mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

佐野恵太契約更改 来季のスローガンは横浜神打開なのか?



12月14日 ベイスターズの契約更改の大トリはキャプテンの佐野恵太選手だった。


最多安打のタイトルとベストナインの称号を手に入れ、6000万円アップの年俸1億7000万円で契約更改を終えた。


2016年のドラフト9位で入団した彼の初年度の年俸は670万円だったということなので、6年間で実に25倍に上昇したことになる。


この点については、公開後の会見で佐野選手自信も「自分でもビックリです。入った時670万円だったので、当時の自分に言っても信じないと思います」と語っていた。


入団以来の彼の打率と年俸の推移をグラフにまとめてみたが、どちらも夢のような上昇ぶりだ。



入団時のドラフト順位は関係ないという言葉はよく耳にするが、それにしても佐野選手ほどのサクセスストーリーも珍しいだろう。


今日は彼のこれまでの成績を振り返り、来年の目標について書いてみよう。




【2022年シーズンの振り返り】


今シーズンの佐野選手は161本の安打を放って中日の岡林選手と並んで最多安打のタイトルを手にしたが、それ以外の成績でも上々だった。


133試合に出場して打率 .306(セリーグ3位)、本塁打22本(自己ベスト)、打点72(自己ベストタイ)、出塁率 .362、長打率 .490、OPS .853


2021年から筒香嘉智選手の後を継いで勤めている主将としてもチームを鼓舞して引っ張るキャプテンシーを発揮しており、様々な意味でベイスターズの中心として欠くことのできない存在になったと言える。


入団以来の6年間における彼の打率の変遷は上記のとおりだが、もう少し詳しく球種別の指標を見てみよう。



この表から明らかなとおり、2020年から突如としてストレートに対する指標が20近い数値を示すようになり、プロの速球に負けないどころかカモにできるようになったことがわかる。


新人年は.095と悲惨だった打率が3割を超えるようになったのもこの頃からで、この年には首位打者のタイトルを獲得している。


元々大きな穴のない好打者だったが、ストレートに自信がついたことで変化球にも余裕を持って対応できる余裕を生むという好循環があるように思う。


そして、彼はつまりながら外野手の前に落とすヒットなど安打を打つための引き出しが多く、賢くて技術の高い選手でもある。



ただし、レフトの守備については、やはりリーグの平均を下回っており、その原因として守備範囲の問題があるため悩ましいところではある。本職のファーストであればまずまずの守備を見せてくれるのだが、その場合はソト選手との兼ね合いがある。


今シーズン、試合後半にソト選手が早めにベンチに戻り佐野選手がファーストに入ることが多かったのは、実はファーストではなくレフトの守備固めなのだろう。


来季も恐らくは状況に応じてこうした柔軟な対応をとって行くことになると思われる。




【来シーズンの目標は神打開】


今回の契約更改を受けて、佐野選手自身も


「すごく評価していただいて、来年も頑張ろうと強く思いました」


とコメントしている。また、最多安打のタイトルについては、


「タイトルはいろいろな方、チームメートのサポートのおかげ。


特に最多安打は、後ろに牧、宮崎さん、ソトら強打者がいたからこそ取れたと思います」


と謙虚だが、来年に向けての個人の目標については、


「もう1度首位打者を取りたいですし、いろいろなタイトル争いに加わっていきたい」


と、打撃でチームを引っ張っていく意欲を見せている。


今日の会見では、三浦監督が主将を務めることによって重荷になっていないかと声をかけてくれたのに対して、本人が来季も主将続けて、主将として優勝したいと答えたとのこと。


そして、チームの目標を「神打開」と言っていた。


私はマリオカートは大昔に少しかじった程度なので知らなかったのだが、「打開」と言うのはマリオカートの愛好者の間でよく使われる言葉らしい。


少し調べてみると、打開とは一度下がって強いアイテムを手に入れ、そのアイテムを使って上位まで上がる戦術、とのこと。



なるほど。


佐野選手によると、一旦最下位まで下がって(2021年)、そこでつかんだものを活かして今年2位に浮上したので、打開はもうできているらしい。


従って、さらにその上まで行く神打開をすること、つまり優勝まで上り詰めることが来年のチームとしての目標なのだろう。


プロ野球選手が契約更改後に色紙に書く言葉はありきたりの言葉かあるいはこじつけすぎて良く分からないものが多いのだが、佐野キャプテンの一言は納得できる。


彼は世の中の相場をきちんと把握してその一つ上のアイディアを出す力があるようだ。


バッティングでもきっとピッチャーと自分の力関係あるいは過去の対戦などを踏まえた上で一つ上のアイディアを出して対峙しているのだろう。


来季の悲願の神打開。


大丈夫。佐野キャプテンに任せておけば、きっと何とかしてくれる筈だ。