mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ベイスターズはもう一度強くなれるか?



9月17日 対広島東洋カープ 横浜スタジアム


負 ベイスターズ 3 ー 10 カープ


勝利投手 中﨑翔太(2勝5敗0セーブ)

敗戦投手 入江大生(4勝1敗0セーブ)


本塁打 マクブルーム16号(3回表2ラン)


この試合最初の打席で宮﨑敏郎が10年目にして1000本目の安打を放った。


2012年のドラフト6位。当初はセカンドを守ることが多く、例のよそ見の一件では当時の中畑監督によって即日2軍に降格され、しばらくは使って貰えなかったっけ。


あの時は、彼が1000本のヒットを積み重ねるとは想像もしていなかった、


ラミレス監督に代わってからも、バッティングは天才的だったが、なかなかレギュラーのお墨付きをもらうことが出来ず、完全に定着するまでには時間がかかった。


しかし、2017年に首位打者とベストナイン、翌年にはベストナインとゴールデングラブを受賞すると、もう押しも押されもしない球団の顔の1人になった。


そして、昨シーズンオフの6年の長期契約で生涯横浜が確定。


これからも息の長い活躍を心から祈っています。





試合の詳細は敢えて書くまい。


京山の右肘直撃による三球のみでの交代と言う不運が響いたし、大和のエラーによる併殺失敗など集中力を欠いたプレーも散見した。


しかし、試合の流れをはっきりとカープに傾けたのは、不調の佐野のセカンドゴロで喘ぐように3-3の同点に追いついた直後の6回表、4番手で登板した入江大生その回の先頭バッター西川龍馬の対戦だったと思う。


入江はストレート中心に押していたが、西川はファウルで粘り、8球目でフェンス直撃のツーベースヒットを放った。西川選手は勿論好打者だが、ベイスターズ戦では特に粘り強いバッティングでチャンスをものにすることが多い。


その後は堰を切ったように攻められ、入江は3点を失いこの回途中で降板した。


考えてみると、西川選手はセリーグ随一のバットコントロールを誇る打者であり、追い込んでもフォークで三振に打ちとることは難しい。そして、150キロを超えるストレートでもカットする技術を持っている。


彼から見ると、この二つの球種で三振を奪いにくる入江よりも打たせて取るタイプの投手、特に左投手の方が嫌なのでは無いだろうか(対右投手の打率 .331、左は .285)?


今シーズン初めに彼が三嶋一輝からサヨナラホームランを打った時のことを思い出す。


この回、結局、ツーアウトから田中健二朗をマウンドに送ったが、もし先頭の西川からタナケンを使っていたらどうだっただろうか?


たしかに、次のマクブルームに打たれていたかも知れない。しかし、そうなったらそこで入江投入でも良かったのではないか?


いや、これは完全に結果論だ。実際、同点に追いついてすぐ準勝ちパターンの入江を投入した時、私はよしよしと思っていたのだ。


問題の本質はこう言う戦術の選択にあるのではない。




今のベイスターズは正直言って弱い。


これが問題の本質なのだ。


これから、クライマックスシリーズ進出(できれば2位で)を決めて、さらにそこで勝って行くためにはもう一度8月のような強いチームに作り直さなくてはならない。


今からそれができるのだろうか?


(佐野恵太の復調)


佐野の不調が長引いている。


直近の6試合で22打数1安打、打率 .045は高い打撃技術を持っている彼にとって考えられない数字だと思う。


プロ6年目にして初めての深刻なスランプ。


ベイスターズ打線の得点力の源泉の一つが彼の高い出塁率と長打であることは言うまでもない。しかし、スイングが鈍くなっていると言うこともなく、時折、彼らしい鋭い当たりも出ている(ただし、野手の正面)。


恐らく、メンタルの問題なのでしょう。


三浦監督はあまり主軸の打順をいじらないが、今はそれをやって見るべきだと思う。例えば、明日の巨人戦で山崎伊織と相性の良いソトを3番に入れて佐野恵太を6番でノビノビ打たせて見てはどうだろうか?


