ハマちゃんの粘投と伊勢大夢の初セーブでジャイアンツに快勝
7月9日 対読売ジャイアンツ 東京ドーム 2-0 勝ち
二晩続いたフルイニングのドローで選手たちの疲労はかなり残っているだろう。
そして、昨夜までのナイターから今日はデイゲームへの変更ということで休息の時間がどれほど取れたか。
しかしここが踏ん張りどころだ。
連夜の引き分けでモヤモヤした気分ではあるが、振り返ってみれば今週はここまで1勝2分け。つまり未だ無敗なのだ。
今シーズンは鬼門となっているが、週末のこの2試合でどちらかでも勝てば借金を二つ減らした先週に続いて今週もさらに一つ以上の返済が可能となる。
1.5ゲーム差まで追い上げた広島、そして4ゲーム差に迫った読売に追いつきAクラス入りを果たすためには、毎週一つずつでも借金を返すことのできるような戦いを続けて行く必要がある。
そのためには、そろそろ一度打線の大量援護で余裕のある試合展開をしたい。
好調の宮崎敏郎と安定した佐野恵太を軸として、これに復調傾向の牧秀悟とN.ソトが加わればそうした展開も可能だろう。
今日の先発は浜口遥大で、ジャイアンツの先発アンドリースとの初対戦となる。
アンドリース投手は数ヶ月前のイースタンの試合で観ただけだがストレートとチェンジアップの緩急が素晴らしく、横須賀の選手たちでは全く歯が立たなかった。
さすがに一軍の選手たちは違うと思いたいがどうだろうか?
アンドリース投手は前回登板の際にピッチャー強襲の当たりを受けており抹消されていたため、久しぶりの一軍のマウンドということになる。まずは彼自身の出来がどうかという点も重要だろう。
ハマちゃんは先週素晴らしいピッチングを見せた。
7回2/3、好調だった強力ヤクルト打線を相手に100球を投げて7安打を喫したものの与四球1、1失点という内容だった。
しかし、投げてみないと分からないというのもハマちゃんの危ない魅力だ。
今日我々はどちらのハマちゃんを見ることになるのだろうか?→良い方のハマちゃんだった!
ジャイアンツの先発アンドリース投手は右腕だが、何故か右打者に対する被打率が高い( .524)。左打者の被打率が .115なのでかなり偏っていると言って良い。
これは、何と被打率 .000を誇る伝家の宝刀チェンジアップを左打者に対しては15.6%投げているのに対して、右には7.9%しか投げていないこと、そして代わりに被打率4割あるいは5割を超えるカットボールとシュートの割合が右打者に対して大きくなることが要因の一つと考えられる。
しかし、こうしたデータは当然ジャイアンツも把握していると思うので、今回の抹消期間中に対策を練ってきている可能性はある。
いずれにしても、ベイスターズは恐らくこうしたデータを考慮して今日のスタメンは右打者を並べて来た。2番にライト蝦名、6番にショート大和と右打者を入れたため、いずれも左のバッテリー浜口と戸柱以外では左打者は佐野だけだ。
この戦術が功を奏するだろうか?
