、残念ながらベイスターズでクラスターが発生したということは疑いがない。


これを受けて、昨日の甲子園での阪神タイガース戦は中止になったが、さらに、今日からの横浜での中日3連戦も中止とすることが球団から先ほど正式に発表された。


次の試合は12日と13日に予定されている那覇での巨人戦だが、この試合の開催の可否も今後のPCRの結果や濃厚接触者の陽性判定の有無等に配慮しながらこれから決定されることになるのだろう。


三浦監督も取材に対して、“ファンの皆さんや対戦相手には申し訳ないが、チームとして徹底した感染対策をとった上で生じた事態なのでこればかりはしょうがない”、と答えていたが、その通りだろうと思う。


ただし、チームの危機管理としては、クラスターの発生を予防するということだけが求められているのではない。クラスターが起きてしまった後の影響緩和というもう一つのリスク管理が極めて重要になる。




2月のキャンプ開始時に最初のクラスターが発生した際、このブログでも、“速報 今の感染状況が続いても開幕は迎えられるのか?”という記事を書いた。


この記事では、定期的に行われるPCR検査の陽性率によっては、開幕時の出場可能選手数が20人程度から70人近くまでバラつくことというシミュレーション結果を示した。


そして、この“バラつき”が各チームの本来のチーム力や選手層の厚さあるいはオフ中の補強の程度などよりずっと大きな影響を持つ可能性があることを述べた。


その後、キャンプではさらなる感染は報告されず、杞憂に終わってよかったと思っていたが、シーズンに入ってから今回のように大きなクラスターが発生してしまったことは残念だ。


今シーズンこれまでにクラスターが発生したのは楽天とDeNAの2チームだけだが、これからどのチームに起きてもおかしくない。そして、各チームの予防策と影響緩和策の良し悪しによって、本来の実力とは別の次元でペナントレースの結果が左右される可能性は結構あるように思える。



今回のようにクラスターが既に発生している場合、今大事なことは影響緩和という対策であり、具体的には次のようなことが考えられる。


① さらなる感染拡大の防止


まずは、これ以上感染者を増やさないことが先決だ。このためには、濃厚接触者や陽性だが無症状の選手が練習を再開するまでに規則通り陰性確認をしっかり行うことはもちろんだが、それ以外にもチーム内での選手間の接触を制限することも必要かも知れない。


チームプレイである以上、選手間のコミュニケーションは極めて重要だが、これをリモートに置き換えられる部分はできるだけそのようにしていくこと、そして、ベンチ内などでも全員が陰性という前提には立たずに、マスクの着用や換気、除菌などの対策を見直す必要があるように思う。


② レギュラー以外の1軍メンバーの活用


桑原選手と大田選手が濃厚接触者として自主隔離しており、また、神里選手が陽性判定となっている外野陣では、このところスタメンの機会も多かった関根選手と楠本選手に奮い立って欲しい。


こういう時にチャンスと言ってしまうと不謹慎という批判があるかも知れないが、自分のためにもチームのためにも目の色を変えて頑張るべき時だと思う。


内野手では、知野選手が開幕戦の失敗を取り返す機会ができたと思って頑張って欲しい。

そのためには、首脳陣も、彼を便利に全ポジションで使うのではなく、やはり、ショートやセカンドで大和選手とのコンビで乗り切るようにして欲しい。


捕手は特に苦しい。戸柱選手の陽性判定に加えて、伊藤光選手が練習中の違和感のために抹消されているためだ。山本選手がメインになるかと思うが、この機に、今シーズンのキャンプでは一皮剥けたと言われていたバッティングの向上ぶりを見せたいところだ。


③ 2軍で好調な選手の引き上げと抜擢


捕手では嶺井選手、益子選手、内野手ではそろそろ後がなくなってきている伊藤裕季也

選手や田中俊太選手を使いたいところだ。特に、伊藤選手については、牧選手と同タイプと言われているだけに、この機会に登録されないようだといよいよ厳しくなる。


外野手では蝦名選手と梶原選手が候補だろう。

後述するように、ソト選手が復帰すると佐野選手が左翼に入る可能性が高いと思われるので、守備固めの意味も含めてこの二人のどちらかあるいは両方を呼び寄せたい。


④ 離脱者や新入団選手の無理のない範囲での速やかな1軍合流


ソト選手とクリスキー選手については、今回の一件の前から8日からの中日戦で一軍合流という報道があったので、再開と共に選手登録が行われるだろう。


もう一人、東投手もこのタイミングでの復帰が予定されていたので、再開に合わせて登板の機会が与えられると思う。


オープン戦で打球が当たった三上投手はどうだろうか?12回までの延長戦のある今シーズンは、タフな彼がいてくれるとずいぶん助かるのだが。


先日ファームで2回を投げた今永投手はまだ数週間はかかると思うので、ここは焦らない方が良い。




以上のように考えてくると、スタメンは次のようになるのではないかと予想する(多分に個人的な好みも入っているのでご容赦ください)。


1. 関根(CF)

2. 楠本(RF)

3. 佐野(LF)

4. ソト(1B)

5. 宮﨑(3B)

6. 大和(SS)

7. 知野(2B)

8. 嶺井(C)

9. 投手


代打、代走、守備固めとして外野のリザーブは細川選手、蝦名選手、梶原選手。内野では、伊藤裕季也選手と田部選手に期待したい。


捕手は経験を考慮して嶺井選手としたが、実際には先発投手に応じて山本選手と出場機会を分け合う形になるだろうか。益子選手も昨年東投手と組んだ時の好投という成功経験もあり、チャンスは何度か与えられるだろう。


先発ローテーションは、東、坂本、ロメロ、大貫、上茶谷で来週の5試合(那覇の移動日があるため元々1試合少ない)を回すだろう。


19日からの阪神戦には、濃厚接触者の石田投手あるいは無症状の浜口投手が間に合うかも知れない。期待の若手である京山、阪口両投手は直近のファームでの乱調ぶりからするともう少し時間がかかるように思う。


救援陣は、幸い今のところ影響が出ていないので、クリスキー投手を上げるだけの変化になると思われる。


伊勢、入江、砂田、田中健、エスコバー、ピープルズ、クリスキー、三嶋、山﨑


という布陣になるが、いわゆる勝ちパターンとしては、エスコバー、三嶋、山﨑を中心にして、復調傾向の伊勢とクリスキーの様子を見ながら少しずつ大事な場面を任せていくことになるだろう。


もしも三上投手が復帰できるようであれば、入江、砂田投手については、一度ファームで再調整する期間を儲けた方がシーズン全体を見ると得策かも知れない。


野球につきものの怪我や不調、そしてこれまでは考えてもいなかったコロナ感染ということは起きてしまった以上後戻りはできない。この経験が後になってみるとチームの柔軟性や多様性を高める結果になったと言えるような取り組みが今は必要だ。


とここまで書いたところで、楠本選手と砂田投手が新たに陽性判定というニュースが今入ってきた。今後、さらに慎重に推移を見守る必要がありそうだ。