mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

横浜優勝に向けて 1人の時間の大切さ



ベイスターズの秋季トレーニングが終わり、完全なオフが始まった今、各選手が一人で過ごす時間の大切さについて書いてみようと思う。




【フェルナンド・ロメロの失敗】


11月30日 来季の去就が不明だったフェルナンド・ロメロ投手とブルックス・クリスキー投手が今季限りで退団することが本日正式に発表された。


クリスキー投手は150キロ台の球速でスピンの効いたストレートと落差のあるスプリットチェンジで高い奪三振率を誇ったが、肘の故障とコロナによる離脱で18試合の登板にとどまり、1勝1敗1セーブ、防御率2.57と言う成績だった。


彼の投球自体は十分に通用するものだったので、もう一年チャンスを与えることもあるかと思っていたがリリースされることが決まった。故障の状態など総合的に考えての判断だろう。



ロメロ投手は2021年シーズンの後半に連勝を続ける無双を見せてくれたが、その結果、年俸1億3000万円の契約を勝ちとった後の翌年、つまり今年はシーズンを通じて精細を欠いた。


昨年オフの調整で失敗したのでは無いかと思う。


今年はオープン戦から制球がアバウトで、甘いコースのストライクか明らかなボールのどちらかばかりと言うコントロールではさすがに通用しない。


球種別に見ると、全投球の40%近くを占めるツーシームの指標wFTが昨年4.4だったのに対して今年は-5.3、同じく12%程度のチェンジアップの指標wCHが1.9から-7.2に悪化している。


シーズンが進むにつれていずれ改善すると期待していたが、結局それは成らなかった。


そして、リリーバー転向後の10月2日巨人戦で7人の打者に対して3四球、1死球と言う大荒れの投球をしてシーズンを終えた。



あの時のロメロ投手はベンチに戻ってからむしろサッパリしたような表情をしていたが、本人としても踏ん切りがついたのではなかっただろうか。


このように、シーズンオフに何を思い、どうやって過ごすかは次のシーズンの出来を決めるような非常に大きな意味を持つ。


そう言えば、こんな言葉もあった。


「敵と戦う時間は短い。自分との戦いこそが明暗を分ける。」 王貞治



【三浦監督の期待と信頼】


以前行っていた沖縄等での秋季キャンプではなく、ベイスターズは横須賀にある練習施設 The Dock of Baystarsで秋季トレーニングを行った。


球団によると、この時期は横須賀でも寒すぎると言うことはなく、新設されたこの練習施設の最新の設備や動作解析等の最先端の機器を活用することのメリットの方が大きいとのこと。


加えて、第8波が始まったとも言われるコロナ禍での合宿制のキャンプのリスクと言うことも考えてのことかも知れない。


三浦監督は、当初から「選手個々の自主性」の重要性を説いており、秋季トレーニングでもこの点を重視したスケジュールが組まれた。


「(全体練習の)終わる時間を決めています。


もちろん長くやるのもメリットあると思うんですけど、ある程度時間を決めてその後は自分らで個々、一人ずつ考えてやる時間っていうのも設けています。


その時間をどう使うかは選手次第ですけど、こっちは練習中にコーチに教えてもらったこと考えながら練習するのもいいですしね」


そして、全体練習終了後の一人一人の取り組みが非常に重要になるとして、「やらされる練習から主体的にやる練習への変化」の必要性を強調した。



「コーチに教えてもらうのも(午後)4時までにして、その後はどう考えて過ごすか。


選手に考える時間を与えないとというところでね。秋季トレーニング徹底的にやってきました。


4時以降の取り組みが来季以降かなり大きな差となって表れてくると思います」


「帰ってから映像も見れますし、映像見るのも練習ですから。


身体動かすだけが練習じゃないですから、頭の練習。


休ませることも考えて、過ごす時間もしっかり取るために時間決めて終わらせます」


練習内容については、結構ハードなものだそうで、もうだめだというところで、あきらめるかあきらめないかは自分との戦いだと選手たちには伝えているらしい。


現役の頃、横浜スタジアムのスタンドの階段の昇り降りを延々と繰り返すことで強靭な下半身を作り上げ、それを基盤として精妙なコントロールで勝ち星を積み上げた三浦大輔の言葉だけに選手たちの気持ちにも届いたことだろう。



秋季トレーニング後のオフの過ごし方について。


「公式戦は限られた選手しか出られないんでね。


そのへんをどう感じるかどうつかむか、そのためにどう過ごすかだと思います。


みんなそうです! 


オフシーズンの使い方によって差は絶対に出ますから。


その差をキャンプ、オープン戦、シーズン入るまでに見極めてやっていきます。


考えてやるってところと、コーチの方からもキャンプインにどういう状態で入るために、オフをどう過ごすか。


継続ですよ。どうつなげていくか」


年が開ければ、選手たちの合同自主トレのニュースも入ってくるだろう。


今年も、山﨑康晃、三嶋一輝、伊勢大夢の抑え3人組は互いに競いつつ自主トレで鍛え上げるのだろう。


伊勢の明大時代の後輩に当たる入江大生はオーストラリアのウィンターリーグに参戦中だが、帰国後このグループに参加するかも知れない。


そして牧秀悟は守備力強化を目指して今年も大和選手と合同自主トレを行うのだろうか?


私は、牧選手には何か精神的な力を高める取り組みを行なって欲しいと思っている。


と言うのも、あの日、一死満塁のチャンスで3-0のカウントからヤマをはっていたストレートを打ち損じてホームゲッツーとなるピッチャーゴロに終わったあの日から、チャンスでの彼のメンタルが微妙にバランスを崩したままのように感じているからだ。


恐れを知らない天才少年がいとも簡単に離れ技を見せていたのに、一度失敗してからは天賦のバランスを失い及び腰になってしまうと言うのは古今東西どの分野でもあることだ。


しかし、いつまでも天才少年でいることが良いわけではない。


怖さを知って、それを乗り越えてもう一度あのバランスを取り戻してこそ、大人のスポーツ選手として真にスターと呼ばれるだけの実力を手に入れることができる。


有名な王選手の真剣での素振りや新井貴浩さんの護摩業など技術的な有効性は甚だ疑問なこうした取り組みはやはり精神的な力を高める方法として意味を持つのだろう。




そして、三浦監督の言うように、ベイスターズの宝である牧選手には、彼自身で考えて、彼にあった方法で精神的な力を高める修練を見つけ、実践して欲しい。


ここぞと言うところで一発で決めてくれる彼の勝負強さは最大の武器だったはずだ。


来季、彼がまたそれを見せつけてくれることを心から願っている。