mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ベイスターズの上がり目はたくさんある



ベイスターズファンといえば、いつも、○○がそろそろ戻ってくるから、とか、○○が復調気配なのでそうなったらもう万全だ、とか言っているような気がするが、それの何が悪いのでしょうか?


ということで、交流戦明けの4連休の最初の記事は、ベイスターズの現状を踏まえつつ、これからチーム力が向上する要因について整理したいと思う。




ノーヒットノーランの今永昇太投手はリーグ戦再開後も勿論期待できる。特に、この4日間の休みがあることによって、最短でも中9日で17日の阪神戦に登板ということになるので、ノーヒットノーランの試合(117球)の疲労を取るにはちょうど良い。


金曜日のロッテ戦では6回2失点のQSながら負け投手となったが、大貫晋一投手の安定感も素晴らしい。これからもかなりの高確率でQSあるいはHQSを達成してくれるだろう。


この二人が左右のエースとして先発投手陣を引っ張ってくれる見通しが立った。そして、コロナの隔離期間から復帰した浜口投手と石田投手も5〜6回を2失点程度で抑えており、これらの4投手が先発する日については、早い回に大量失点して早々に試合が決まってしまう懸念は小さいと思って良いだろう。


土曜日に先発した京山投手は6回を投げて被安打3、与四球2。セーフティバントから盗塁そしてパスボールで失点したものの自責点は0。試合はもつれて5番手の田中健二朗が勝ち投手となったが、京山投手は勝ちに値する好投だった。


売り出し中の佐々木朗希投手と投げ合って負けなかったことは何よりも本人の自信になったに違いない。彼はコロナの影響で出遅れたが、ボールの威力もあり、カットボールがほぼ狙い通りに制球できるようになるなど一軍復帰後投げるたびに良くなっているので、リーグ戦再開後は大貫投手と並んで右の柱の一人になってくれるはずだ。


もう一つ朗報がある。


昨日のイースタンリーグのロッテ戦で東克樹が先発して7回95球、被安打3、与四球0、奪三振7、無失点の好投を見せた。一週前の日曜日ヤクルト戦でも6回1失点に抑えており、交流戦明けからそろそろ一軍に合流するだろう。


昨日の試合では伊藤光捕手がマスクを被り、変化球主体で時折ストレートをズバッとコーナーに決めるという配球だった。ストレートの球速はMax 146 km/hだったがキレは抹消前よりも良化していたように思う。そして、彼の長所であるキャッチャーの構えたところに投げ切るコマンドの高さはほぼ復活していたように見えた。


先発ローテーションに復帰して、この投球が一軍のバッター相手にもできるか、そして通用するか、を試すべき時が来ていることは間違いない。


ということで、先発ローテーションがこの6人になるとすると、3月末の開幕時点と比較して、以下の三点は明確なプラスだ。


・絶好調の今永昇太の復帰
・京山将弥の覚醒気配
・東克樹の復調





ここまでの通算チーム防御率は何とか4.00を切った程度で相変わらずセリーグ最下位、序盤に何試合かあった大量失点の影響が顕著に残っている。しかし、交流戦に限ると、2.60で阪神の1.96は別として2位ヤクルトの2.48、3位ソフトバンクの2.52とさほど差のない2.60で4位タイ(西武と同率)とかなり改善している。


上に書いた先発投手の安定もさることながら、ここに来てブルペンが安定してきたことも大きな要因となっている。


伊勢大夢、田中健二朗、エスコバーは大崩れしないという安心感があるし、クリスキー投手がNPBのボールに慣れたのかMLBの頃よりも制球が良くなっているように見える。このまま行くと、勝ちパターンの一角として他の投手の負担軽減の役目を十分に果たしてくれるように思う。


入江大生は良い時と悪い時の差がはっきりしているのが難点だが、ストレートに威力があるのは間違いなく、良いフォークとスライダーもある。低めに確実に制球できるようになれば、近い将来クローザーという位置も見えてくると思う。



そして平田真吾はビハインドも含めた柔軟な起用によく応えている。昨日の試合を見ても分かる通り、いつでも勝ちパターンを投入できる展開ということではないので、彼の価値は大きい。


山﨑康晃は逆転負けの印象が強いので色々と批判されているが、実は、横浜スタジアム以外では失点していないのだ。特に、横浜スタジアムでの日曜日の試合がうまくいかない。


いくら何でも単純すぎるかも知れないが、日曜日の横浜スタジアム限定のクローザーとして伊勢あるいはエスコバーもしくは教育も含めて入江を起用してみてはどうだろうか?


そして、最大の上がり目は、三嶋一輝が戻ってくるということだ。ファームで戻りかけたが結果を残せず、再度調整となっているが、怪我からの手術というような事態でもなければセットアッパーの一人としてこれからブルペン陣の疲労が蓄積する夏の救世主になってくれるという予感がする。


ブルペンについても開幕当初と比較してみると次の点が明らかなプラスだ。


・伊勢大夢の安定感が向上して防御率が非常に良くなった
・エスコバーが本来の投球を取り戻した
・タナケンが手術以前よりも良い投球をするようになった
・クリスキーが(多分)当たりだった
・入江大生の球威が非常に良くリリーフ適性のあることがはっきりした
・山﨑康晃が日曜日の横浜スタジアム以外では往年の輝きを取り戻した




① 復帰する選手たち


故障で離脱していた大田泰示と森敬斗の仲良し二人が復帰して一軍での出場を始めた。
実戦の勘を取り戻すにはもう少しかかるだろうが、ベンチを盛り上げるムードメーカーとしての効果は既に見えている。


