mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

今年のベイスターズは去年よりも強いのか?



新人合同合宿が終わり、2月1日に始まる宜野湾キャンプには早乗り組が集結しつつあるらしい。


フト気がつけば、昨年10月10日のCSファーストステージ最終戦における藤田一也の涙のヘッドスライディングで2022年シーズンが唐突に終わってからもうすぐ4ヶ月が経とうとしており、今年こそはと祈りを捧げるシーズン開幕まであと2ヶ月となった。


米国でリハビリ中のタイラー・オースティン選手と盗難にあったパスポートの再申請中のロバート・ガゼルマン投手を除く外国人選手も続々と来日している。


今オフの補強や移籍そして故障中の選手たちの復帰状況などをまとめて、2023年シーズンのベイスターズの戦力に関する現在の期待値について書いてみたいと思う。


ズバリ、今年のベイスターズは去年よりも強いのだろうか?


【昨年との戦力比較】


まず、先発投手陣から行こう。


昨年のキャンプでは、エース今永昇太投手が左前腕の肉離れというあまり聞いたことのない故障で離脱し、手術から復帰途上だった東克樹投手が開幕投手に指名されるなど、先発ローテーションはやや想定外の状況だった。


開幕(3月25日)後第一週の先発投手と勝敗は次の通り。


対広島東洋カープ

東克樹●、大貫晋一●、坂本裕哉●


対中日ドラゴンズ

F. ロメロ○、石田健大○、濵口遥大○


この後、シーズンを通してローテーションを守ったのは大貫投手のみで、東、坂本、ロメロはローテーション投手としての責任を果たすことはできなかった。


また、石田と濵口は、コロナ罹患で離脱を余儀なくされており、今永が戦列に復帰したのは5月のことだった。


これをベースとして考えると、大きなアクシデントがなければ、


今永昇太(WBC参加のため1〜2週程度の遅れはあり得るが)、大貫晋一、石田健大、濵口遥大


の4人の柱は開幕から活躍してくれることが期待できそうだ。



これに加えて、チーム合流は2月中旬になるものの体調が悪いわけではないので米国で練習の可能なロバート・ガゼルマンも開幕に間に合うだろうし、手術後の復活を期す東克樹と平良拳太郎もA班に名前を連ねており、開幕からローテーションを狙えそうだ。


こうやって書いてくると、そんなに都合よくはいかないだろう、誰かしらキャンプで故障・離脱するのがいつものベイスターズじゃないか、とおっしゃる方もあると思う。


しかし、このメンバーに加えて、当社には、上茶谷大河、京山将弥、阪口皓亮というローテーションを担えるだけの実力のある投手たち、そして、2年目を迎える将来のエース候補である小園健太投手、新人の吉野光樹投手や今年は150キロ超のストレートを投げると意気込んでいる坂本裕哉投手も控えている。


彼らバックアップの存在も加味して、先発投手陣に対する私の評価は↑↑としよう。



続いてリリーフ陣。ここは昨年から我が社のストロングポイントだったと言って良いだろう。


そして、今年は次のようなプラス要素がある。


山﨑康晃投手のポスティングによるMLB挑戦を想定して獲得したジェフリー・ウェンデルケン投手と残留の決まった山﨑投手の二人がクローザー候補として期待できること。



昨シーズンの途中からリリーフとして覚醒した入江大生投手が今シーズンは最初からブルペンの柱の一人として期待できること。


セットアッパーやクローザーとして実績のある三嶋一輝投手が難病を克服して復活する目処が立ちつつあること。


昨シーズンのフル稼働にも関わらず、エドウィン・エスコバー投手と伊勢大夢投手は大きな故障もなく今季も期待できそうであること。


彼ら以外にも、田中健二朗投手、今年こそはと意気込む昨年の新人二人(徳山壮磨投手と三浦銀二投手)、新人の橋本達也投手なども控えている。


私としては、ウェンデルケン投手のNPBでのデビュー年であること、そしてエスコバー投手と伊勢投手の登板数を抑え気味にするだろうということを考えて、慎重に↑と評価したい。



次は捕手陣。ここは唯一昨年からのダウンをある程度考えなくてはならないかも知れない。


やはり先発試合数が最も多かった嶺井裕希選手のFA移籍の影響はある程度あるだろう。


伊藤光選手がシーズンを通じて万全な体調を維持してくれれば大きなマイナスは生じない、あるいはプラスに転じるかも知れないが、確実とは言えない。


新人でドラフト1位の松尾汐恩選手の入団は朗報だが、普通であれば、高卒の捕手が一人前になるにはやはり3年程度以上は必要と見るべきだろう。


以上を総合的に考えて、↓としておこう。



内野手については、やはり、京田陽太選手の加入が大きなプラスだと思う。そして、昨年は開幕直前の怪我(肉離れと捻挫の同時発生)によって長期離脱を余儀なくされた森敬斗選手が今年こそは開幕から一軍に帯同することを期待して良さそうだ。



ファーストのレギュラーであるネフタリ・ソト選手は元々真面目な選手だが、今年は3年契約の最終年ということで例年以上の意気込みで開幕を迎えることだろう。そして、昨年開幕時に痛めた手首の状態も万全なようなので、もう一度輝きを見せてくれることが期待できる。


