mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ソト連夜の勝ち越し弾 入江大生魂の26球で巨人に連勝



8月17日 対読売ジャイアンツ 横浜スタジアム 7-3


昨日のエース対決を制して球団新記録となるホーム12連勝を飾ったベイスターズ。


このところの好調の要因はまず何と言っても先発投手陣そしてリリーフ陣の奮闘で失点を最小限にとどめていることだろう。昨日の記事だが、8月に入ってベイスターズのチーム防御率は2.30であり、リーグ最少とのこと。


そして、もう一つの要因は、打線が少ない好機をものにして得点を挙げていることだ。昨日の試合でも、5回の攻撃でソトのソロホームランの後、さらにもう一点追加した攻撃がその良い例だ。


しかし、打線は水もの。そろそろ、桑原、佐野、牧、宮﨑、ソトの主軸の中で手がつけられないほど好調のバッターというのが出てきて欲しい(できれば入れ替わりで)。もちろん、オースティンがスタメンに復帰していきなり絶好調ということでも良い(良いに決まっている)。


今日の先発投手は濵口遥大とメルセデスのマッチアップ。


濵口投手は以前の荒れ球が鳴りを潜めて、このところ安定して試合を作る投球ができている。


試合前のコメントも、欲を出さずに自分にできることをしっかりとやりたいといった趣旨のもので、地に足がついた状態で落ち着いて試合に臨むことができているようだ。今日も冷静にストレートとチェンジアップのコンビネーションを低めに集める投球でQSできればHQSの投球を期待したい。


今日の日没は6時29分。デーゲームが不得手のハマちゃんとしては、まだ明るい時間帯での登板となる初回を何とか無難に抑えて欲しい。→初回は抑えたがその後が大変だった。


対するメルセデス投手は7月と8月は未だ勝ち星がなく、このところコンスタントに自責点3程度といった結果が続いている。前回登板では、8月9日の中日戦で5回途中3失点で敗戦投手となっているが、今日はどうだろうか?→安定の5回3失点だった。




今日も1番から7番までは昨日と同じ打順。バッテリーが入れ替わって、8番キャッチャーが嶺井から最近濵口専属になっている感のある戸柱に代わったことだけが昨日からの変更点だ。


左腕のメルセデス投手ということで、最近調子を落とし気味の楠本選手に代わって左投手に対して脅威の打率を誇る関根大気を起用するかと思ったが、三浦監督の楠本に対する期待値がそれだけ高いということだろう。


対するジャイアンツは昨日復帰した坂本勇人が定位置の2番に入り、吉川、坂本、丸、中田翔、ポランコ、岡本と続く怖い打線を組んできた。何だか全員が一斉にコロナから復活したような印象だ。


1番 桑原(CF) 対メルセデス投手打率(今季) .400
2番 楠本(RF) 今季対戦なし
3番 佐野(LF) 同 .375
4番 牧(2B) 同 .000
5番 宮﨑(3B) 同 .250
6番 ソト(1B) 同 .500
7番 柴田(SS) 同 .000
8番 戸柱(C) 今季対戦なし
9番 濵口(P)


継投 濵口遥大(5回)→勝 平田(1回)→H 入江(2回)→エスコバー(1回)


薄暮よりやや明るい初回のジャイアンツの攻撃は、ハマちゃんが平凡な外野フライ三つで無難に切り抜けた。しかし、伝家の宝刀チェンジアップをはじめとしてボールが全般的に高い。2回以降修正していくことができるかどうかがこの試合の鍵になるように思う。


対するメルセデスの立ち上がりは、二死から佐野、牧を歩かせるやや不安定なものだったが、宮﨑をライトフライに打ち取って無失点で終えた。宮﨑の2球目アウトローのストレートがストライクコールだったことで乗っていけそうな印象だった。


3回表 ジャイアンツの攻撃 0-3


先頭の大城にヒットを許し、次の重信の打席がポイントだったと思う。8球粘られてフォアボールを出してしまった。これで無死一、二塁。


9番メルセデスの送りバントは阻止したが、1番吉川の打球はセカンドへの内野安打。これで一死満塁という大ピンチで怖い坂本、丸、中田と対決することになってしまった。


まず、坂本がインコース低めを上手く打ってライト前ヒットで1点。続く丸のセカンドゴロ併殺崩れの間にもう1点。さらに、4番中田は初球を狙いすましたように振り抜き、レフトへ鋭いあたりのタイムリーツーベースヒットで3点目を失った。


5回裏 ベイスターズの攻撃 3-3


この回先頭のソトがレフト前ヒットで出塁。これがチーム初ヒットだった。そして、高騰するピッチャーが初めてヒットを打たれるとリズムを微妙に狂わせるというのは野球アルアルだ。


