mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

先発ローテーションの椅子取りゲーム




2月5日 宜野湾キャンプも5日目を迎えた。


今日で第一クールは終わり、1軍選手中心のA班は明日最初の休日を迎える。


キャンプの間に1年間闘うことのできる身体を作り上げるとともに、それぞれの課題をクリアーしてレベルアップしてもらいたいことは勿論だが、怪我だけはないように気をつけて欲しい。


そのためには、休むべき時に休む冷静さも必要だろう。



ところで、ベイスターズの先発陣が(怪我さえ無ければ)例年にない充実を見せていることは既にこのブログでも書いた通りだが、先発ローテーションの顔ぶれについて、春季キャンプの第一クールを終えた時点での予想を書いてみたい。




【当選確実な人たち】


今永昇太投手と大貫晋一投手は昨シーズン揃って11勝を挙げてチームの順位を最下位から2位にジャンプアップさせる原動力となった。


この二人は複数回にわたってシーズン2桁勝利を達成しており、もはやベイスターズの左右のエースあるいは二本柱になった感がある。


この二人が先発ローテーションの軸となることは実績から見てほぼ確実だろう。


春季キャンプでは、A班の大貫投手がブルペンで順調な調整ぶりを見せており、WBC出場予定の今永投手は恐らくWBC使用球を使うなどの理由もあり、B班で独自調整中だ。


昨日は今永投手がライブバッティング投手として宮﨑敏郎選手と対戦していたが、あの時のボールはWBC、NPBどちらの使用球だったのだろう?




一次ラウンドで敗退するような番狂せが無ければ、侍JAPANのメンバーである今永投手は開幕直前まで米国に留まることになるので、開幕投手の最右翼は大貫投手ということになる。


春は例年スロースターターな大貫投手だが、開幕投手の指名が功を奏して例年よりも早い仕上がりを見せてくれることを私は期待している。


風吹けば桶屋が儲かる、という類のやや回りくどい話だが、私は京田陽太の加入が大貫投手にとっても追い風になるのではないかと思っている。


ベイスターズの遊撃の守備指標UZRを見ると、最も守備機会の多かった大和選手(約580イニング)が-3.2、柴田竜拓選手(約300イニング)が-6.1とマイナスを記録していた。


シーズン途中に故障から復帰した森敬斗選手(375イニング)のUZRは3.1だがチーム全体としては依然マイナスであり、ウィークポイントとなっていた。


今年京田選手が加入したことで、恐らく、彼と森選手の守備機会が多くなると予想され、それは競争による底上げも含めて、遊撃の守備力の向上(特に守備範囲の面で)をもたらす結果となるだろう。


キレのあるボールを低めに集めてゴロを打たせる大貫投手や平良拳太郎投手にとって、これは大きなアドバンテージになる。




【ほぼ大丈夫な人たち】


今永、大貫の二人に続く先発ローテーション候補は、濵口遥大、石田健大、ロバート・ガゼルマンの3投手だ。


ガゼルマン投手は来日直前にパスポートが盗まれてしまい、再発行の間は米国で待機と言う信じられないような状況となっているが、こうなってしまった以上は仕方ない。


アメリカで可能な限りトレーニングを積み、今月中旬と言われるチーム合流の時点で100%動けるような体づくりをしてきてもらいたい。


やや出遅れたとは言え、病気や怪我ではないので、オープン戦後半くらいには仕上げてくれることだろう。



順調に行けば今年FAの資格を得る石田投手は、今オフに球団からの複数年契約の申し出を断って今シーズンにかけている。


昨年はコロナでの離脱などもあり、本人も納得のいくシーズンではなかったと思うので、ベイスターズに残留するにしても、昨年の成績をベースに複数年契約を結びたくないと言う気持ちはあるだろう。


そうした意味でもプロ8年目、来月30歳になる左腕は今年勝負をかけてくるに違いない。


きっと、オープン戦からアピールを続けて先発ローテーションに食い込むことを最初の目標にして仕上げてくれるだろう。



そして濵口投手がブルペンでダイナミックな投球フォームで躍動する背後には、今年も、名伯楽の小谷コーチングアドバイザーの姿があった。


相変わらず、河川敷に孫を連れてきてキャッチボールをさせている近所のオジサンのような風情でゆったりと椅子に座り、後方からハマちゃんの投球を見つめている。


好々爺風の小谷さんだが、目付きだけは鋭い。


荒れ馬と言われたハマちゃんだが、昨シーズンは人が変わったように与四死球が減り(2021年の55個から35個)、我々の勝手に思っていたハマちゃんのイメージを完全に覆すような安定感のある投球を見せてくれた。


これに伴って、WHIPも1.37から1.22へ、防御率は3.94から3.36へとそれぞれ良化した。


コロナによる離脱があって8勝にとどまったが、フル出場できていれば久しぶりの二桁勝利を達成できた可能性は十分ある。


コロナ禍が終息傾向にある今季、昨シーズンと同様の安定したピッチングを見せて10勝以上を挙げ、チームの優勝に貢献すると言うハマちゃんの願いはきっと叶うと思う。


小谷さん、宜しくお願いします。



【熾烈な椅子取りゲームに参加する人たち】


ここまでに述べた5人の候補たちを除けば、先発ローテーションの残りの椅子は一つ。


誰かに何かがあっても椅子の数はせいぜい二つまでと言うところだろう。


この限られた数の椅子を虎視眈々と狙うのは、


東克樹


平良拳太郎


と言うトミージョン手術からの完全復活を目指す二人だ。


東投手は一昨年後半の復帰時には期待を持たせる投球内容だったが、一転して昨シーズンは失速した。彼の場合は、開幕直前に急遽離脱した今永投手に代わって開幕投手を務めると言う復帰途上の投手にはやや酷な重圧が悪い方向に働いてしまった感じがしてならない。


中継ぎとしてブルペン待機も一度も登板機会のないまま終わったCSの後、ロッカールームで号泣していたという彼は大きな悔しさとともに大事なことも学んだことだろう。


昨年に続いて今永昇太が不在な状態で開幕を迎えるが、今年彼が先発ローテーション



に加わることができれば、去年とは全く違ったアプローチで輝きを見せてくれるのではないか。


そして、平良拳太郎投手。


トミージョン手術を受ける直前の2021年オープン戦時点で、ベイスターズで最も期待できる投手は彼だった。


コントロールは球速以上に天性のものだと言われる。


アウトコースとインコースいっぱいにきっちり投げ込む平良投手の制球は160キロのストレート以上に武器なのではないだろうか?



私は、先発投手に関してはこの二人の存在が昨年比で最大の上積みだと思っている。


その他にも、私が器用貧乏返上を願っている上茶谷大河投手、そして、どちらが先に一皮剥けるか競争を数年間繰り返している期待の若手投手、京山将弥と阪口皓亮が今年こそはと意気込んでいるはずだ。


これに加えて、今年は、昨年のドラフト1位小園健太投手、今年のドラフト2位吉野光樹投手、中日から移籍してきた笠原祥太郎投手、昨年のドラフト2位で悔しいシーズンを過ごした徳山壮磨投手あたりまでがリストに入ってくるだろう。


こうして名前を挙げてみると、そろそろリリーフ転向の話が出そうなピッチャーもいるように思われる。昨年は京山投手が転向しかけたが、今季はどのような判断を首脳陣が下すだろうか。



以上をまとめ、開幕第1週の先発ローテーションは、今永昇太がWBC帰りで焦らせないことを前提とすれば、次のようになると考える。


大貫晋一


濵口遥大


石田健大


ロバート・ガゼルマン


東克樹


平良拳太郎