mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

土砂降りの中 ヨコハマサイコーで心が晴れた



8月30日 対中日ドラゴンズ 横浜スタジアム


勝 ベイスターズ 6-0 ドラゴンズ


勝利投手 今永昇太(9勝3敗0セーブ)
敗戦投手 松葉貴大(6勝5敗0セーブ)


本塁打 牧秀悟23号、タイラー・オースティン1号


先週の手痛い連敗の後、この停滞期はしばらく続くかも知れないと思っていた。


しかし、今シーズンのどの連敗でもそう思ってきたにも関わらず、ベイスターズは大型連敗を回避してなんとか毎度脱出してきた。


今回も単に私の悲観的な印象に過ぎなかったのだろう。


そのことを証明し、チームを勝利に導いてくれたのは、今回もエース今永昇太だった。


今日の今永投手は初回からノビのあるストレートでドラゴンズの打者達を押し込んだ。


そして、キレのあるカットボールと緩急をつけるカーブの制球も良く、連打されるようなイメージは全くなかった。



8回、118球、被安打4、与四球2、奪三振5、無失点のHQSでドラゴンズに三塁も踏ませないほぼ完璧な投球。


以前のように、三振を取りまくる一方、力んで失投してホームランを打たれるというような事象がこのところ非常に少ないことも安心して見ていられる理由だと思う。


これはきっとメンタルなのだろう。余裕を持って大人の投球を続けているし、自分を必要以上に追い込むような“投げる哲学者”的コメントも減ってきたように思う。


これで9勝目となり、2019年以来3年ぶり3度目となる二桁勝利に王手をかけた。8月は5戦5勝で防御率1.25の好成績で月間MVPも手に入れつつあるのではないだろうか。


来週の登板はローテーション通りだとすると東京ドームでの巨人戦、恐らく菅野投手との投げ合いになるだろう。


今シーズンの成績を見れば、菅野投手のことを格上と見て萎縮する必要など全くないことは明らかだ。このままの調子で、いつも通りの投球を見せてくれればそれで良い。


攻撃では、2回裏の攻撃で先頭の宮﨑のヒットとソトのツーベースで無死二、三塁のチャンスを作り、その後一死満塁まで行ったが、後続が凡退して無得点に終わるなど、先週のヤクルト戦から続く硬さが残っているようだった。


しかし、3回裏、先頭の大田泰示の今日2本目のヒットから作った無死満塁のチャンスで宮﨑がセンター前に抜ける2点タイムリーヒットを打つと、重しがとれたかのように打線が活発化し、そしてつながり始めた。


4回にはツーアウトから桑原将志がファーストへのヘッドスライディングで掴んだ(タイミング的には不要だったかと思うが)内野安打で出塁し、次の大田泰示が松葉投手の浮いた変化球(見逃せばボールだろう)を思い切り叩いてセンターフェンス直撃のツーベースで加点。


5回には牧秀悟のソロ、そして8回には根尾投手との初対戦で代打オースティンが待ちに待った今季第一号のソロホームランを左中間中段に放り込んだ。このホームランの後、さらに根尾投手を攻め、桑原と大田の連続ツーベースでさらにもう1点追加したことも、明日からの試合に向けて打線に勢いをつける見事な攻撃だった。



6点差の最終回には、入江大生が2番手として登板し、150キロをゆうに超える威力抜群のストレートとよく落ちるフォークボールのコンビネーションでドラゴンズのクリーンアップを三者凡退に討ち取った。


ビシエド選手と阿部選手はいずれもストレートで圧倒しておいてからワンバウンドのフォークを振らせて三振と言う形で料理したが、この投球パターンを磨いていけば、いずれはクローザーになるだろうと思わせる素晴らしい投球。


このカードの初戦を攻守共にドラゴンズを圧倒する形で完勝できたことが素晴らしい。


打者で活躍が目立ったのは、牧、宮﨑、ソト、オースティン、大田と言ったところだが、私にはオースティン選手の第1号ホームランが最も印象的だった。


開幕直前の離脱、肘の手術、長いリハビリ、そして復帰直後のコロナによる再離脱と運に見放されたような日々を送っていたタイラー・オースティンが一年ぶりに彼が何者であるかを示してくれたのだ。


昨年末から今春にかけてのベイスターズのチーム編成の動きは、オースティン選手を中心に考えたものであると思われる。その中で、8月末になっても彼のスタメン復帰ができていないと言うのは、本人にとっては極めて悔しいことだろうし、チームにとっても非常な痛手であることは間違いない。



しかし、この非常事態による副産物も大きかった。オースティン選手が不在だったことにより、楠本、蝦名という若手選手の台頭が見られたし、この試合のヒーローでもある大田泰示がチャンスをものにしてチームになくてはならない存在になった。


さあ、これからが実りの秋だ。


ここに書いた登場人物全員が揃い、横浜反撃の最終段階においてDeNAベイスターズ発足後最強の、しかも段違いに最強のチームとしてシーズン終盤戦からポストシーズンの激戦に乗り込んでいくことになる。


今日久しぶりのスタメン出場だった大田泰示は5打数5安打の大当たり。1試合5安打というのは彼の14年間のNPBでのキャリアで2度目だが、前回は6打数5安打ということなので、全打席でヒットというのは初めてとのこと。



ベイスターズは大田選手が加わると一層賑やかにそして華やかになる。今日のヒーローインタビューでもやはり彼が一番目立っていた。


久しぶりの“ヨコハマサイコー”そして、もう誰も“アイラブヨコハマ”とは言わなくなってしまったほど定着した“アイシテルヨ、ヨコハーマー”も大田選手が叫ぶと一層盛り上がるように感じる。


試合後の三浦監督のインタビューでも、恒例となった背後のロッカールームの選手達の歓声で会話が聞き取りづらいという状況になっていた。ここでもきっと大田泰示は中心になって賑やかな声をあげているに違いない。


こう言う明るく楽しいチームのムードと言うのは長いペナントレースを戦って行く上で、野球の技術や体力そして精神力などと並んで、いやひょっとしたらそれ以上に重要なものではないか。


そう言えばムーミントロールの友人であるスナフキンもこう言っていた。



“長い旅行に必要なのは大きなカバンじゃなく、口ずさめる一つの歌さ”