来シーズンのキャッチャーをどうしようか
11月2日
FA宣言について熟慮中ということだった嶺井博希捕手が宣言する決断を下しその旨球団にも伝えたという報道があった。
嶺井選手は好きな選手だし、勝負強いと言われるバッティングはさておき、昨シーズンから顕著に改善したベイスターズ投手陣の防御率には彼の貢献が大きいのは間違いないと思う。
従って、ファンとしてはチームに留まってほしい訳だが、嶺井選手の野球人生は嶺井選手とご家族のものであり、それが何であれ、彼が最善と考える方向に進むことを期待している。
それがベイスターズ残留ということであれば最高だが、過去の事例を紐解いてみると、やはり宣言後に残留というケースは少なく、多くは他球団への移籍ということになるようだ。
嶺井選手の場合は、かねてよりソフトバンクが獲得に向けて調査に動いているということで、侍ジャパンの正捕手でもある甲斐選手に続く2番手捕手、そして高校(沖縄尚学)と大学(亜細亜大学)でいずれも日本一に輝いた東浜巨投手とのバッテリーを再びということで理由もはっきりしている。
【今シーズンの振り返り】
嶺井捕手がFAでソフトバンクに移籍した場合、来年のベイスターズの捕手陣はどうなるのだろうか?
よく言われているように、今シーズンは嶺井、戸柱、伊藤光の3人の捕手を併用するということでやりくりしていた。
この3人の出場試合数などのデータは以下の通り。
出場試合数は93と3人の中で最多で、打席数も多い。本塁打や打点も最も多く、意外性のあるバッティングとか勝負所で強いと言われるのはこの辺りのデータにも表れている。
しかし、打率とOPSについては3人の中で最も低く、特にシーズン後半は打撃不振という状態になっていた。
このように、攻撃面では必ずしも嶺井選手の穴が大きいわけではないが、問題は守備面だ。
下表は、今永、大貫、濵口という3人の主力投手の防御率等の成績をバッテリーを組む捕手毎に整理したものだ。
捕手の防御率を考えるのはナンセンスだと言われ、MLBでも捕手による投手の防御率の差異は統計的に優位ではないという分析結果が報告されていたが、やはり目立った差があると気にはなる。
今永投手と大貫投手の左右の二本柱の防御率は嶺井捕手と組んだ場合に2点台と低く、やはりリードの影響はあるのかと勘繰ってしまう。
しかし、伊藤光選手が手術以前の2020年を見てみると、今永投手の防御率は彼と組んだ時には2.52であるのに対して嶺井捕手とのバッテリーでは6.00という結果になっている。
ここまで見ると、捕手による防御率の変化はあるのかも知れないが、絶対的なものではなく、各シーズンの投手の調子やチームとしての戦術など種々の要因によって変化するもののように思われる。
【来シーズンの展望】
今年のFA戦線では西武ライオンズの森友哉捕手が目玉ということで、ベイスターズがもし彼を獲得すれば大幅な戦力アップとなる可能性もあるが、今の所、調査に乗り出すという報道はない。
彼は少年時代からオリックスファンということで地元でもあり優勝チームでもあり、そして資金力も豊富なこちらでほぼ決定ということだろうか?
しかし、その場合、オリックスの正捕手格で同じくFA資格を得た伏見寅威捕手がFA宣言する可能性が出てくるのではないだろうか?もしそうした事態になったら、是非、ベイスターズも獲得に乗り出して欲しい。
パリーグの試合を全て見ているわけではないが、今年の日本シリーズなどを見ている限り、守備面を考えると、森選手よりも伏見選手の方が一枚上なのではないかと思う。
一方、チーム内を見ると、今年5年目の山本祐大選手や益子選手、東妻選手などがおり、加えて、今年のドラフト1位である松尾汐恩選手や育成の上甲選手も加わる。
山本選手は守備面ではある程度期待できるし、強肩での盗塁阻止という意味ではチーム内随一かも知れない。しかし、打率1割程度ではいかにも使いづらい。おそらく第三捕手としての扱いになるだろう。
首脳陣の期待としては松尾選手に正捕手の座を掴んで欲しいということだと思うが、松川選手のような例はあるにしても、一般論として少なくとも数年はかかると見るべきだ。
こう考えてみると、基本線としては、
主戦捕手 伊藤光
第2捕手 戸柱恭孝
第3捕手 山本祐大
ということに落ち着く可能性が高い。
我々ファンとしては、
主戦捕手 伊藤光
主戦捕手 伏見寅威
第2捕手 戸柱恭孝
で後半に一度くらい松尾君を1軍で試してみるといったところを期待したい。
こうした希望を胸に抱きつつ、嶺井、森、伏見という今オフの捕手FA玉突きの動向を見守ることにしよう。
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