mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

横浜での第二戦は快勝 本当の東克樹が帰って来た




今日も風邪のためインターネット配信で視ることになった西武戦。


ベイスターズが勝ち、タイトルに書いた東投手をはじめ何人かの選手の良いプレーを見ることができ、そして私の敬愛する飯田哲也さんが解説だったこともあり楽しく観戦した。


飯田さんの解説がなぜ好きなのかについては後ほど少し書きます。



3月5日 対埼玉西武ライオンズ戦 横浜スタジアム


ベイスターズ 3 - 1 ライオンズ


スターティングメンバー


1番 林琢真(2B)


2番 佐野恵太(DH)


3番 T. アンバギー(RF)


4番 N.ソト(1B)


5番 宮﨑敏郎(3B)


6番 伊藤光(C)


7番 京田陽太(SS)


8番 神里和毅(CF)


9番 関根大気(LF)


投手


東克樹 4回、被安打2、奪三振4、与四球0、失点1(自責0)


小園健太 1回、被安打0、奪三振1、与四球0、失点0


E.エスコバー 1回、被安打0、奪三振0、与四球0、失点0


三嶋一輝 1回、被安打1、奪三振1、与四球0、失点0


山﨑康晃 1回、被安打0、奪三振1、与四球1、失点0


伊勢大夢 1回、被安打0、奪三振1、与四球0、失点0



【素晴らしい東克樹がよみがえった】


先日短いイニングの登板の際もストレートの威力が急に増したと感じたが、今日の投球を見てそれが確信に変わった。


ストレートの最速は147km/hだったが、球速以上に威力のあるボールであることはバッターの反応からも見て取れた。


そうそう、新人の時の東投手は小柄な豪腕だったのだ。


初回は内野ゴロ一つを挟んで先頭の山野辺選手と外崎選手から三振を奪った。


昨日良いところで打たれた外崎選手を空振り三振に仕留めたのは外角高めのストレート。


これが脅威になっているからこそチェンジアップやスライダーといった変化球でバッターがキリキリ舞させられる。


そうそう、良い時の東投手はこんなピッチングをしていたんだっけ。



4回には1点を奪われたが、これは無死一塁で絶好のダブルプレーコースに転がったショート正面のゴロを柴田がトンネルして無死一、二塁としてしまったものなのでもちろん自責点にはならない。


むしろ犠牲フライによる1失点に抑えたのは良かったと思う。


強いて不安要素を挙げるとすれば、打者を圧倒していた初回に比べると4回はやや球威が落ちてきたところか。


しかし未だオープン戦前半なので、こうしたスタミナ面も含めてこれからどんどん調子を上げて行ってくれることだろう。


去年に続いて開幕投手という可能性もあるように思う。


東投手に続いてマウンドに上がった小園健太はわずか8球でスリーアウトを奪い相変わらずバランスの良い投球を見せてくれた。


試合後の三浦監督のコメントによれば当面はファームで登板回数を増やす方針ということなので公式戦での1軍登板は少し先になるかも知れないが、その間に藤川さんばりのライジングストレートや鋭いスプリットなどの武器を仕込んできて欲しい。




【得点につながる攻撃が増えてきた】


2回裏の攻撃では二死ながらショートへの内野安打で出塁した宮﨑敏郎と死球で出塁した京田陽太を一、二塁に置いたチャンスで神里和毅(もう代走さんとは呼ばないことにした)が2-0からストライクを取りに行った西武先発松本投手の外角ストレートを狙いすましたようにセンター前に弾き返し、先制タイムリー。


京田選手の死球はふくらはぎに当たったようで痛そうだったが、筋肉の多い部分なので骨折ということはなく打撲ですみそうだ。


次の回の守備から柴田選手に交代したが、三浦監督が試合後に“大事をとって”と言っていた通り、静岡での楽天とのオープン戦にも帯同することだろう。


そして3回裏の先頭打者林琢真は初ヒットで出塁。


初回の第一打席も良い当たりのライトフライだったので松本投手にタイミングが合っているようだったが、この打席はライトに見事なクリーンヒットを放った。


アウトになったものの積極的に盗塁を仕掛けた点も評価できる(キャッチャーの2塁送球がドンピシャの場所とタイミングだったのでアウトになったが少しでもずれていたらセーフという際どいプレーだった)。


続く佐野恵太とアンバギー選手の四球で再び一死一、二塁のチャンスを作ったところでソト選手がカットボールをうまく捉えて右中間を破るタイムリー。



セカンドでアウトにはなったものの、積極的に次の塁を狙う姿勢はよいと思った。


失点につながるエラーをして挽回したいと思っていた筈の柴田竜拓が4回裏一死走者なしで打席に入ると、2-0から甘く入ったボールをライトフェンス上段直撃のツーベースヒットとした。


続く神里、関根が連続フォアボールで一死満塁となったところで打席には新人の林琢真。


1-2と追い込まれながら、松本投手の全ての球種をファウルした粘りは評価できる。


そして6球目の低めのフォークボールを上手くすくい上げ、前進守備のセンターが数歩交代する外野フライを打ち上げた。これが犠牲フライとなって1点追加。


欲を言えば、この3つのチャンスのどれかで畳みかけ、複数点を挙げたかったが、これは今後の楽しみにとっておくことにしよう。



【三嶋一輝も本格復帰して勝ちパターンが揃った】


7回に3番手として登板した三嶋一輝は最速152km/hのストレートや高速スライダー、フォークボールなどで無失点に抑えた。



先頭の西川選手をフォークで空振り三振。続く外崎選手のサードゴロはボテボテだった分一塁送球が間に合わず内野安打となったが完全に打ちとった当たりだった。


そして、陽川選手と中村選手はそれぞれ外野フライと内野ゴロであっさりと打ちとった。


試合後に山﨑康晃と並んでヒーローインタビューのお立ち台に上がった彼は、“手術をして自分がどれほど多くの人に支えられてきたかが良くわかった。1シーズンを全うして本当の復活ということなので、チームのため、自分を支えてくれる多くの人たちのため、そして自分のためにこれからも頑張ります”と言う趣旨のことを話した。


