オープン戦終了 優勝に向けて幸先が良いと思う7つの理由
3月26日 31日のシーズン開幕まであと5日となった今日、オープン戦が全て終わった。
ベイスターズの最終成績は6勝13敗の勝率 .316で同 .308の広島をわずかに上回り11位となった。
オープン戦の目的は自チームの戦力評価とふるい分けであり、勝ちを狙っているものではないので、ここでの順位などはペナントレースとは全く関係ない。
むしろ、シーズン開幕以降の戦いに影響するポイントとしてどのようなものがあったかに注目すべきだと思う。
今日は、25年振りの悲願の優勝に向けて幸先が良いと思う7つの理由をまとめてみた。
【大きな怪我人がなく戦力の伸び代が大きい】
昨年は森敬斗が試合中に大きな怪我をし、ソト、オースティンの故障やコロナでの離脱者も複数いるなど暗雲の立ち込める開幕となったが、今年は大きく異なる。
主力選手に関する問題としては、宮﨑敏郎の体調不良と昨日の伊藤光の左膝の怪我だが、宮﨑選手は復調して既に試合に出場しており、ファウルチップが防具越しに当たった伊藤選手の膝は打撲で大きな怪我ではないとのこと。
つまり、予想外の戦力ダウンはない。
逆に、これから1ヶ月強の間に目処が立っている戦力強化が数多くある。
せっかくだから挙げてみよう。
(伸び代1) トレバー・バウアーの先発ローテーション入り
先日の入団会見で4月中の1軍での登板と言う日程を口にしていたが、その後、球団が彼の状態を確認し本人の意向も聴取した結果、3月29日か30日のイースタンリーグ日本ハム戦(平塚)で登板する可能性があるという情報が出ている。
この分だと早ければ4月下旬に1軍の試合で登板する彼の姿を見ることができるかも知れない。
(伸び代2) 今永昇太の帰還
WBC優勝後に帰国した今永昇太は今日からチームに合流し、火曜日からのイースタンリーグ日本ハム戦で登板することになる。
WBC使用球とのボールの差異や第二先発と先発の差異はsるものの、彼の場合は早ければ4月4日からの巨人戦あるいはその次の週から実戦に復帰することになりそうだ。
(伸び代3) 大貫晋一の復帰
右肩三角筋の肉離れで離脱した大貫晋一は既にイースタンリーグの試合で2度登板しており、それぞれ1回と3回を投げている。
前回24日の登板では未だ全力投球というのは殆ど無かったが、3回を38球でパーフェクトに抑えるさすがの投球だった。
恐らく、これから更に2、3回イースタンで登板し、100球程度まで球数を増やして行って、4月中旬には1軍での復帰登板がありそうだ。
(伸び代4) J.ウェンデルケンの回復
ギックリ腰で離脱しているウェンデルケン投手は既にほぼ回復し、ライブBPで投げることができる状態となっている。
この間に課題だったクイックモーションの練習をみっちり行ってパワーアップした姿を4月前半に1軍で見せてくれると私は予想している。
(タイラー・オースティンの復活)
そして、右肘靱帯の修復術からの復帰を目指すオースティン選手がバッティング練習を開始し、念願の守備練習も始めたという報道があった。
球団OBの野村さんのコメントも踏まえると、5月の連休明けには1軍に合流する可能性があると考えて良さそうだ。
これらに加えて、三嶋一輝の予想よりかなり早い復活や(今日の試合では打たれたものの)森原康平の準勝ちパターンでの起用、そして緩急を使って安定した投球を見せる笠原投手の入団など予想以上の戦力アップがありそうだ。
【守備が良く俊足の林琢真選手が規定打席に到達し打率3位】
今日の西武とのオープン戦最終戦で2番セカンドとしてスタメン出場し4打席の林琢真は規定打席に達し、打率 .296で12球団全体の3位に入った。
粘り強く簡単にはアウトにならないバッティング、基本に忠実で確実性があり、ここぞというところでは思い切ったファインプレーも見せる守備力、そしてオープン戦でチームトップの4盗塁を決めた走力を兼ね備えた素晴らしい選手であることは最早明らかだ。
今日の試合の後、西武の勝利に貢献した愛斗選手が次のようにコメントしていた。
“バッティングはできるだけ粘って、とにかく塁に出ることを必死に。1球でも多く投げさせるというところで。
走塁は今まで通り先の塁に行けたら行く。
