強くなった 一つになった
7月10日 対読売ジャイアンツ 東京ドーム 8-4 勝ち
2勝2分けで迎えた今週最後の試合はここまで1勝1分けとカード勝ち越しのかかる巨人戦。
ジャイアンツのエース菅野に対して、ベイスターズの先発は不調のためファームで調整中だったロメロと言うマッチアップ。
このところ再び活発化しているベイスターズ打線は菅野から6安打で4点を奪ったが、ロメロも6回途中の降板時に走者を残し、代わったタナケンがホームランを打たれたこともあり3失点。まあ痛み分けというところか。
勝負が決まったのは、限界に近いところで耐えたベイスターズ救援陣、試合終盤でのファインプレー連発で引き寄せた流れとそれに乗って延長10回に集中打を放った攻撃陣だった。
今週は接戦が多かったが、一つも負けなかった。そして3勝を挙げて借金を減らし、単独4位に浮上した。
明日から直接対決が予定されている3位広島とは0.5ゲーム差、2位ジャイアンツとも2ゲーム差と浮上してきたベイスターズ。
強くなった。そして、全員がチームのためにベストを尽くす集団になった。そう、一つになったことが嬉しい。
今日は桑原と蝦名の12番コンビの順序を入れ替え、昨日私が素朴な疑問で思っていたようにソトを6番に上げてきた。それ以外はほぼ平常運転。
1番 蝦名(RF)
2番 桑原(CF)
3番 佐野(LF)
4番 牧(2B)
5番 宮﨑(3B)
6番 ソト(1B)
7番 伊藤光(C)
8番 森(SS)
9番 ロメロ(P)
継投 ロメロ(5回0/3)→田中(1回)→H 入江(1回)→H エスコバー(1回)→勝 平田(1回)→山﨑(1回)
ベイスターズは3回に桑原のタイムリーと佐野のセカンドゴロの間にあげた2点、6回にも牧のタイムリーツーベースと宮﨑の犠牲フライで2点、それに対してジャイアンツもポランコと大城のホームランなどで4点を挙げ、4-4のまま終盤を迎えた。
流れとしては追い上げるジャイアンツの方が優勢な展開だった。
8回裏のマインドに上がったエスコバーは順調にツーアウトまで漕ぎつけたが、中山がヒットを打った後、重信が16球粘ってヒットで出塁。代打石川にフォアボールを与えてしまい二死満塁のピンチとなった。
ここで打席に入った吉川尚輝の打球はセンター前ヒットで万事休す、と誰もが思った時だった。センター桑原が異次元のダッシュで前進し、飛び込んで捕球してしまったのだ。
まさにスーパープレー。後方を見つめていたマウンド上のエスコバーが感極まって何度も両手を上げてジャンプしていたが、その気持ちはチームも全てのベイスターズファンも同じだった。
さらに9回裏の平田真吾。丸と八尾板のヒットで一死一、三塁と一打サヨナラのピンチを作ってしまう。しかしここでも信じられないファインプレーがチームを救った。
中田翔の放った打球はレフト前ヒットでサヨナラ、と誰もが思ったその瞬間、ショート森敬斗がカエルのように跳び上がり地上3メートルほどのところでギリギリライナーを捕球したのだ。しかも、着地するや否やファーストに矢のような送球で飛び出していた八尾板は戻れずに併殺。
一打サヨナラのピンチが一瞬にしてチェンジ。
この二つのスーパープレーがベイスターズに流れを引き戻した。
10回表 ベイスターズの攻撃
先頭の蝦名がジャイアンツの4番手高木からツーベースヒットで出塁。桑原の送りバントを中田がサードに送球したがセーフで無死一、三塁。続く佐野恵太の犠牲フライで両軍の求めていた追加点はベイスターズに。
さらに、牧の鋭いあたりをサード岡本が弾き、次の関根がヒットで繋いで一死満塁となったところで代打大和が、高木に代わった高梨から犠牲フライでもう1点。
最後は伊藤光が走者一掃となるセンターオーバーの2点タイムリーツーベースで8-4とジャイアンツを突き放し、試合を決めた。
1番に起用された蝦名、決勝打の佐野恵太とダメ押しのツーベースを放った伊藤光がマルチヒット。桑原、牧、宮﨑、関根にもヒットが出てチーム全体では10安打を重ねた。
一時期に比べるとかなり活性化していると思う。
打点を挙げたのは桑原、佐野、牧、宮﨑、大和、伊藤の6人とこちらも主だったところが皆貢献している。
攻撃に加えて、なんと言っても今日の殊勲は桑原と森に代表されるファインプレー連発の固い守備だ。暑い中集中力を高めて素晴らしいプレーを続けている。
今日のヒーローインタビューは佐野恵太だったが、
“こうして僕がヒーローインタビューに呼ばれていますが、今日は全員がヒーローです”
とキャプテンらしいコメントを残していたが、社交辞令ではなく、きっと本心からのものだろう。
桑原はあのスーパープレーの時、後ろにそらしたらどうしようなどということは全く考えていなかった、と試合後に語っていた。
少し大袈裟かも知れないが、本当に決死の覚悟で飛び込んだのだろう。
彼の積極的な守備が最高の形で実を結び、ジャイアンツに傾きかけた流れをベイスターズに呼び戻した。このプレーがその後の森敬斗のファインプレーの引き金になったし、10回表の集中打の呼び水にもなったように思う。
まさに勝負の行方を左右する値千金のビッグプレーだった。
昨夜からインターネット上で、森敬斗はバネであると言うコメントがトレンドになっているようだ。
9回裏に中田翔もサヨナラ打を阻止した例のプレーを動画で見直してみると、垂直跳びの見本のように3メートルくらいの高さまで跳び上がり、当然レフト前ヒットという当たりを無理やりキャッチしている。
膝に手をついて項垂れた中田翔の姿がこのプレーの重要性をまざまざと見せつけていた。
チームは一つになり、強くなった。
さあ、本当の横浜反撃に向けて頑張れベイスターズ!
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