ソトの悪球打ちでサヨナラ勝ち
4月20日 対阪神タイガース 横浜スタジアム 1-0勝ち
試合前の公示で、昨日のイースタンリーグの試合で実戦に復帰した牧秀悟、戸柱恭孝、倉本寿彦、そして山下幸輝の4選手が選手登録された。
代わって、益子京右、伊藤裕季也、知野直人、梶原昴希の4人がファームに回った。
知野はオープン戦から活躍して開幕一軍の座を掴んだが、開幕戦での守備のミスとその後の茫然自失となった状況からうまく立て直すことができないまま帯同していた印象だ。
一度ファームで冷静に自分のプレーを見つめ直して再び一軍に戻ってくるための武器を磨いて欲しい。もし彼が内野のユーティリティという立ち位置で売り出そうとするなら、各ポジションでのベースカバーや連携プレーなど勉強すべきことはかなり多いのではないかと思う。
復帰した牧がいきなり4番に座った阪神戦。緊迫した投手戦の最後には劇的な幕切が待っていた。
1. 関根(CF)
2. 大田(RF)
3. 佐野(LF)
4. 牧(2B)
5. ソト(1B)
6. 大和(SS)
7. 倉本(3B)
8. 嶺井(C)
9. 東(P)
継投 東克樹(7回)→伊勢大夢(2/3回)→エドウィン・エスコバー(1/3回)→三嶋一輝(2回)
阪神は初回先頭の中野選手がツーベースヒットで出塁するなど、1回、2回、4回と得点圏に走者を進めたが、ベイスターズ先発の東克樹が粘っていずれも無失点で切り抜けた。
4回のピンチは二死からロハスジュニアが左中間にツーベースヒットを放ち、その後、糸原はバットが粉々に砕けてボテボテのショートゴロになったが、それが奏功して内野安打。
二死一、三塁の大ピンチで、打順は豊田選手。慌てて選手名鑑を見るとドラフト6位の新人だった。都市対抗でホームランを含む活躍をしており良い選手だとは思うが、こういう場面ではやはり経験がものを言う。
代打という選択肢もあったと思うが、まだ試合前半ということもあり、矢野監督は自重した。
豊田選手はフルカウントから三振に倒れ、結果的にはタイガースにとってこの試合最大だったチャンスを逃すこととなった。チーム状況が良くないせいか、矢野監督の采配もやや消極的になっているのかも知れない。
ベイスターズの攻撃は、タイガース先発の小川投手に7回までヒット2本と完璧に抑えられた。球審のストライクゾーンが広かったということはあるが、それを活かすことのできるコントロールとボールのキレは素晴らしいものだった。
両チームとも決め手に欠き、点の入る雰囲気の全くないまま延長戦へ。
こういう時は、一本のソロホームランで試合が決まる。私は、それがあるとすれば、ベイスターズはソト、タイガースは佐藤輝明と思っていた。
延長10回裏ベイスターズの攻撃
先頭打者のソトがタイガースの四人目浜地投手が1-2と追い込んでから投げた高めのボール球を振り遅れ、詰まって打った当たりがライトスタンド前列のポール際ギリギリに飛び込むサヨナラソロホームランを打った。
これしかないという唯一の勝ち筋をものにしたベイスターズが昨夜の大逆転勝ちに続いて連勝した。
もしこの回に点が入っていなかったら、タイガースの11回の攻撃は佐藤輝明からだった。危ない危ない。
先発の東克樹は前回よりもストレートが力強かった。この1週間、スピンレートや回転軸などのデータを克明に調べながら球質改善に努めていたようで、その成果が早くも出た。
球速も147km/hまで上がり、阪神のバッターは押し込まれたり振り遅れたりすることが多く、それ以上に速く感じていたようだった。
7回110球、被安打5、無四球、無失点、奪三振8の堂々たるHQSで開幕投手の誇りと実力を見せてくれた。この調子でローテーションを引っ張っていって欲しい。
復帰していきなり4番に座った牧秀悟は、チャンスで併殺やピッチャーゴロなど未だ試合勘が戻らない様子はあったが、第一打席でヒットを放っており、さすがの好打者ぶりを見せていた。
21日は本人の誕生日なので、活躍して自らお祝い出来ることを祈っています。
その他、ヒットはなかったものの、倉本寿彦は昨夜負傷の宮﨑に代わってサードでスタメン。戸柱と山下も途中出場して元気な姿を見せてくれた。
21日には楠本泰示も一軍に合流というニュースがあった。
こうして離脱組が続々帰ってくるのは嬉しい限りだ。
昨夜の激走で左のハムストリングを故障した宮﨑敏郎は、幸い肉離れではなく、筋肉の炎症とのことで抹消はされなかった。
試合には出なかったものの、ベンチにいて、攻守交代の時に守備につくランナーにグラブを届けるなど裏方の仕事を買って出ていた。サヨナラのシーンでも脚を気にしつつ小走りでソトに駆け寄っていたので、軽傷というのは本当なのだろう。
まずは良かった。絶対に無理はせず、今週はお休みして、万全の状態でまた5番サードの定位置に戻って来て欲しい。
勝利投手は9回10回と回またぎで最後を締めた三嶋一輝だった。
初っ端にボールが続いてハラハラしたが、ストレートが走っていて、三振をとれていたことが彼自身を救った。
2回を投げて被安打1、奪三振4、無失点の力投だった。21日はオフと言うことになるだろう。雨の予報もあるが、クラスター発生で既に5試合キャンセルしていることから強行開催されるかも知れない。
その場合、三嶋一輝に代わる仮設の抑えを誰に託すか。個人的にはタナケンが良いのではないかと思います。
そしてソト。
球審のストライクゾーンが広いことも考えて、追い込まれてからの高めのボール球を強振した。振り遅れて詰まっているのにあれだけ飛ぶというのは、やはりこの人のスイングの力は特筆すべきものと改めて思った。
自分でもどっちに飛んだか分からず、ファンの歓声でホームランになったと気づいたというのはかつての野球漫画ドカベンのキャラクター、岩鬼正美のような悪球打ちだ。
この2年間不本意なシーズンだったソト選手が輝きを取り戻しつつある。
彼と復帰後のオースティン選手が揃って活躍してくれれば、悲願の優勝も本当にありそうな気がしてくる。
“うろたえるな、わいのファンどもよ。当然というにはあまりにも当然のホームランじゃい”
岩鬼正美
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