mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

三浦監督の宿題 リリーフの運用



7月25日 オールスター第1戦 ベイスターズの試合は無し


今日もベイスターズ一軍の試合はないので、昨日に続いて、リリーフの運用についての三浦監督の宿題の記事を書いてみる。




下の表は、今月に入ってからの主力リリーフ投手の登板日とその結果だ(◯は登板したがホールドやセーブ等の付かなかった試合)。



シーズン序盤は伊勢大夢を頻繁に登板させるなど、勝ちパターンの起用法が確立されていない印象だったが、ここに来て落ち着いてきた。


7月に入ってからの3連投は平田真吾と山崎康晃がそれぞれ一度ずつあったのみで、特に中旬以降は連投すらそれほど多くない。


一方、中旬以降で、いわゆる勝ちパターンの伊勢、エスコバー、山崎の3人が負け試合に登板したのは24日の阪神戦で最後にマウンドに上がったエスコバーだけ。


この判断は三浦監督1人ではなく、斎藤隆投手コーチ等との話し合いも含めてと言うことだろうが、勝つべき試合と負けても仕方ない試合とを区分したリリーフ運用については、対応できるようになって来たと見て良いように思う。


こうした運用の甲斐あって、今月の勝ちパターンのリリーフ陣の成績は素晴らしい。


上記の3人に加えて、クリスキー投手離脱後に序列の上がった感のある入江投手も含めて、直近6試合の成績を書き出してみた。


伊勢大夢 6回1/3 1勝 4ホールド 1セーブ 被安打1 防御率0.00 奪三振率9.95 WHIP0.16


山崎康晃 6回 3セーブ 被安打1 防御率3.00 奪三振率7.50 WHIP0.67


入江大生 6回1/3 2ホールド 被安打2 防御率0.00 奪三振率11.4 WHIP0.47


エスコバー5回1/3 5ホールド 被安打4 防御率0.00 奪三振率10.1 WHIP1.13


4人とも勝ちパターンの投手として十分な成績を残しているが、入江投手と伊勢投手の明治大学の先輩後輩コンビが特に素晴らしい。入江投手の台頭によって、一時期伊勢投手に集中していた負荷がある程度分散されるようになって来た。









入江投手のストロングポイントは、150キロ台中盤を超える非常に強いストレートと鋭く落ちるフォークボールで極めて高い奪三振能力を持っていることだ。そして、時折投げる鋭い縦のカーブには、低めに決まるとプロ野球選手とは言え当てられる人が居るのだろうかと言うキレの良さがある。


こうしたピッチングは、将来のクローザーの期待を抱かせるのに十分なもので、背番号22の前任者である大魔神佐々木投手の後継者として名乗りを上げつつある。


そして、今日からのオールスターゲームにも監督推薦で出場する伊勢大夢投手は、セットアッパーとして抜群の安定感を示しており、現時点でもリーグを代表するリリーバーの一人だろう。


彼もシュートホップするキレの良いストレートで空振りがとれるし、昨年に比べて、ここ一番で狙ったところに投げ切る制球力がレベルアップしていると思う。




と言うことで、リリーフの運用については、三浦監督は今シーズン序盤の課題をほぼクリアしていると私は思う。


これからシーズン後半に向けての宿題としては何があるだろうか?


まず一つ目は、成長著しい伊勢投手と入江投手をセットアッパーとして定着させ、エスコバー投手も含めて負荷分散しつつ、勝ち試合を確実にものにし、僅差の中勝ちに行く試合の流れを守備から持って来ることのできるような強い勝ちパターン、いわゆる勝利の方程式を作り上げてシーズン終了まで走り切ることだろう。


この宿題は、今月のような運用をしていれば達成できるのではないだろうか?


そして、夏場の疲労や接戦の続く週、そして前半で流れた試合を組み込むことで過密化するであろう終盤の日程を乗り切るための施策が求められる。


三嶋一輝の復帰


右肩の故障から復活を目指していた三嶋投手はファームで連続して無失点で抑えていたが、コロナ陽性となり離脱中だ。これも肩の状態をさらに万全なものとする時間だと捉えて、終盤の過密日程に合わせて勝ちパターンの戦力になってくれれば、CS争いをする他のチームにはないアドバンテージになるだろう。



ガゼルマン投手の活用


今月になって獲得報道のあったガゼルマン投手についても、MLBでの投球の動画を見ると、高速シンカーなどを駆使して勝ちパターンの一角を占めるだけの実力がある投手だと言うことがわかる。


彼はコントロールも安定しているようなので、来月あたりから登板し始めてNPBのボールと打者に慣れて来る9月頃には、三嶋投手の場合と同様、競争相手のチームにはないフレッシュなリリーフ力でラストスパートをかけるための最終兵器になってくれるだろう。


最後にもう一つ、三浦監督の宿題として考えて欲しいのは次世代のクローザーの育成だ。


候補となるのは、伊勢大夢と入江大生の二人で、このうち伊勢投手は昨年失敗した反省を活かし、今季初めてセーブを挙げた。まだ一つだけのセーブだが、この経験は彼の今後にとって非常に価値あるものになったに違いない。


同じように、入江投手にもセーブ機会に登板するチャンスを何処かで与えて欲しい。


たとえ失敗に終わったとしても、伊勢投手がそうだったように、クローザーとして自分に欠けているものが何なのかを知ることができるだろうし、それがシーズンオフの研鑽の糧になることも間違いない。