→ヒットはそこそこ打ってチャンスも作ったが、1得点にとどまり攻略できたとは言い難い。
1番 桑原(CF)
2番 蝦名(RF)
3番 佐野(LF)
4番 牧(2B)
5番 宮﨑(3B)
6番 大和(SS)
7番 ソト(1B)
8番 戸柱(C)
9番 浜口(P)
継投 勝 浜口遥大(7回2/3)→S 伊勢(1回1/3)
4回表 ベイスターズの攻撃
一死走者なしから7番ソトがアンドリース投手の外角一杯のカットボールに泳がされながら長い腕を上手く使ってすくい上げながら引っ張り、レフトスタンドに飛び込む先制ソロホームランを放った。昨夜に続いてベイスターズが1-0と先制した。
その後、ベイスターズがなかなか追加点を取れない中、浜口はランナーを出しながらも粘って三塁を踏ませないピッチングを続けた。
バックも固い守備を見せてハマちゃんを盛り立てた。チーム全体として闘うと言う意識が統一されているように見えた。
まずは3回裏の大和。二死二塁の得点機にウォーカーのショートゴロを深い位置で捕球し、間髪を入れずに送球して打者走者をアウトにした。これが抜けていれば先制はジャイアンツだったろう。
そして6回裏には牧がポランコの一、二塁間の鋭い当たりに飛びつき身体を反転して一塁に送球してアウトにしたが、これもファインプレーだった。昨年の牧選手だったら確実に抜けていると思われる打球で、今年のキャンプ前から取り組んでいる守備力強化の成果が出てきているようだ。
さらには7回裏先頭の増田陸選手の三塁線上のするどいライナーに宮﨑が飛びつきアウト。これが抜けていれば無死二塁のピンチになっていたので、ハマちゃんにとって非常に有難いプレーだったと思う。
こうして一点差で迎えた9回表。喉から手が出るほど欲しかった追加点がついにベイスターズに入った。
一死から桑原がヒットで出塁し、蝦名のセカンドゴロが進塁打となって二死二塁のチャンスとなったところで打席にはキャプテン佐野恵太。ここで、ジャイアンツの5番手高梨投手から左対左を苦にせず左中間へツーベースヒットを放った。
桑原がセカンドから小躍りしながらホームに走り込んでとうとう追加点をもぎ取った。2-0とベイスターズのリードは2点に広がったが、昨日のことを思い出すまでもなく、まだまだ安心できない。
昨日までの二夜連続のフルイニングでの引き分けで勝ちパターンのリリーフは使い果たしており、ベイスターズの切れるカードは昨日ベンチ外で休養日だった伊勢大夢のみ。
伊勢は7回二死一、二塁で降板した浜口の跡を継いで見事な火消し役を果たすと、最終回も回またぎでマウンドに上がった。八尾板選手にヒットを許したものの、その他の選手は三振2つを含む凡退に抑えて、プロ入り3年目での初セーブを挙げた。
今日のハマちゃんは先週に比べると制球がバラついていたが、ストレートとチェンジアップのコンビネーションが冴えてジャイアンツ打線に三塁を踏ませない投球を見せた。
恐らく本人としては好調と思っていなかっただろうが、上にも書いたバックの固い守備にも助けられて疲弊したブルペンを救う力投だった。
7回2/3、119球、被安打5、与四球4、奪三振4、無失点で二週連続のHQS。
これで、今週は東克樹、今永昇太、そして浜口遥大の左腕ドラフト1位の3人が揃ってHQS無失点と大健闘。
長らく待ち焦がれていた「幻の左腕王国」が実現する可能性が見えてきた。
諦めかけていた夢がもう一度手に届くところに近づいてきたのだ。
攻撃では12本のヒットを放ちながら2得点と決して効率は良くなかったが、それぞれの選手の必死さが伝わってくる内容ではあった。
先制点のソト選手はやっと8号というところだが、今日も含めてマルチヒットの活躍も増えてきて、復調傾向がさらに鮮明になってきた。
試合を決める2点目を上げた佐野選手も今日は猛打賞で打率を .313まで戻した。
その他にも、桑原、蝦名、戸柱がマルチヒットと攻撃自体は活発だった。
得点効率がもう一つだったのは、ノーヒットの4番牧と6番大和で打線がつながらなかったことも原因だろう。素朴な疑問なのだが、ソトを6番に上げて宮崎のすぐ後を打つ形にしてはいけないのだろうか?
昨日はベンチ外で休養し、連夜の延長12回までのチームの奮闘を恐らくはテレビなどで観ていたであろう伊勢大夢は「朝から今日はきつい場面で投げると覚悟していた」と語っている。
彼の覚悟は、本当はそのずっと前、そう昨年何度かあったセーブ機会の全てで失敗した時から既に確固たるものになっていたのではないだろうか?
去年とは違い、今日の伊勢大夢は最終回の独特な雰囲気に飲み込まれていなかった。
「しっかりと自分のボールを投げるんだ、それで打たれるならしようがない。
しかし、自分の気持ちで負けてまた後悔の日々を過ごすのだけは絶対に嫌だ」
という彼の心の声が聞こえてくるようだった。
クローザーとしての彼は今日目覚めたのだろう。
伊勢の目覚めのせい(回文)
最後にこの人からも一言。
「これ意外に知られていないんですけど。ベイスターズ今週は一回も負けてないんですよ。」
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