牧秀悟が球団最速で1億円プレイヤーへ
12月13日 そろそろ契約更改も最終盤に入り、残すは大物数人というところまで来た。
FA戦線では、日本ハムの近藤健介選手が驚きの7年50億円と言う超大型契約でソフトバンクホークスへ移籍すると言うビッグニュースがあった。
たしかに近藤選手は素晴らしい選手だが、NPBで50億という数字を見ることになるとは。
個人的には、悲願の優勝に向けてベイスターズも近藤選手に6年20億円くらいのオファーを出してはどうだろうか、と思っていたのだが、トンデモないことでした。
気を取り直して、ベイスターズの選手たちについて今日の動きをまとめておこう。
【牧秀悟は3年目にして年俸1億2000万円】
牧秀悟選手の契約更改が行われ、5000万円アップの年俸1億2000万円でサインした。
3年目にして年俸1億2000万円というのは楽天の則本投手と並んで歴代2位ということだが、野手に限れば高橋由伸選手の1億円を上回って史上最高となった。
もちろん、ベイスターズでは3年目での1億円超えは球団史上初の快挙。
本人のコメント
「(1億円は)一つの目標でもありましたし、球団がそういう評価をしていただいたので、本当にありがいたなと思います。
(1億を超えて)うれしかったです」
下の表は牧選手の1年目と2年目の打撃成績を比較したものだ。
打率とOPSはわずかに低下したが、本塁打数と打点は上昇している。
そして、球種別に見てみると、昨年唯一のウィークポイントだったカットボールの指標(wCT)が-7.4から3.9へと改善している点が目につく。
彼の素晴らしいところは、自分の体格や感覚と合っている現在の打撃フォームを大きくいじるようなことはせず、長所を生かしたまま短所を克服することができる学習能力あるいは更新能力とでも呼ぶべきものが高い点だと思う。
一方でセカンドの守備については必ずしも改善されていない。
守備の指標UZR1000は昨年-2.3だったが、今シーズンは-8.5まで低下してしまった。この指標の内訳を見ると、打球処理と失策の点で昨年を下回っていることが理由と考えられる。
とは言っても、技術的に後退したわけではない。
東京オリンピックによる中休みが今年はなく、オールスターにも出ずっぱりだったことに加えて、セカンドとして守備についたイニング数が昨年の790 2/3から今年はほぼフル出場の1191まで増加したことにより疲れが出たこともあったと思う。
シーズンを通じて4番バッターの重責を背負ったこともあるだろう。
この「疲れ」は後半戦に得点圏で本来の勝負強いバッティングを見せられなかったことの最大の要因でもあると考えられる。
このオフも師匠と慕う大和選手との合同自主トレを予定しているようで、
「今年も守備で足を引っ張ってしまっていたので、大和さんの一つ一つの動きをしっかり学んで自分のものにしたいと思いますし、打撃の方も大和さんの勝負強さというところでまた一緒に頑張っていきたいなと思います」
と言っている。守備について、打撃についても、悩んだ時に大和選手に相談すると、
「返答をくれますし、その一言でヒットを打てたりもしますので、そういうところでまた1から全てを教わっていきたいなと思います」
と言うことで師匠への信頼は厚い。
総入れ歯、あっ違った、そう言えば、大和選手の慢性腎臓病のことは「自分も記事を見て初めて知って。自主トレの時から一緒にやっていたけど、一切分からなかったので」とのこと。
「病気を抱えながら、この長いプロ野球生活をやっているというそこの強さはあるので、すごいなと思っています」
と驚きを隠さなかった。
これからの目標は、来年3月のWBCに向けて侍ジャパンに選出されること、そしてシーズンでは打点王をとってチームの勝利に貢献することだ。
「目の前で優勝されている悔しさはありますので、来年こそ逆の立場で優勝したいという気持ちはまた一つ芽生えてきたと思います」
よく言った。その気持ちを強く持ってますます頑張ってください。
【石田健大は単年契約を選択】
石田健大選手の契約更改は、290万円ダウンの年俸6200万円で単年契約と言うことに落ち着いた。
今季は本人の希望もあり、先発に復帰してローテーションを守った時期もあった。
「やっぱりきれいなマウンドに立って投げる気持ち良さは感じた。中継ぎの経験が先発に生きている」
と本人も言っており、来シーズン以降も先発としての活躍を目指す。
15試合に登板して7勝4敗、防御率 2.95と言う成績はまずまずだと思うが、コロナでの離脱などもあり投球回数が82 1/3にとどまった点が稼働率を重視するベイスターズの査定では減点対象となったのかも知れない。
注目すべきはやはり単年契約だということ。
石田投手は来年にはFA権を取得する予定なので、球団としては複数年契約を結んでおきたかったところだろう。
しかし、減額査定をベースに複数年契約と言うことでは、本人も自分自身に対して納得できないところがあるだろうし、来年を勝負の年と捉えて納得できるだけの成績を残してから再度交渉という道を選んだのだと思う。
巷では、嶺井捕手に続いて来年のFAでの高額移籍契約を狙っているか、というような噂もあるようだが、そう決めつけるのはちょっと早すぎる。
本人も言っているように、まずは来年良い成績を残せるように頑張るだけ、ということだと素直に受け取っておこう。
これまでのところ彼のベストシーズンは中継ぎとして50試合に登板して25ホールドを挙げた2020年だろう。
この年はストレートの指標(wFA)が8.8と非常に高く、新人の頃の空振りの取れるキレが戻ってきたと感じた。やはり短いイニングと言うことでリミッターを外した投球が奏功したのだろう。
今シーズンのwFAは1.6と悪くはないが圧倒できる数字ではない。
彼の場合もやはり投球の軸はキレのあるストレートだと思うので、先発としてイニングを重ねる中で勝負所でギアを上げて空振りの取れるボールを投げるような二段構えのピッチングができるかどうかが成否を分けるように思う。
来シーズンこそ初めての二桁勝利を挙げ、同期入団で6年契約を結んだ山﨑康晃に続いて大幅アップで長期契約を結んでくれることを祈っている。
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