mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

サヨナラ負けでヤクルト優勝 悔しくてしょうがないという三浦監督の言葉が僕たちの希望



9月25日 対東京ヤクルトスワローズ 明治神宮野球場


負 ベイスターズ 0 ー 1 スワローズ


勝利投手 マクガフ(2勝2敗37セーブ)

敗戦投手 エスコバー(4勝2敗2セーブ)


まずは、ヤクルトスワローズの選手、監督やコーチそして全国のスワローズファンの皆様、優勝おめでとうございます。


今シーズンも貴方たちは本当に強かった。連覇と言う偉業を成し遂げた関係者の皆様に心より敬意を表します。




スワローズが勝てば優勝が決まると言う重要な一戦らしく、先発の今永昇太と小川泰弘はいずれもエースらしく一歩も引かないピッチングを続けた。


この試合の重要性がわかっているせいだろう。2人とも立ち上がりは慎重に厳しいコースをつき、球数はかさんだが相手チームにチャンスは作らせず試合の序盤は進んでいった。


そして、両投手とも尻上がりに調子を上げ、本来の投球で緊迫した投手戦となった。


今永は7回に二死満塁の大ピンチを迎えたが、山崎晃大朗をファーストゴロに打ちとって無失点で切り抜けた。これが今日の123球目だった。


7回、123球、被安打3、与四球4、奪三振11、無失点の好投。勿論HQSだ。


この大一番で優勝チームに対してこれだけの投球ができたことを我々ファンも誇りに思うし、今永選手本人も自信にして欲しい。


今日の負けはチーム全体の負けで彼だけは負けていないなどと言うつもりはない。


しかし、サッカー日本代表の岡田武史元監督が言っていたように、勇敢に戦えば、たとえ負けても敗者にはならない。


そう、少なくとも、今日の今永昇太は敗者ではない。





打線がこれでは勝てないと言う批判もあり、それはその通りなのだが、勝負事は相手あってのことであり、今日のところはスワローズバッテリーの工夫が勝ったと言うことだと思う。


最大のチャンスは8回表、二死三塁で4番牧秀悟のところだったと思うが、清水投手と中村悠平捕手に外角のフォークボールとストレートで三振に打ちとられた。


この打席の配球と1球として間違えることがなかった清水投手のコントロールに脱帽すべきで、牧選手が情けないなどと言うことではない。




9回裏のエスコバー投手はこのところ走者をためたり失点したりと言う投球が続いていたが、今日も結果的に打たれて悔しいサヨナラ負けを喫した。


彼が登板した時点で負けを覚悟したと言う厳しいコメントや、逆に、今まで苦しいところを救ってもらったので責められないと言うコメントがネット上を賑わせているが、私自身はこのどちらとも異なる印象を持っている。


今日もストレートは最速158km/hがでており、彼の投球自体がいつもより悪いようには見えなかった。ただ、先頭のオスナ選手のボテボテのショートゴロが一番深いところに転がり、いわばコースヒットのような内野安打になってしまった。


そして、一球で送りバントを決められて一死二塁の得点圏となり、前の回に故障したサンタナ選手の代わりに守備で入った新人の丸山選手がバッターだったことも不運だった。


エスコバー投手の豪速球は長打を狙うサンタナ選手よりもコンパクトに当ててくる丸山選手の方が打ちとりにくい。そして外角のストレートを狙い通りに小さいスイングで打ち返され、しかも前進守備のレフトとセンターのまん真ん中に打球がとんだ。



私はエスコバー投手を擁護している訳ではない。むしろ、エスコバー投手は調子が悪かったから負けは見えていると言っている人たちよりも厳しいことを言っているのかも知れない。


エスコバー投手が好調の時でも、今日と同じ事象が続けば失点していたように思うのだ。


調子が悪かったから打たれたのではなく、不運だったことだけがサヨナラ負けの理由でもない。彼のピッチングスタイルとコントロールそしてフィールディングの難点は“不運だと失点してしまう投手”のものだと思う。


先頭打者を不運な内野安打で出塁させても、簡単には送りバントをさせないように厳しいコースをつき、バントされても素早い打球処理でセカンドでアウトをとる。


そして、仮に送りバントでランナーが進んでも、次の打者には四球覚悟で(一点でも取られれば負けなのだから塁をうめたって構わない)厳しいコースをつき、非力な左打者が弾き返しやすいベルトの高さの外角には絶対に投げない。


と言った二重三重の防御を築くことができなければ、不運だと失点してしまう投手になってしまう。そして、年間143試合をこなす日本のプロ野球では一定の頻度で“不運な”ことが起きるのだ。


この苦い敗戦を糧にして、多少の不運が続いても失点しない、多重防護を備えたセットアッパーへとさらに成長して欲しい。




今日の試合後、報道陣の質問に答えた三浦監督は、悔しくてしょうがない、と言っていた。


私はここに今のベイスターズの希望があると思う。


この悔しさをノーヒットで終わった1番から5番の各バッター、特に8回の絶好のチャンスで空振り三振に倒れた牧秀悟、そして敗戦投手となったエスコバーをはじめ、チーム全員で共有し、来週からの試合を通じてそれぞれの課題に取り組んで欲しい。



最下位に沈み、横浜スタジアムで高津監督の胴上げを茫然と観ていた昨年はその悔しさをぶつける機会が来るまで半年待たされた。しかし、今回は、クライマックスシリーズのファーストステージを勝ち上がれば、来月上旬に反撃のチャンスがある。


だから、火曜日からの試合は消化試合などと言うものではない。


僅差だったがギリギリのところで一枚も二枚も上手だったスワローズにひと泡吹かせるための工夫と実践の場として精一杯精進して欲しい。


“成功があがりでもなければ、失敗が終わりでもない。肝心なのは、続ける勇気である“


ウィンストン・チャーチル