mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

来年は牧4番にこだわらないってよ



11月1日


2023年シーズンのコーチングスタッフが決まったというニュースが各紙で報道された。


既に示唆されていた情報がほとんどであまり目新しいことはなかったが、これは、昨年レジェンドOBたちが一斉に復帰して運用が軌道に乗り始めたこと、そして、方向性を変えることなく優勝を目指してさらに良いものにして行こうということだとポジティブに受け止めている。


変更点は次の通り。


青山道雄ヘッドコーチは巡回コーチとなり、代わりのヘッドコーチは置かずに相川亮二バッテリーコーチがチーフ作戦件バッテリーコーチとして戦術面で三浦大輔監督をサポートする。


石井琢朗野手総合コーチがチーフ打撃コーチとなり、田代富雄打撃コーチが巡回打撃コーチとなる。


青山、田代両巡回コーチの役割は1軍と2軍の連携を密にすることにあると思う。今年はコロナの影響もあったが、2軍からの戦力の補充があまり上手くいっていなかったように思うので、改善ポイントとしては適切だろう。


ファームの陣容もあまり大きくは変わっていないが、「育成」というタイトルのついたコーチが増えた。


大村巌育成打撃コーチ

藤田和男育成野手コーチ

万永貴司野手育成コーディネーター兼チーフ野手コーチ

八木快投手育成コーディネーター兼育成投手コーチ


ここ数年、投手野手ともに高卒の選手をドラフトで獲得するケースが増えたので、育成のためのシステムを整備することは良い策だと思う。


八木さんのことはよくわからないのだが、動作解析の専門家ということなので投球メカニクスの分析などを担当するらしい。


投球メカニクスといえば、小谷さんの名前がないのはどうしたのだろう?小谷さんはコーチングアドバイザーということなので名前が書かれていないだけ、ということであれば良いのだが。




さて、日刊スポーツの連載「月刊ハマの番長」の2022年シーズン最終回が配信され、その中でCSファーストステージを振り返り、来季に向けた構想などを語っている。


私が注目したのは記者との次のやりとり。


(記者)来季に向けて構想を練る中、変える部分、変えない部分は出てくる。今季不動だった「4番・牧」を変える可能性はあるのか?


(三浦監督)可能性はゼロではないです。打線として、他の選手との兼ね合いを見ながらです。今年は牧の成長もあって、牧以外に誰に4番を打たせるかを考えても、彼しかいなかった。


同時に、牧にはもっともっと大きくなってほしい。そうならないとチームは強くならないし、上には行けない。牧本人もしんどかったと思うけど、この経験は必ず今後につながる。


今年の牧の4番固定の理由として、”彼しかいなかった”ということと”牧自身の成長のため”という二つを挙げている。


”彼しかいなかった”というのは打線の中心に想定していたオースティン選手が肘の手術で離脱し、その後もフル出場が困難だったことを意味するのだろう。


秋季練習の初日に牧選手が三浦監督と個別面談した際、監督から”もったい無い打席もかなりあった。あそこで打てていれば打点ももっと増えただろう”という意見があったと彼自身が語っていた。


今季の4番固定は彼の成長のための課題を明確にしたという意味で有用だったが、来年以降はチームの状況を見て柔軟に対応していくということなのだと思う。


牧選手の4番としての成績を昨年と今年で比較してみると、打率は.517から.291に、そしてOPSは1.297から.861へとそれぞれ低下している。


昨シーズン彼が4番として打席に入るようになったのはオースティン選手の離脱以降のことで母数が少ないということに加え、神がかり的な数字なので、シーズンを通じてキープするのは至難の業ということはある。


しかし、それでも、牧だったらという気持ちは三浦さんの中にもあったのでは無いだろうか?


三浦さんのコメントの行間を読むと、恐らく、来シーズンの開幕あるいは序盤戦にオースティン選手が万全に近い状態で出場できるのなら、彼に4番を任せたいということになるのだろうと思う。


牧選手は素晴らしいバッターだが、中距離打者であり、ホームラン40本を期待するような選手、相手バッテリーが恐怖を感じるような凄みのあるホームランバッターではない。


本来は3番あたりでヒットをガンガン打って欲しいというところだと思う。


三浦さんのコメントを受けて、来季のベイスターズの打順を少し考えてみた。


参考にするデータとしては、今シーズン(オースティン選手及び牧選手の4番以外については2021年)の各打順での打撃成績(打率とOPS)や走者の状況に応じた打撃成績(打率と出塁率)がある(下表)。




打者によって相性の良い打順とそうで無いものとがあるようだ。もっと言うと、


3番タイプ 佐野恵太、牧秀悟




4番タイプ T.オースティン、N.ソト


5番タイプ 宮﨑敏郎、楠本泰史


のように端的に言えばクリーンアップが2セット分いるのだ。


ある意味では贅沢な話だが、俊足で小技の効く打者が少ないと言う問題点も抱えている。


今シーズンのある時期三浦監督自身もダブルチャンス打線と言っていたが、こうしてデータを見るとその考えも尤もだと思えてくる。


それでは、彼らをどのように並べるべきか?











3番、4番、5番、3番、4番、5番の順にクリーンアップを直列に二つ並べると言う単純な策も勿論あり得る。あるいは、この二つのクリーンアップの間にバントや進塁打などの打てる器用なバッター(あまり在庫はないのだが)を挟むと言うことも考えられる。


私としては、3番×2、4番×2、5番×2と言う並びで、最初の二人が出塁してチャンスを作り、次の二人が長打で得点、さらに残った走者を最後の二人で還すと言う打線を組んでみたい。つまり、1番から順に、佐野、牧、オースティン、ソト、宮﨑、楠本と言う打線だ。


そして、7番以降の下位打線には、ビッグイニングのきっかけとなるチャンスメイクを期待したいので、出塁率の高い伊藤光を7番に置き、8番では3割を打っている大和が続く。


以上まとめると、このように成る。


1番 佐野恵太(LF)

2番 牧秀悟(2B)

3番 T.オースティン(RF)

4番 N.ソト(1B)

5番 宮﨑敏郎(3B)

6番 楠本泰史(CF)

7番 伊藤光(C)

8番 大和(SS)

9番 投手


この外野陣はいわゆるファイヤーフォーメーションなので、試合終盤にはセンターに桑原将志を入れて守備を安定化する。


その場合は、ソトを下げて佐野をファーストに入れ楠本をレフトに回すと言ういつものパターンでも良いし、オースティンや佐野の肘の状態次第では彼らのどちらかを下げても良い。


ちなみに、指名打者の入るパリーグ主催の交流戦などでは、初めから桑原をスタメンに入れて高打率の9番で起用すると良い。


1番 佐野恵太(DH)

2番 牧秀悟(2B)

3番 T.オースティン(RF)

4番 N.ソト(1B)

5番 宮﨑敏郎(3B)

6番 楠本泰史(LF)

7番 伊藤光(C)

8番 大和(SS)

9番 桑原将志(CF)



こうして考えていると、来年こそは優勝だ、と思えてくる。


いや、待て。いずれにしても、オースティンと佐野の手術後のリハビリが順調に推移し、彼らが万全の状態で開幕を迎えてくれることが大前提だ。


今は彼らの無事と回復を祈るばかりだ。