契約更改という名の答え合わせ でも来年のことはわからない
12月24日
クリスマスは25日なのに、なぜクリスマスイブは24日の夜なのだろう?
幼い頃から何となく気にかかっていた。
気にはかかるがどうでも良いことベストテンの一つなので、特に調べることもせず放っておいたが、この度、正解らしきものがわかった。
なんと、古代のヨーロッパでは、1日の始まりは夕方だったんですってよ、奥さん。
25日の始まりは現代でいうところの24日の夕方だったために、(当時の)25日の正餐であるその時間帯の夕食がクリスマスイブとしてお祝い&ご馳走を楽しむ機会だったらしい。
1日の始まりが夕方というと、何でそんなこと、と思われるかも知れないが、言い方を変えれば、1日の終わりが日没と言えば納得しやすいのではないだろうか?
1日の終わりが日没であれば、必然的に、次の日の始まりはその直後の夕方ということになる。
現代で日付の変わる深夜12時というのは自然現象としてはあまり目立たないので、考えてみれば、むしろこちらを日付変更のタイミングとして選ぶ方が変わっている。
ところで、クリスマスというのは、ヨーロッパにキリスト教が広まる以前からあった古代の祭典だったという説がある。
古代の北ヨーロッパの人々は毎年冬になるとだんだん日が短くなって(実際に暮らしてみると身に沁みるのですが、冬は朝も暗く、午後2時過ぎにはまた暗くなってしまう。太陽は正午でも地平線のわずか上まで上がるだけ、という寂しい感じです)、今年こそ太陽は死んでしまうという危機感を持ったらしい。
しかし、冬至を過ぎた12月25日くらいになると、わずかだが再び日が長くなり始めたことに気づくことができる。
そう、つまり、古代ヨーロッパでは「今年も太陽が死ななくてよかったね祭り」というものがあって、それがクリスマスの原型になったらしい。
キリスト教の布教に際して、この古代からの習慣と結びつけるという作戦を採ったということもあったのかも知れない。
おっと、とんだ薀蓄を語ってしまったぜ。
So this is Christmas
And what have you done
Another year is over (John Lennon, Happy Christmas, War is over より)
ということで、ベイスターズの面々の今年を、プロ野球選手の評価の指標と言われる年俸の観点から振り返ってみよう。
年俸アップを昨年との比率で表すと、ベストファイブは次の選手たちとなる。
233%アップ 伊勢大夢(2760万円→9200万円)
181%アップ 入江大生(1600万円→4500万円)
169%アップ 田中健二朗(1300万円→3500万円)
71%アップ 牧秀悟(7000万円→1億2000万円)
71%アップ 蛯名達夫(935万円→1600万円)
伊勢大夢は年俸の上昇額でもトップで、年俸アップの金額が大きい選手では、以下のような名前が並ぶ。
6440万円アップ 伊勢大夢
6000万円アップ 佐野恵太(1億1000万円→1億7000万円)
4000万円アップ 今永昇太(1億円→1億4000万円)
言うまでもなく、伊勢大夢の今年の活躍は目覚ましいもので、昨年からセリーグ随一だったストレートの空振り奪取率に加えて、変化球の精度も向上し、セットアッパーとして抜群の安定感を誇るようになった。
唯一の懸念はやはり登板過多による肩肘の疲弊や故障なので、今オフはしっかり休んで、また来年2023年バージョンの伊勢大夢の投球を作り上げて欲しい。
彼がどのような球種を習得し、どのような投球スタイルを目指そうとも、今年の幾多の修羅場を潜り抜けた経験は絶対にプラスになるはずだ。
佐野恵太も自身初となる最多安打のタイトルを手にいれ、キャプテンとしてチームを最下位から2位に引き上げる「打開」を達成したので、良い年だったと思う。
強いて言えば、三冠王となったヤクルトの村上宗隆選手との首位打者争いでシーズン終盤に抜き去られ、最終的には水を開けられてしまった点、そしてチームとしても昨年に続いて目前で高津監督の胴上げを許してしまったことが悔しい思い出になっているはずだ。
しかし、これも来年へのモチベーションになるので、嬉しさと悔しさのバランスとしては丁度良いところなのではないだろうか。
佐野選手は今オフに肘のクリーニング手術を受けた。
シーズン最終盤でやや調子を落としたのもこの故障の影響がある程度あったのではないかと思われる。