きっと彼の本心からの言葉だっただろうと思う。



6回のエスコバー、8回の山﨑康晃も危なげなく無失点で抑え、9回の伊勢大夢は三振一つ、内野ゴロ二つとライオンズ打線を全く寄せつけなかった。


伊勢投手の今日のストレートは147km/hと昨年終盤よりやや遅かったが、バッターは全く当てることができず空振りしていた。


これはひょっとして球速よりも球質という判断に従い、スピンレートを高める方向でフォームを見直しているのかも知れない。


いずれにしても、今年も彼はやってくれそうだ。


8回山﨑、9回伊勢と言う今日の使い方を見ても三浦監督の頭の中にはこの2人をダブルストッパーにと言う構想もあるのではないだろうか。



【飯田哲也さんの解説が好きな理由】


最後に、私が飯田哲也さんの解説が好きな理由を少し書く。


分かりやすくするために、私が苦手としている解説のパターンを先に挙げてみよう。


(パターン1)
目の前のプレーは放って置いて自分の昔話や現役の後輩たちの噂話を延々と話す人(私はプロ野球を見るのは3度の食事より好きだが、プロ野球選手やそのOBたちに憧れて仲間になりたいと思っている訳ではない。皆が自分たちの内輪の話に興味があると決めてかかるのはやめてもらいたい)


(パターン2)
自分の出身チームの贔屓があまりにもあからさまな人(西の方のローカルTV局の放送に多いパターン。これはもう解説ではなく一方的な応援だ。こうした場合、私は第二音声で球場音だけと言うのがあればそちらを選択するようにしている。サッカー日本代表戦の松木安太郎さんもこのタイプだが、あれは日本語のテレビ放送の視聴者の大半の気持ちを代表しているのでむしろ心地良い)


(パターン3)
野球の技術や戦術ではなく各選手の日頃の練習に取り組む姿勢やプレーの後の気持ちの持ち方など精神論ばかりを説く人(聞いている方が説教されているような気分になってくる。恐らく後輩の現役選手と飲みに行っても同じような説教を長い時間しているのだろう。いずれにしてもこれは当事者とやるべきことであり、野球関係者ではない多くのファンにとっては全く響かない)


パターン3の人はベイスターズOBにもいらっしゃるので、彼の解説がそちら方面に傾いて来ると、私はテレビに向かって、“どうしたんだSえき。何のための実況中継だあー”と叫ぶことにしている(彼の名誉のために言うが、彼の解説がいつもこればっかりと言う訳でもない)。


予想通り話は脇道に逸れたが、私が飯田哲也さんの解説を好む理由はまず第一に上記の三つのパターンのどれにも当てはまらないと言うこと。


そしてもう一つ。これが大事な点だ。


以前から何度か書いている通り、野球と言うスポーツはサッカーやラグビーのような流れのある競技と異なり、一つ一つのプレーの間に考える時間がある。


飯田さんの解説は、この間を使って、前のプレーの良かった点や悪かった点、なぜそうなったのかと言う因果関係、そして次のプレーに向けて、バッター、ランナー、バッテリーと守備陣がそれぞれどんなことを考えているのかあるいはどんな準備をしているべきなのか等を手短にしかし明確に説明してくれるのだ。


今日の試合でも、2回裏二死一、二塁のベイスターズ先制点の場面で、2-0とボール先行、バッター有利になったカウントで飯田さんは“さあ次のボールですよ。ここはストライクを取りにストレートでくる。それをファウルにしないで一発で決めることができるかどうかが勝負です”と言っていた。


そして神里が見事にセンター前にタイムリーを打つと、“素晴らしいですね。きちんと自分の仕事をしました”と言って褒める。


4回表の失点シーンでは、柴田のエラーで一死一、三塁のピンチに立たされたことについて、こうしたエラーで試合の流れが大きく変わるのはよくあることですが、ここで東投手が抑えると逆にベイスターズにもっと強い流れが来ると言う大事な場面です、と状況を説明。


ストレートに強い陽川選手に対して緩い変化球で0-2と追い込んだところで、飯田さんはこう言っていた。


“もう一つ変化球で打ち取りたいですが、その前に一球ストレートを見せておきたいですね。


そうすることによって次の変化球で仕留められる確率が大分上がってくる。


でもこのストレートはボールにしなくちゃいけないんです。見せ球なんですから”


そして東克樹の投じた3球目はストライクゾーンのストレートで陽川選手がライトに犠牲フライを放って失点した。


“東投手はこのストレートは絶対ボールにしないといけなかった。


そのことをバッテリー間でハッキリと共有すべきだったし、そのためには伊藤光捕手はもっと外側のハッキリとボールゾーンのところに構えても良かった”



今日の試合は、走攻守、そして解説も含めて見どころの多い楽しい観戦だった。