もう一つ、昨年は打撃の不調が長引いた柴田竜拓選手(169打数でわずか1打点というのは悪魔も涙を流す数字と言うべきだ)と重なるポジションでドラフト3位の林拓真選手が入団したことも競争激化という意味で歓迎すべきだろう。


昨年は目立ったマイナスを記録したショートの守備指標の改善、ソト選手の完全復活、そして、守備固めのバッティングと走塁の改善が見込めそうであることから、内野手については、私は↑↑の評価としたい。




最後に外野手。


昨年レギュラーだった佐野恵太選手と桑原将志選手については、今年も安定した成績が期待できると思う。桑原選手は隔年で頑張る傾向があるので、今年は成績がやや改善される可能性もあるが大きくは変わらないとみた。


そして、最も大きく変わる可能性があるのは、本来はオースティン選手がレギュラーを務め打棒を爆発させてくれることを期待していたライトということになる。


昨年のオースティン選手はキャンプ途中で想定外の離脱・手術ということがあり、その後、早期に帰日したが満足に戦力にはなれなかった。


私は、昨シーズンのオースティン選手を見るたびに、風の谷のナウシカで王蟲の急襲のために焦って覚醒させた巨神兵が実力を発揮できなかったシーンを思い出していた。



今シーズンも昨年10月に受けた右肘靭帯修復術のためにオースティン選手のチーム合流は2月中旬となり、当面はリハビリ組ということなので、1軍復帰は4月から5月くらいになるだろうか。


しかし、不意打ちだった昨年とは異なり、今年はこのような状況も想定して、トレイ・アンバギー選手を獲得している。さらに、移籍2年目となってチームにもなれた大田泰示選手の実力発揮、楠本泰史選手の覚醒本格化といったところがプラス材料となる。


オースティン選手は、今年こそ、復帰後には本来の打棒を見せてくれると思う。随分と待ったぜ。


ということで、外野手については↑という評価にしたい。



まとめると、今年のベイスターズは昨年に比べて↑↑↑↑↑というのが私の評価だ。



【強いと勝てるのか?】


言い忘れたが、前半部分で書いた私の評価では、↑一つあたり年間で貯金5つ分の上積みということを意識していた。


ただし、これはセリーグの5球団が昨年までと全く同じ戦力だったら、という前提条件付きのものだ。


ベイスターズが↑を増やしても、他のチームがそれ以上の↑を記録すれば、相対的に昨年よりも勝ちが減って負けが増えることだって十分に考えられるのだ。


ここから先は本当に私の経験と勘を信用していただくしかないのだが、他の5チームについても昨年との戦力比を行ってみる。


まず、ヤクルトについては、守護神のマクガフが抜けること、そして、さすがの村上選手も他球団の包囲網のために昨年ほどの成績は期待できないことから↓↓↓としたいところだが、オフの補強と高津監督のマネジメント能力を考慮して↓↓としたい。


阪神は強力な投手陣に加えて打撃陣が強化されれば大きな脅威だが、岡田監督の下、戦力の整備が進む予感がする。ここは↑↑↑としておこう。


巨人はどうだろう?FA戦線でもおとなしかったし、補強もそれほど大きくはない。ポランコ選手やメルセデス投手という一定の活躍が期待できそうな選手を切ってしまったのは、ホセ・ロペスを戦力外とした時と同じような悪手となり得るのではないだろうか?


あまり伸び代はないように感じるので、↓というのが私の評価だ。



続いて、広島と中日は、いずれも昨シーズンはやや不運だったという印象もあるのに加えて、新監督を迎えるあるいは監督2年目にして大鉈をふるって改革に乗り出すなど良い方向への変革もあるようなので、両チームとも↑↑としよう。


つまり、ベイスターズを含めた6チーム全体として見ると、↑↑↑↑↑↑↑↑↑(9つ)ということになり、貯金が45増えてしまうことになる。


しかし実際には、セリーグでどこかのチームが貯金を増やせば他のチームの貯金は減るゼロサムゲームになるはず(簡単のため交流戦を無視すれば)なので、この分は相殺されることとなる。


45÷6 = 7.5となるため、私のこの評価では、自チームの戦力が±0という査定のチームは他チームの戦力アップによって7.5ゲーム分の貯金を失うという見方をすべきだろう。


つまり、セリーグ6チームの貯金の増減は以下の通りとなる。


ヤクルト -17.5ゲーム


DeNA  +17.5ゲーム


阪神   +7.5ゲーム


巨人   -12.5ゲーム


広島   +2.5ゲーム


中日   +2.5ゲーム


昨シーズン終了時の各チームの貯金に対して上記の増減を反映した結果がこれだ(括弧内は昨シーズンの貯金数)。


1. DeNA +22.5(+5)


2. 阪神 +4.5(-3)


3. ヤクルト +3.5 (+21)


4. 広島 -5.5(-8)


5. 中日 -6.5(-9)


6. 巨人 -16.5(-4)



というわけで、2023年はベイスターズが2位に9ゲーム差をつけて25年ぶりに悲願の優勝をとげましたとさ。めでたし、めでたし