mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

勝ちパターン対主軸打者の見応えあるライブBP




2月17日 宜野湾キャンプも後半に入り、練習試合が組まれるなど実戦に近い練習の割合が増してきた。


今日は、エドウィン・エスコバー、山﨑康晃、伊勢大夢、入江大生の勝ちパターン4投手がライブBPで登場し、こちらも主軸の打撃陣と相対した。



【エスコバー対大田泰示、伊藤光】


今日のエスコバー投手の投球意図は明確だった。


右バッター2人に対してクロスファイヤーとなるインコース膝下のストレート、外角からボールゾーンに逃げて行くチェンジアップ、それとは逆にボールゾーンからバックドアでストライクになる緩いスライダーの3つを効果的に組み合わせようとしていた。


全く関係ないが、私は、リーガルハイのシーズン2で堺雅人さん演じる古美門研介がしきりに言っていた“高速回転三ところ責め”という言葉を何故か思い出した。


どのボールも概ね意図したコースに投げ分けられており、昨シーズンまでのエスコバー投手よりも制球力(コマンド)が上がったように感じる。


この組み立ての場合、バックドアのスライダーが高い確率でストライクを取れるようになるとどの球種も生きてくると思う。今日のスライダーの制球はその一歩手前まで来ているという印象だった。


来日して今年で7年目となる彼だが、未だ進化を続けているというのは素晴らしいことだし、プロ野球選手としての彼の不断の努力に敬意を評したい。



大田泰示と伊東光も順調な調整ぶりを見せてくれた。


2人とも最初の打席ではエスコバーのストレートに差し込まれていたが、スピードに目が慣れた2打席目以降はストレートが甘くなるとすかさず痛打していたのはさすが。


この時期にエスコバーの速球に振り遅れずついていけると云うのは、ベテランの域に入りつつあるこの2人の今年にかける意気込みを表していると思う。


もっとも、ストレートにバッターの目が慣れてくるのはエスコバー側も盛り込み済みで、昨シーズン、他チームのバッター達の待球作戦で最後甘くなったストレートを打たれるシーンが時折見られたことから、上に書いた“三ところ責め”を工夫したのだろう。


大田、伊藤両選手の反応を見る限り、この戦術は有効に働くように思う。


【山﨑対森敬斗、戸柱恭孝】


クローザー候補筆頭の山﨑康晃投手は、ストレートとツーシームの二球種での組み立てを試していた。


対戦した森選手と戸柱選手はツーシームには全くバットを当てることができなかったが、何回か空振りを続けた後はボールゾーンに落ちて行くツーシームを見切ることができるようになっていた。


山﨑投手としては、バッターが見切りようになったところでストライクゾーンに決まるツーシームを投げることができれば勝機がある。


今日も何度かそういう配球があり、最後に一度、ピタリとストライクゾーンに決まる少し落差の小さいツーシームで見逃しのストライクを奪っていた。


この感触は、これから開幕に向けて手応えを掴むきっかけになったことだろう。



戸柱選手が高めに浮いたストレートをジャストミートするシーンが何度かあり、昨年からの打撃好調を継続しているように思う。


練習試合でも結果を出しているし、捕手イコール打てないというここ数年のベイスターズの悪い常識を変えて行って欲しい。


今シーズンは代打で彼が出場する機会も増えるのではないだろうか。


森敬斗は、最初の打席で山﨑康晃のストレートにもツーシームにも全く歯が立たなかったが、徐々に修正してストレートを弾き返してヒット性の打球を放っていた。


やはり、彼もさすがのドラフト1位で、天性の対応力があるようだ。



【伊勢対桑原将志、ネフタリ・ソト、佐野恵太】


伊勢大夢は未だストレートのコントロールがアバウトな印象を持った。


そして、逆球は打たれる確率が高いというよく言われていることが本当なのだと痛感した。



特に佐野恵太の場合、逆球になってやや威力の落ちたボールは漏れなく長打コースに運んでいた。


今日のバッターの中で最も好調だったのは明らかに彼だろう。


他チームのバッテリーが口を揃えてリーグで一番抑えるのが難しいバッター、穴のないバッター、と言うだけのことはある。


昨秋、肘のクリーニング手術を受けたことから、やや心配していたが全く問題ないようだ。


桑原将志も好調。


昨シーズンとは異なり、ボテボテの内野ゴロが減って、ライナーが気持ち良く外野に飛んで行く。


昨日のロッテとの練習試合でも初回先頭打者としてセンターフェンス直撃のツーベースを放ったが、よく言われるように隔年活躍説に従えば、今年は大いに期待できることになりそうだ。


ソト選手ははじめボールが上がらずゴロが多かったが、脇のバッティングケージで石井琢朗コーチのボールを打ち、石井さんのアドバイスも受けて矯正したようだ。


その後打席に戻ると見違えるようにホームラン性の当たりを連発し始めた。


3年契約の最終年となる今年、もう一度ホームラン王争いに絡むような活躍を見せて契約延長を勝ち取って欲しい。



【入江対桑原将志、ネフタリ・ソト、佐野恵太】


明大の後輩である入江投手もコントロールが未だアバウトな状況で、高めの甘いボールは桑原、ソト、佐野の3選手に痛打されていた。


しかし、収穫はあったように思う。


佐野選手の2打席目、アウトローの速球で空振りを奪い、佐野選手が体勢を崩したシーンがあった。


TBS2のアナウンサーはストレートと言っていたが、あれは今年から彼が解禁するツーシームだったと思う。佐野選手の意外そうな表情がそれを物語っていた。




入江投手と伊勢投手はこれから未だ球速を上げて行くことだろう。


昨年の登板数を考えれば、あまり飛ばしすぎず段階を踏んで調整している今の状況はむしろ最適なペースと言っても良いように感じる。