そして、来季はキャンプから万全の状態で練習に参加できるということなので、今年を上回る成績を残して首位打者を奪回し、チームを神打開つまり優勝に導いてくれることだろう。
牧秀悟選手は年俸の上昇率という意味では昨年ほどではないが、球団最速となる3年目での1億円突破ということで、球団の評価が極めて高いことがわかる。
2年目のジンクスをものともせず、本塁打と打点では初年度を上回り、コロナによる離脱の時期を除きシーズンを通じてほぼ全試合で4番セカンドの定位置を守った。
打率3割、30ホームラン、100打点で打点王という目標を達成するためのアップデートを牧秀悟は必ずやってくれるだろう、と先日のブログでも書いたが、その思いは今も変わらない。
今永昇太は肩の手術明けだった昨シーズンから本格的に復帰し、序盤戦は前腕部の肉離れのために離脱したものの、規定投球回に到達し、二桁勝利を成し遂げた。
防御率もリーグ上位で、夏には札幌ドームで自身初のノーヒットノーランを達成した。
球団としては来年FA権を得る彼と複数年契約を結びたいところだっただろうが、ポスティングでのMLB挑戦を視野に入れて単年での契約となった。
来年がベイスターズの今永昇太を見る最後の年になるかも知れない。
新人年のCSセカンドステージ広島戦で初回に大量失点を喫し、試合後に号泣していた姿を思い出すと感慨深いものがある。
最後の年に悲願の優勝を果たし、笑顔で次のステージに進んで欲しい。
入江大生にとっては、昨年の無念を晴らし、自分が何者であるかを世間に知らしめることのできた記念すべきシーズンになったことだろう。
先発から中継ぎに転向して短いイニングを全力で投げ切るモードに入ってから、ストレートの平均球速は152キロ超にまで上昇した。
このストレートのスピードアップが持ち前の変化球、特に鋭く落ちるフォークボールの威力も倍増させることとなり、非常に高い奪三振率を誇った。
この冬にはオーストラリアのウィンターリーグに参加し、人間的にも野球選手としても成長したことだろう。
投球数を抑えるために、ゴロを打たせることのできるツーシームを実戦で試し、手応えがあったということなので、来年は途中でバテることなくシーズンを乗り切ってくれることを期待しよう。
来月には、山﨑康晃、三嶋一輝、伊勢大夢という勝ちパターンの投手達と合同自主トレを行うそうなので、先輩達からもセットアッパーとして認められたということだと思う。
来年は更なる飛躍のシーズンになることを祈っている。
一方、年俸が下がったのは以下の選手たち。
26%ダウン 平良拳太郎(2700万円→2000万円)
25%ダウン 桜井周斗(1380万円→1040万円)
11%ダウン 大和(9000万円→8000万円)
6%ダウン 田中俊太(1700万円→1600万円)
6%ダウン 神里和毅(4780万円→4500万円)
年俸の下がった理由はそれぞれだ。
平良投手と桜井投手は故障がらみなので仕方ない。
平良投手はリハビリも終わってほぼ万全の状態で来季を迎えることができそうだ。
肘の疲労骨折に苦しんだ桜井投手もまだ若いのでしっかりリハビリに励んでまたあの鋭いスライダーを見せて欲しい。
大和選手はキャリアの終盤を迎えて、ある程度予定調和的な年俸の推移だろうと思う。
いぶし銀の守備とバッティングでこれからも長くチームを支える第二の藤田一也のような選手になっていって欲しい。そしていつかは指導者として。
田中選手と神里選手については、危機感を持つべき年俸ダウンだと思う。
二人ともトレードや現役ドラフトに関連して名前が出ていたことからもわかるように、このままだとチームの中での居場所がなくなっていってしまう。
この二人は来年が最後になるかも知れないという認識をしっかりと持って、覚悟を持って頑張って欲しい。
まずは、チームにとって武器となるような自分の得意技を明確にすることだろう。
以上、ここに挙げた選手たちにとって、今シーズンは様々なものだったと思う。
皆が嬉しい思いと悔しい思いの両方を持っていて、人によってその二つのバランスが大きく異なる結果になった。
しかし、来年のことは「鬼が笑う」とやら言うほど良くわからない。
士別れて三日、即ち更に刮目して相待すべし
とか言うではないか。
来年2月のキャンプで目にする彼らは別人のようになっているかも知れない。
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