mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

2022シーズン終戦 心を打ちひしぐ敗北もあれば、目覚めさせる敗北もある



10月10日 CSファーストステージ最終戦 対阪神タイガース 横浜スタジアム


負 ベイスターズ 2 ー 3タイガース


勝利投手 岩貞祐太
敗戦投手 濵口遥大
セーブ 湯浅京巳


本塁打 宮﨑敏朗(2回裏ソロ)、佐藤輝明(4回表ソロ)


試合は3回までベイスターズのペースで進んだ。2回裏に宮﨑敏郎がタイガース先発の才木投手の外角高めのストレートを逆らわずに振り抜くと、打球はライトスタンド最前列に飛び込む先制ソロ。



さらに、2回には、一死から関根のフォアボールに続いて楠本がライト前ヒットで出塁。ライト大山が打球処理に手こずる間にそれぞれ二、三塁に進んだ。


次の3番佐野の打席で2-1からの4球目がワイルドピッチで三走が生還して2-0となり、その後佐野もフォアボールで出塁して一死一、三塁のチャンス。


しかし、ここで4番牧秀悟は才木に代わった浜地投手の初球を打ってセカンドゴロ。4-6-3のダブルプレーとなって、この回は1点どまり。




今日の濵口投手は球威があったがリリースポイントが安定していなかったように思う。


ストライクとボールがはっきりしていて、苦しいカウントでストライクを欲しがったストレートが真ん中に入り、打たれた。


まずは4回表に二死走者なしからの初球を佐藤輝明に打ち返され、センターバックスクリーンに飛び込むソロホームランで2-1と一点差に迫られる。


そして、6回表は先頭の北條に三塁線を破るツーベースヒットを許し、続く近本にもライトへのタイムリーツーベースを打たれて2-2の同点に追いつかれる。


ここでベイスターズベンチは濵口に代えて入江をマウンドに送ったが一手遅かった。


3-2からストライクをとりに行ったストレートを原口にレフトに運ばれ、セカンドランナーの近本が長駆ホームまで還り2-3と逆転された。


セカンドランナー近本の脚とレフト佐野の守備のスピードや肩を考えれば仕方がないことだが、これで1点入るか入らないかがベイスターズとタイガースの差だった。


佐野選手は元々内野手で、外野守備は昨年より改善したとは言えリーグ平均をまだ下回っている。「たられば」でしかないが、レフトが関根や神里のような本職の外野手だったら一死からセカンドランナーが生還するのは難しかったように思えた。


いや、2回にはこれも本来は内野手の大山選手の守備の乱れでこちらが得をしているのでおあいこということか。


それにしても、そうまでして使った大山選手や佐野選手、そして佐野の代わりにファーストに入ったソト選手も今日はノーヒットだったので、両チームのベンチの思惑はこの点についてはどちらも外れていたということだろう。


結局、このままのスコアでゲームセットとなり、ベイスターズは敗れた。





ここで冷静にブログを終えられれば私も幸せな人生を送ることができるのだが、やはり最終回のベイスターズの攻撃について書かないではいられない。


タイガースのマウンドには回またぎの新クローザー湯浅、そして先頭の牧秀悟が2回の自らの拙攻を取り返すかのように湯浅の最速155km/hの速球に食らいつき9球目にレフト前ヒットで出塁して塁上で吠えた。



宮﨑は珍しく消極的なバッティングで三振に倒れたが、ソトが四球を選び一死一、二塁。


ここでベイスターズベンチは勝負をかけ、セカンドランナー神里、ファーストランナー森の2人の代走を同時に送り込んだ。


しかし、私はその時逆ではないのかという違和感を持った。セカンドランナー森、ファーストランナー神里の方が果敢な走塁が期待できる。たしかに神里は経験があるが、持って生まれた走塁の勝負勘は森の方が優れている。


勝負に出たベンチはここで大和に代えて代打オースティン。異様な盛り上がるを見せるスタンドの歓声の中打席に入ったオースティンは湯浅の初球を弾き返してセンター前ヒット。


ここで、一旦スタートしていた二走の神里は飛び込んだセカンドがライナー性の打球を捕球するかも知れないと思ってセカンドに戻りかけた。そして、再度スタートを切ったためサード止まり。一死満塁となった。


あのまま走っていても厳しいタイミングだったかも知れない。しかし、同点のチャンスでセンターはあまり肩の良くない近本選手。的確な打球判断で積極的な走塁を見せて欲しかった。


ここで、私を含む多くのベイスターズファンは山﨑康晃の代打は大田泰示だと思った。しかし、実際に打席に立ったのはベテランの藤田一也だった。


そうか、小技の効く藤田だったらスクイズや叩きつけてのゴロでギャンブルスタートなど色々あるなと思った。サードランナーは俊足の神里だし、湯浅はコントロールを乱していたのでじっくり見ていけば押し出しあるいはバッテリーエラーの可能性もある。なるほど。


しかし、藤田は初球の真ん中ストレートを引っ張って最悪のセカンドゴロ。ホームゲッツーとなって一瞬で試合が終わった。


間に合うはずもないファーストベースにヘッドスライディングし、そのまま起き上がれない藤田。そして、すぐに彼に気づいて駆け寄り両手で抱き起こすオースティン。ベンチでは天を仰ぐ選手や下を向く選手、早くも涙ぐむ選手など。



これが2022年シーズンのベイスターズの冒険の終わりだった。


チーム全員で心を一つに、力を合わせて戦った素晴らしい季節はこれで終わった。


横浜スタジアムで選手たちの躍動する姿を見ることも、声を出せない3万人のファンたちがリズムを合わせる手拍子を聴くことも今年はもう無い。


しかし、私は、来年3月に彼らがさらに強くなり、自由に声を出すことにできるようになった大観衆とともに帰ってくることを信じて疑わない。




“時に、良いことはバラバラに壊れてしまう。でも、そのおかげでさらに良いことが訪れるのです”


マリリン・モンロー