森選手には攻守にわたるスピード感溢れる活躍を見せてくれるだろうし(既に強肩を見せつけるようなファインプレーをいくつか見せてくれた)、大田選手の離脱前の働きは打線の迫力と機動性を随分と高めてくれるものだった。


大田選手の少し後にやはりハムストリングの肉離れで離脱した楠本泰史選手も横須賀で既にダッシュを始めていることがSNSで拡散されていた。ここまで回復すれば、バッティング練習や守備練習も再開しているだろうし、だとすれば、明日からのイースタンリーグ楽天戦あたりで実戦復帰を果たすのではないだろうか。


脚の故障が治りかけたところでコロナに感染した伊藤光も復帰して、イースタンリーグのロッテ戦でスタメンのマスクを果たしフル出場した。


東→砂田→石川の3人の投手をリードして完封リレーを達成したのもベテラン捕手の配球が一役かってのことなのだろう。


そして、この人を忘れてはいけない。


このところタイラー・オースティンが守備練習やバッティング練習を行なっていると言う目撃情報が画像付きで拡散されている。


4月13日にアメリカで右肘のクリーニングを受けてから今日でちょうど2ヶ月。野手の場合の実戦復帰の目安は2ヶ月程度だと思うので、そろそろだろう。


今週か来週のイースタンリーグで久しぶりに彼の豪快なバッティングを見ることができるのではないだろうか?



② 復調する選手たち


昨シーズンはキャリアハイを記録した桑原将志は開幕以来ずっと迷路の中にいた。一時脱出の糸口を掴みかけたかに見えたが、今度はコロナ陽性で離脱と言う踏んだり蹴ったりの状況だった。


コロナ復帰後、三浦監督はじめ首脳陣の期待を背負って1番を任されたがどうしても結果が出ない。打席で前に出され、ひっかけてショートゴロと言う彼の悪い時の標準形を延々と繰り返してしまった。


その後しばらくは守備要員のような立ち位置になっていたが、交流戦後半でやっと本来のバッティングを取り戻して来た。直近6試合では23打数8安打で打率 .348、本塁打1と好調だ。


未だ本人も疑心暗鬼の部分があるかも知れないが、大丈夫。夏は君の季節なのだから。


そして悩める大砲ネフタリ・ソト。


以前から思っていたことなのだが、彼の調子は後ろの打者によって影響されやすい。牧の前の3番を打っていた時は勝負してもらえていたのだが、6番や7番という下位に置かれると、ボール覚悟の厳しい攻めをされ、ボール気味の変化球を追いかけてしまってバッティングを崩す傾向があるように思う。


また、2年連続でホームラン王をとったことで他チームによる攻略法の研究が進んだこともあっただろう。彼はインコース低めのストレートが弱点なので、そこで打ちとることから逆算した攻めをしてくるバッテリーが増えたように思う。


真面目なソト選手はこのところ早出でバッティング練習に取り組んでいる。その甲斐あってか、以前はとらえられずにファウルや空振りしていた真ん中から外寄りの高めのボールを仕止めることが増えてきた。


昨日の2本のフェンス直撃のツーベースは復調の証だと思う。あとはもう少し打球が上がってスタンドに届くようになってくれれば、相手バッテリーにとって脅威となるし、そうなれば失投も増える等付け入る隙も出てくる。


プロ野球選手とは言え、やはり人と人の対決である以上は甘く見られた方が負けと言うメンタルの要素はかなり大きいと思う。


リーグ戦再開後数試合以内に4月26日の巨人戦以来となる彼の豪快な5号ホームランが飛び出すような気がしてならない。


③ 新しい力


上述した多くの選手の故障やコロナによる離脱あるいは実績ある選手の不調は新しい力が台頭するチャンスでもある。


そのチャンスを掴みつつある選手の代表は蝦名達夫選手だろう。
昨シーズンは見逃し三振でチャンスを掴むことが出来ず、相当悔しい思いをしたに違いない。


ファームから上がってから積極的なバッティングを続けて三浦監督に注目され、このところ3番バッターと言う大役を任されている。


交流戦最後の2試合は佐々木朗希など好投手との対戦が多くノーヒットだったため少し落としたが、ここまで打率 .309と高打率を保っている。交流戦でもホームラン2本を放っており、ブレイクした若手の一番手だと思う。


関根大気は高卒ながらプロ9年目の選手なので、そろそろ若手という括りはおかしいかも知れないが、これまで紆余曲折があり一軍ではなかなか結果が出せなかったという意味ではやはり新しい力と呼んで良いだろう。


彼も直近6試合で24打数8安打、打率 .333と好調だ。加えて、左バッターにもかかわらず、今シーズンの対左投手打率は .394と対右投手の倍近い高率を残している。


藤田一也という古くて新しい戦力も忘れてはならない。チャンスに代打で起用された時の職人のような落ち着いた所作と渋いヒットもさることながら、若い選手が多く、ピンチで歯止めが効かなくなりそうな時に皆を鼓舞する精神的支柱としての働きも無視できない。


ということで、まとめてみると、故障やコロナあるいは不調で底だった時に比べると、野手に関しても次のような上がり目があることは明らかだ。


・大田泰示と森敬斗の復帰そしてその後の本領発揮
・代打もできる勝負強い左の好打者 楠本泰史の復帰
・伊藤光の復帰による嶺井の負担軽減と打てる捕手の恩恵
・タイラー・オースティンの復帰と打棒爆発
・不動のトップバッター兼外野守備の要となる桑原将志の復活
・ネフタリ・ソトのスランプ克服と再びのホームラン量産
・蝦名達夫という新しい風
・左腕キラーで俊足の関根大気がジョーカーとして使える
・藤田一也の復帰によるチームの精神的安定