mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

1軍も2軍も大量失点・大量得点 チーム内でも明暗くっきり




3月8日 昨日に続いて草薙球場での1軍の試合と横須賀スタジアムでの春季教育リーグがほぼ同時進行で行われた。


どちらの試合も打ち込まれて炎上した投手がいる一方、きっちり自分の仕事をした投手もおり、開幕に向けて明暗がはっきりするような結果となった。


打撃陣は奮起して同点に追いついたが、結末は1軍と2軍で逆のものとなった。



【対楽天ゴールデンイーグルス戦 静岡草薙球場】


ベイスターズ 4 - 5 イーグルス


スターティングメンバー


1番 林琢真 (2B)


2番 佐野恵太 (DH)


3番 T.アンバギー (RF)


4番 宮﨑敏郎 (3B)


5番 大田泰示 (LF)


6番 神里和毅 (CF)


7番 大和 (SS)


8番 山本祐大 (C)


9番 小深田大地 (1B)


投手


上茶谷大河 4回、被安打3、被本塁打1、奪三振3、与四球3、失点4


宮國椋丞 1回、被安打2、被本塁打1、奪三振0、与四球0、失点1


E.エスコバー 1回、被安打0、奪三振2、与四球2、失点0


山﨑康晃 1回、被安打0、奪三振1、与四球0、失点0


伊勢大夢 1回、被安打0、奪三振0、与四球0、失点0



試合後、三浦監督が“全体的にイマイチ”と苦言を呈していたように、先発の上茶谷大河はピリッとしなかった。


2回表に味方が1点を先制してくれた直後、先頭打者の浅村選手に1-2と追い込んでからセンター前ヒットを許した。


その後、ツーアウトをとって何とか切り抜けるかと思ったが、小郷選手をフルカウントから歩かせた。


そして二死一、二塁で打席に入ったのはギッテンス選手。


彼は来日2年目だが、昨シーズンは4月初めの手首骨折のため出場試合数が少なく、それほど怖い相手とは思わなかったが、それでも1-0からの2球目がベルトの高さの真ん中やや内よりのストレートは見逃さない。


バット一閃で飛球は軽々とレフトフェンスのはるか上を超えて行った。


このコントロールミスは致命的だ。これでは首脳陣は使いたがらないだろう。


4回も浅村選手からの打順で、気にし過ぎたのかフォアボール。


やはり先頭打者を四球で歩かせるのは良くない。


続く島内選手にレフトへのツーベースヒットを打たれて無死二、三塁に大ピンチ。


阿部選手のショートゴロの間にサードランナーが成果して追加点を許す。


一言でいえば粘れない。




苦しそうに投球する上茶谷投手の顔を見ながら、私はピッチャーの限界というのは地面に一本線を引いたようなものではなく、ゴムの膜のように伸縮するものなのかも知れないな、というようなことを考えていた。


今日の楽天の先発、岸投手の限界は分厚い高密度ポリエチレンシートのようなもので、何かぶつかってくるものがあっても少し変形して勢いを殺し、何事もなかったかのように修復する。


それに対して、上茶谷投手は、いや少なくとも今日の彼の限界は風船の皮のようなもので、ちょっと力が強かったり、尖ったものが当たると破裂してしまう。


試合後の本人のコメントは、ストレートは良かったのだが変化球の精度が悪かったので修正したい、というようなものだったが、果たして問題はそこなのだろうか?


投手の真骨頂はリズム良く投げてバッターを打ち取っている時にどれだけ良い球を投げるかではなく、やはり、ピンチの時、苦しい時にどうやって決定打を許さず切り抜けるかと言うことだろう。


そのためには、良いボールを投げるというラプソード的な世界から少し離れて、打者との駆け引きで負けないような工夫、自分の限界の弾性を増す努力をすべきではないかと思う。


そして、代わった宮國投手ももう一つだった。


5回表の攻撃で味方が4-4の同点に追いついてくれた直後、代わりばなの初球を武藤選手に鮮やかにライトスタンドに運ばれた。


打たれたボールは左打者の外角へのツーシームのように見えた。右投手が左打者の外角に投げるツーシームを痛打されるのをこれまで何度見たことか。


コースはさほど悪くないように見えたが、狙い撃ちされた印象だった。


これが決勝点となり4-5での敗戦。


しかし、6回から8回に登板した勝ちパターンの3人、エスコバー、山﨑、伊勢の3人は流石にヒットを一本も許さず無失点で終えた。


エスコバーがフォアボールを二つ出したのはいただけないが、それでも昨年のオープン戦よりは大分安定しているので、開幕までには仕上げてくれるだろう。



打撃陣では、三浦監督期待の林琢真選手が2試合連続ヒット。


大田泰示のツーベースと神里和毅の連打から先制点を挙げた攻撃も良かった。


そして、脚のハリによる離脱から復帰したアンバギー選手が二死満塁のチャンスでレフト戦を破る2点タイムリーツーベースを打ったのも明るい兆しだと思う。



途中出場した森敬斗の脚を活かした9回表のスリーベースは残念ながら同点には繋がらなかったが、彼らしい良い働きだったと思う。



【京山と阪口は明暗くっきり】


春季教育リーグの先発、阪口皓亮は3回を奪三振3のパーフェクトで抑えた。


スローカーブを効果的に使い、ストレートの球速は未だ彼のベストには及ばないものの制球が良く、しっかりとバッターを打ち取ることができていた。


やはり彼は先発として長いイニングを投げて欲しいので、今日のようなピッチングで平常運転し、ピンチにはギアを上げて150キロ超のストレートを繰り出す、というような大エース風の投球術を身につけて欲しい。


雌伏の時が続いているが、こういうことのできる素材だと思う。


もう一度今日のようなピッチングをすることができれば、大貫晋一が開幕に間に合いそうもない今、不甲斐ないピッチングを見せた上茶谷投手を躱して阪口投手が先発ローテーションに食い込むかも知れない。



一方、苦い経験をしたのが京山投手。


4-0と大きくリードしてもらった直後の5回表。


粟飯原の悪送球(またか!)はあったものの、フォアボール2個、シングルヒット2本、ツーベース2本、スリーベース1本の出血大サービスで一挙に7点を献上して逆転された。


彼が日頃なにを考えて、どれほど野球に打ち込めているのかは知る由もないが、一度全部リセットしてゼロから出直して欲しいと思うほどの惨状だった。


しかし、勝負は分からないもので、6回裏の攻撃でエラーを取り返す粟飯原選手のレフトへのスリーベースから代打桑原将志のタイムリー。さらにフォアボールと東妻純平の2点タイムリーツーベースで一気に同点に追いついた。


さらに最終回の攻撃では、先頭の松尾汐恩が昨日に続いてヒットを放ち、バントで二進。



最後は益子京右のサヨナラ内野安打で勝利を掴んだ。


1軍も2軍もそろそろ本気度の高まった勝負の中で、明暗がはっきりしてきた。


三浦監督の頭の中では、開幕一軍のメンバーが大分固まって来つつあるのではないだろうか?