佐野の気分転換になるし、上位の打順の方が好調になる傾向があるソト(3番で打率 .286、4番で .433。6番では .201)にとっても良い機会だと思うのだが。


いずれにしても、基盤となる技術レベルの高い佐野の不調がこのまま何週間も続くと言うのはちょっと考え難い。この点については、私は楽観的だ。


(楠本泰史の固定)


上位を打つライトは本来タイラー・オースティンの定位置で、今年のベイスターズはシーズンオフからそれを一つの軸にしてチームを構成してきた。


そして、オースティンの完全復帰を待ちつつ、大田泰示、楠本泰史、蝦名達也あるいは関根大気と言ったところを適宜起用してきた。


しかし、オースティン選手の肘のクリーニング手術から5ヶ月を経過して、未だにスローイングに支障があるため守備に就けないと言う状況では、もはや今シーズンの完全復帰は諦めざるを得ないと思う。


単なる遊離軟骨の除去ではなく何か問題があった、あるいはリハビリの過程で問題が生じたと言うようなことがあったのではないかと推察される。


今のように代打で一日1打席では実戦勘も戻らないだろうし、一度ファームに落として、あるいは一軍登録のままでもファームの試合にDHでフル出場してバッティングの状態を上げて来てはどうだろうか?後で述べる理由で、彼にはDHで活躍して欲しいのだ。


一方で、バッティングフォームを変えてかなりはっきりした一本足打法にしてから打ちまくっている楠本泰史については、今シーズンの残り15試合を相手投手に左右によらず2番ライトで固定するべきだと思う。



(ブルペンの再構築)


9月の連戦で最も懸念されていたのがリリーバーたちの疲弊で、今回のカープ戦2試合でその懸念は現実のものとなった。


伊勢と入江がそれぞれ3失点、そして平田が4失点。いずれも炎上してしまった。


タナケンは抑えているが、彼は別件の方で不確実性が残されている。


これからクライマックスシリーズに向けて一番大きな問題はここだと思う。


解決策があるとすれば、次のようなものではないだろうか?


今日ファームで好投した森原と三上を一軍に上げて、彼らと今日のカープ戦でも健闘したタナケン、中川虎大の4人にリードしている展開でも6回と7回を任せる。後でのべる理由で、いくつかの勝ち試合は落としても良い。


そして、最終盤で勝ちに行く時だけ、入江、伊勢、エスコバー、山﨑康晃の4人で日替わりで8回と9回を勝ち切る。


こうすることによって、現在の勝ちパターン4人の疲労を軽減するとともに、彼らに準ずるフレッシュなリリーバーをクライマックスシリーズまでに準備する。


(平良拳太郎の復活)


手術後の平良拳太郎の状態が非常に良い。


特に、9月1日のファームでの前回登板では3回をパーフェクトに抑え、しかも9つのアウトのうち7つを三振で奪うという素晴らしい出来だった。


しかし、残念ながら、ファームでクラスターが発生して試合がなかったこともあり、間隔が空いてしまっている。


見切り発車と言う批判はあるかも知れないが、もう一度ファームで5回程度を目処に登板したらその後はもう一軍で先発して調整してはどうだろうか?後で述べる理由で、一度や2度負けても良い。それよりむしろ、彼にはポストシーズンで頑張って欲しい。


明日か明後日のイースタンリーグの試合で彼が先発し、80球程度投げて問題ないようであれば、その可能性を真剣に考えてみて欲しい(ただし、術後の肘の状態に少しでも不安があれば無理はしないこと)。





さて、何だか少し思わせぶりな書き方をしてしまったが、私は、これからベイスターズをもう一度強くするためには優勝を諦めることが必要だと思っている。


確かに数字の上ではまだ辛うじて可能性が残っていて、24年ぶりと言うこともあり、諦めるのは辛いことだ。しかし、このまま目先の一戦一戦に勝つことを優先していては、ベイスターズは弱いままでシーズンを終え、クライマックスシリーズではファーストステージで敗退するだろう。


ペナントレースを何とか粘って2位で終え、クライマックスシリーズのファーストステージとセカンドステージを勝ち抜いてさらに日本シリーズを制して日本一になると言うことをゴールに変更すべき時が来たと私は思う。


そのためには、10月8日に始まるファーストステージの3連戦を今永昇太、大貫晋一、濵口遥大の先発で勝ち抜き、彼らを中5日で起用するとして、ヤクルトとのセカンドステージの第1戦と第2戦を任せられる優れた先発投手が必要となる。特に、このステージの流れを作る第1戦が重要だ。


平良拳太郎には、10月12日のセカンドステージ第1戦に焦点を当てて、今からそこで最良のパフォーマンスを見せられるように、これからのシーズン戦を調整登板と思って投げて欲しい、



そして、10月22日からの日本シリーズのうちパリーグの主催試合で、タイラー・オースティンに打撃に関してはベストの状態でDHとしてスタメン出場して欲しい。残されたファームの試合と一軍の試合をそのための調整の場として使って欲しいのだ。


負けず嫌いで、自ら諦めが悪いと言っている三浦監督にこうした路線変更は難しいのかも知れない。しかし、私は、今そちらに舵を切るべきだと信じている。



“がっかりするなよチャーリー・ブラウン。


この人生には飲まなきゃならない苦いクスリもあるもんさ。”


チャールズ・シュルツ