そのせいかどうかは不明だが、続く好調の柴田も鋭いゴロで一、二塁間を破り無死一、二塁のチャンス。


ここで戸柱に代わってオースティンを打席に送ったが、三振に倒れる。しかし、次の嶺井は粘ってレフトの前に落ちるポテンヒットで一死満塁とチャンスを広げた。


打順は1番に回って桑原将志。メルセデスの初球を思い切ってセンター返し。これが2点タイムリーヒットとなって2-3と追い上げる。


なおも一死一、三塁のチャンスで続く2番の楠本の初球。見事にセーフティスクイズを決めて3-3の同点に追いついた。



6回裏 ベイスターズの攻撃 5-3


ジャイアンツのマウンドにはメルセデスに代わって2番手赤星が上がる。


この回先頭の牧のセカンドゴロを吉川がファンブル。その後宮﨑は初球を打ってサードファウルフライに倒れたが、続くソトが2-1のバッティングカウントから値千金のツーランホームランをレフトスタンド中段に叩き込んだ。5-3とベイスターズ逆転。



7回と8回のジャアンツの攻撃は入江大生が回跨ぎで6者凡退と完璧に抑えた。これが試合の流れをさらにベイスターズに引き寄せた。


8回裏 ベイスターズの攻撃 7-3


この回先頭の佐野が三遊間を鋭くゴロで破るヒットで出塁。


牧はタイミングをはずされてサードフライに倒れ一死一塁となったが、続く宮﨑が大仕事。


3-0からフルカウントとされるも、インコース高めのストレートを腕をたたんでクルッと回転する天才的な捌きでレフトスタンド上段に一直線で飛んでいくツーランホームラン。


7-3と終盤でリードを4点に広げた。


9回はエスコバーがこれも3人でピシャリと抑えて、今日は休養日のクローザー山﨑康晃に頼らず7-3のまま勝ち切った。


素晴らしい逆転勝利!これでホームでの連勝球団記録を更新し、13にまで伸ばした。




ここに来てやっとネフタリ・ソトが真価を発揮し始めた。昨日に続いて勝ち越しのホームランを含むマルチヒット。


最初のヒットもそれまでノーヒットに抑え込まれていたメルセデス投手から初めて放った安打で、ここからメルセデス投手を攻略して3-3の同点に追いつく流れを作った。この功績も非常に大きい。


そして第三打席のレフトへのライナーのホームランは、赤星投手の変化球(カーブかスライダー)を完璧にとらえたもので、好調時の彼の打球だった(私は0-7から延長で逆転サヨナラ勝ちしたカープ戦のサヨナラホームランを思い出した)。


これが今シーズンの12号。彼の実力を考えればまだまだ物足りない。20本を目指して引き続き頑張って欲しい。



宮﨑選手の芸術的な内角打ちも特筆に値する。本当に巧い。リリーフ陣がどれほど心強かったことか。


この2点がダメ押しとなって試合を決めたのだ。彼も何とこれが今シーズン第6号。


比べては失礼だが嶺井選手と一本しか違わないというのはやはり寂しい。少なくとも10本は打って7年連続の二桁本塁打を記録してもらわなくては。


作戦の都合もあり、ハマちゃんが5回で降板した後、今日のリリーフ陣、平田真吾、入江大生、そしてエドウィン・エスコバーの3人は強力ジャイアンツ打線に一人の走者も許さなかった。


特に入江投手は150キロ台中盤に達する素晴らしいストレートとフォークボールのコンビネーションで、重信、ウォーカー、吉川、坂本、丸、中田翔という錚々たるバッターを内野ゴロ4つ、三振2つで完璧に支配した。


昨年は最下位に沈み、個人の成績でも悔しい思いをした選手の多かったベイスターズの中で入江投手は一番悔しかった一人だろう。即戦力として期待されてドラフト一位で入団したが先発として一勝も出来ず、シーズン途中で手術のため離脱というのは不本意だったと思う。


その悔しさを晴らすような魂のこもったボールは彼は投げている。ストレートは火が出るような勢いがあるし、良い時のフォークは打者がキリキリ舞するほどよく落ちる。


プロ野は本当にやったらやり返すという世界なのだなと思う。そして、本人が負けを認めて諦めるまでは復活して勝者になることができる世界なのだなあ、とも思う。


頑張れ入江。これからが本当の勝負だ。




ところで、選手やプレーではないが、今日の采配も印象に残った。


5回裏の攻撃でソトと柴田が連続ヒットで出塁した時、ハマちゃんと戸柱のバッテリーをすっぱり諦めて代打攻勢の勝負に出た。


ベイスターズファンの多くは、私も含め、仕掛けが早すぎるのではないかと思った、はずだ。
しかし、メルセデス投手が5回程度でスタミナ切れになる傾向にあることから、原監督が6回から準備しているだろう勝ちパターンの継投に入る前に追いつこうという勝負手だったのだと思う。


この采配がピタリとハマった。同点に追いついたあの場面での楠本の初球セーフティスクイズも素晴らしい采配だった。ジャイアンツベンチやバッテリーは全く予期していなかったと思う。



私はこれまで投手出身の三浦監督はこうした勝負勘はあまりないのかも知れないと思っていたが、とんでもない。今日の試合は采配で勝ち取ったと言っても過言ではないと思う。


三浦監督の指揮官としての成長がはっきりとわかった一戦だったし、レジェンドと呼ばれた新任のコーチたちとの息も合ってきたことを感じさせる今日の勝利だった。


さあ、明日も勝ってジャイアンツをスイープしよう。