BBB第二弾 そびえ立とうとするリリーバー達
球団公式ドキュメンタリー映像第二弾は山﨑康晃投手と三嶋一輝投手を軸としたリリーバー達の1年間を追った”守護神の復活 呼応する絆”というタイトルだ。
ベイプライムカメラでの配信が始まったので、早速視た。
【”守護神の復活 呼応する絆”のストーリー】
映像は過去二年ほど不調に喘いでいた山﨑康晃が復活を期して
「横浜の守護神は俺だって、もう一度強く言えるように」
という言葉を発するところから始まる。
亡くなったお母様に横浜に残って輝いて欲しいと言われ、”すごいピッチャーになるから”と約束したことなどを振り返りながら、春季キャンプでの調整が進む。
一方、2020年、21年とクローザーを務めた三嶋一輝は
「クローザーというポジションに居続けることの難しさ。
抑えて当たり前というチームのリリーフのエースピッチャーなんだ」
と言う。
そして、我々ファンはスポーツ紙の記事で読んでいたシーン、三浦監督が二人を呼び出し、三嶋一輝をセットアッパーに、そしてクローザーは山﨑康晃に任せると告げる。
この場面もしっかりカメラに収められているのは凄いなと思う。
三浦さんにとっても先輩に当たる盛田幸妃さんと佐々木主浩さんのようにダブルストッパーで圧倒的なモノを今年作り上げて欲しい、と言うのが彼の願いだった。
山﨑康晃は、クローザーの座はもう誰にも渡さないぞと誓い、三嶋一輝はチームの勝利のために8回を抑えることを心に刻む。
そして、若い伊勢大夢はこの二人の姿を見ながら、いつかはクローザーになるという秘めた想いを語る。
彼は2021年に2度のセーブチャンスをもらいながら、いずれも失敗に終わっていた。
彼は、クローザーは単に9回を抑えると言うことではなく、明日につながるからこそ大事だし難しいと言う。
それは我々にとっても同じことだ。
全国に300万人いると言われるベイスターズファン(個人の意見であり、存在を保証するものではありません)の夜の幸せな眠りと翌日の仕事の効率も彼らにかかっていると言っても良い。
その後、例年通りの開幕スタートダッシュの失敗、広島戦で山﨑投手が打たれて逆転負けを喫するシーンなどが続く。
そして5月のあの広島戦。
三嶋一輝は西川選手に魅入られたようにホームランを打たれて降板。
この時すでに彼は右肩に違和感を持っていたようで、それは病院での診断の結果確認されることとなる。
戦線を離脱し、本人も周囲も10日間で復帰すると考えていたようだが、実際には国指定の難病”胸椎黄色靭帯骨化症”であることが判明し、ついに三嶋投手は手術を受けることを決断する。
そして、チームは夏場にホーム17連勝という快挙を成し遂げ、通算201個目のセーブを挙げた試合のヒーローインタビューで、山﨑康晃がファンに語りかける。
「三嶋さんが本当に一生懸命闘っている中でブルペンとして一日でも早く復帰できるように。
皆さん三嶋さんにエールを送っていただけると助かります」
これを病室で聞いていた三嶋投手の声。
「ヒーローインタビューで一軍にいない人の話を出して、僕は素直に嬉しかったし、彼に言われたことがとても嬉しいし、これから野球人生の宝物にしようかなと思っています」
このあたりがクライマックスであり、二人の関係性が”呼応する絆”というテーマでもあるのだろうと思う。
そして、映像は、今年初めの厚木での合同自主トレ以降、三嶋一輝が復活に向けて明るい表情を見せているところで終わる。
【支えあうんじゃない それぞれが立ち上がるんだ】
ブルペンはファミリーだと言う。
確かにそう言う一面もあるだろう。
しかし、支え合うと言う表現はなんだか違うように感じていた。
彼らは一人一人がしっかりと踏ん張って立ち続け、そしてそれぞれが高みを目指して飛び上がり続ける。それがチームの躍進につながる、と言うメカニズムのように思えてならないのだ。
そう、彼らが支えているのは傍にいる選手ではなく、あくまでもチームなのだろうと思う。
三嶋一輝が手術を決断するきっかけとなったのは、山﨑康晃、そして台頭しつつある伊勢大夢と入江大生のピッチングだったという。
しかし、それは、彼らに任せてしっかり病気を治そうと言うことではない。
彼らの力のある投球を見て、”現在の自分のピッチングと比べ、これでは勝負にならない。彼らと競って自分のポジションを掴んでいくためには今のままではダメだ”と言うことがはっきりわかったと言うのがその理由だ。
山﨑康晃が6年の大型契約を結んだときも、伊勢大夢は”ヤスさんの背中をこれからも追いかけていけるのは嬉しい。でも、6年間ずっとクローザーをやらせるつもりはない”と言う趣旨のコメントを出していた。
それで良い。
ブルペンはファミリーだが、ライバルでもある。
どんなにピンチでもグラウンドにいるピッチャーは一人だけで、その一人が何とか切り抜けていかなくてはいけないのだ。
彼らはそれぞれがマウンド上でそびえ立つ柱のようにならなくてはいけないのだ。
「人という字は、人と人とが、お互いに、支え合って出来ているわけではありましぇん!
1人の人間が、両足を踏ん張って大地に立っている姿の象形文字です」
古美門研介(リーガルハイより)
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。