mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

最高の盛り上げ役だったベイスターズ ちゃんとした野球も観たかったが疲れすぎていた



10月3日 対東京ヤクルトスワローズ 明治神宮野球場


負 2 ー 8 スワローズ


勝利投手 原樹理(8勝7敗0セーブ)

敗戦投手 坂本裕哉(0勝5敗0セーブ)


本塁打 ソト17号(2回表2ラン)、キブレハン(3回裏3ラン)、内山壮真4号(6回裏ソロ)、長岡秀樹9号(6回裏ソロ)、村上宗隆56号(7回裏ソロ)


今日の試合は今シーズンのプロ野球全体の最終戦。


ヤクルトの内川聖一、坂口智隆、嶋基宏というそれぞれ一時代を築いた三人のベテラン選手の引退試合でもある。


そして、村上宗隆の史上最年少での三冠王と日本人歴代最多となる56本目のホームランが出るかという話題もあった。


ヤクルトばかりではなく、ベイスターズでも佐野恵太にヒットが一本出れば中日の岡林選手と並んで最多安打のタイトルが決まるという大事な試合でもあった。


ペナントレースの順位は既に決まっているということもあり、勝敗ではなくそれ以外のことがメインになってしまったのは仕方ない。


この試合でベイスターズは野球というドラマで必要な全てのシーンをしっかり盛り上げる結果になった。




先発の坂本裕哉は引退する坂口選手と内川選手にヒットを打たれ、さらに、このところ調子の出なかった村上選手にもタイムリーヒットということで復調のきっかけを与えたし、さらにさらに得意のランナーをためてからの一発(スリーラン)をキブレハンにプレゼントした。


言い忘れていたが、ベイスターズは2回表に牧のヒットに続いてソトがヤクルトの先発小川投手の抜けたチェンジアップを素晴らしい打球でホームランにして2点を先制していた。


しかし、坂本投手の盛り上げで2-5と逆転され、ヤクルト打線に勢いをもたらした。


その後も田中健二朗がヤクルトの期待の若手内山選手と長岡選手に連続でソロホームランを許して7-2とヤクルト打線のお祭りムードを盛り上げた。


内山には真ん中高めのストレート、左打者の長岡には肩口から高めに入ってくる打ちごろのスライダーということでいくら何でも気前よく打たせすぎだ。


まあ、タナケンも色々あったからね。


そして極め付けは7回裏に登板した入江大生がその回先頭の村上宗隆への初球、151km/hのストレートを真ん中高めに投げ込んでバット一閃。とうとう日本人歴代最多の56号ホームランが出た。


入江大生は、本人の希望ではないだろうが、こうした形で球史に名を残すことになった。



入江投手は球速こそいつも通りだったが、真ん中高めにボールが集まっており、その後三つのアウトもほとんど捉えられた当たりだった。疲れているに違いない。


8回に登板した伊勢ももう一つだった。塩見にセンター前ヒットを打たれ、オスナにもサード強襲の鋭いあたりの内野安打を許した。無失点だったもののヒヤッとするような出来だった。


今日でリーグ最多の71試合に登板。彼も疲れているに違いない。


ベイスターズは7本のヒットを放ちながらソトのホームランによる2点止まり。


佐野恵太がシフトを逆手にとったレフト前ヒットを打って岡林選手と並ぶ最多安打のタイトルを決めたことぐらいが明るい話題だった。





野球の試合というよりは3時間にわたる長いセレモニーを観ていたようだった。


ヤクルトベンチの選手たちはレジェンドの3選手の引退に目を赤くし、そして若き主砲村上宗隆の偉業に沸いた。


スタンドもこの歴史的な試合にふさわしいムードで盛り上がったし、良いセレモニーであったことは間違いない。


しかし、プロ野球のレギュラーシーズンの試合は今年これが最後であり、来年3月末の開幕まで見ることができないと思うと、いつもと同じ真剣勝負の『プロ野球』が観たかったという気持ちもないわけではない。


そういう意味から、私は今日の試合でソト選手に好感を持った。


義理堅く真面目な彼は三人のレジェンド選手をリスペクトする気持ちを持っているに違いない。しかし、彼は日本人的な涙の引退というセンチメントとは別の次元で必死にプレーしているように見えた。


第一打席の素晴らしいあたりのホームランや最終打席のツーベースヒットはもちろん、それ以外の打席も彼自身が今やるべき仕事を全うする姿勢がはっきりと見てとれたし、その姿勢が彼のクライマックスシリーズでの活躍につながっていくという予感を持った。




もう一つわかったこと。


それは、ベイスターズの各選手が非常に疲れているということだ。それもそのはず、9月上旬から、9連戦、1日休んで10連戦、そしてまた1日だけ休んで7連戦をこなしたのだ。


各選手とも調整とか状態を上げるなどということの前に、まず、疲労を解消してリフレッシュしなくては話にならない。


明日からの4日間の休みをどのように使うのだろうか?


恐らく短期決戦に向けて細かい戦術の確認等色々あるのだろうと思うが、まずは一回しっかりと休んでほしい。


ファーストステージを勝ち抜くなどという前に、ポストシーズンの戦いにふさわしいプレーをするためには、疲れを取らなくてはだめだ。


今日の試合を観ながら、私はそのことを繰り返し考えていた。