守備は本当に、ピッチャーの人生かかってるので、それを一番に考えて。ピッチャーの人生を背負って守ってるって気持ちを1球も忘れずにやりたいなと思います“
俊足好守のプロ野球選手としてお手本にすべき素晴らしい考え方だと思ったのでメモしておいたのだ。
今のベースターズでこうした姿勢を一番感じるのは新人の林選手だ。
是非、彼を開幕スタメンで使って欲しい。
【佐野恵太と楠本泰史が好調で開幕を迎える】
佐野選手はオープン戦の途中、下半身のハリで短期間離脱していたがすでに復帰し、今日の試合では久しぶりにマルチヒットを放った。
特に、全く回転軸のぶれないスイングで左中間を破ったツーベースヒットはNPB最高の中距離打者の1人である佐野選手らしいバッティングで、ほぼ復調したと言って良いと思う。
一昨日の試合で2本のタイムリーヒットで打点3を挙げた楠本選手は今日もマルチヒットを打つなど好調を維持している。
タイラー・オースティン不在時のライトのレギュラーは楠本選手でほぼ決まりと見て良いだろう。
次の節で書くが、開幕時の打順は1番佐野恵太、2番宮﨑敏郎という事になりそうなので、楠本選手が3番に入って4番牧秀悟の前にチャンスを拡大する役割を担うことになるのだろうか。
打撃に関しては非凡なものがあると評せられてきた楠本選手も今年でプロ6年目となる。
今年こそは誰が見ても納得するようなブレイクを果たして欲しい。
【三浦大輔監督が勝ちたがっている】
1番佐野恵太という戦術の良し悪しは個別に判断すべきものではなく、前後を打つ打者を誰にするか、そしてチャンスでの走力を生かした作戦の選択などと絡めて評価する必要がある。
しかし、はっきりしていることは、三浦大輔監督が彼自身の目指す野球の理想型にこだわることよりも確率的に勝てる可能性の高い戦術を選択する柔軟性を見せ始めた、ということだ。
出塁率が最も高い佐野選手を1番に置いて、誰にとっても難しいと言われる先発投手の立ち上がりにランナーを出して得点を挙げることが第一の狙いだろう。
そして、下位打線に桑原将志、林琢真、森敬斗といった俊足のバッターを配して、2巡目以降は彼らがチャンスメイクをし、ピッチャーが送って1番佐野選手で得点するのがもう一つの狙いだ。
三浦監督の初年度はセオリーを重視した固い野球を徹底していた三浦監督だったが、3年目になってはっきりと勝利>>理想の野球という腹が決まったのだと思う。
ラミレス前監督の野球の反動で正統派路線に大きく舵を切ってスタートした三浦ベイスターズの野球に揺れもどしが起きて、必要に応じてラミレス的な奇策も使って勝つ確率を上げようという勝負への執着を顕にするようになった。
この紆余曲折は必要なものだったと私は思う。
チームを引き継いでから、最初の2年間は戦術という小手先ではなくチーム力の向上に注力し、そして今、勝つために小手先の戦術でも何でも使いまくって優勝を目指す。
まさに横浜頂戦にふさわしい戦い方だ。
【先発投手の充実】
先発ローテーションの候補と呼ばれる投手たちが以前に比べて格段に増えた。
(右腕5人)
T. バウアー、大貫晋一、平良拳太郎、R. ガゼルマン、上茶谷大河
(左腕5人)
今永昇太、石田健大、濵口遥大、東克樹、笠原祥太郎
この10人だけでも錚々たるメンバーだが、彼らに加えて、京山将弥、阪口皓亮、小園健太と言う若手も虎視眈々と出番を狙っている。
特に、バウアー、今永、大貫の3投手は三本柱と言う存在になってくれることだろう。
全盛期のジャイアンツなどで耳にしたこの三本柱と言う言葉は憧れの的だったが、まさか我がベイスターズに三本柱ができようとは。
柱のないテントのような生活だった暗黒時代から考えると夢のような話だ。
【ブルペンの層が増した】
近年の野球でペナントレースを勝ち抜くには先発投手以上にリリーバーたちが重要となる。
先発投手陣が強力とは言えないヤクルトスワローズのセリーグ連覇もリリーバーたちの奮闘によるところが大きいと言うのは多くの野球評論家の一致した見解のようだ。
もともとベイスターズのブルペンは決して悪くななかったが、昨シーズンは三嶋一輝の難病発症による離脱、クリスキー投手の前腕の故障とピープルズ投手のギックリ腰による離脱などで、E. エスコバー、伊勢大夢、山﨑康晃といった勝ちパターンの投手たちに大きな負荷をかけることになってしまった。
しかし、これも悪いことばかりではない。
伊勢大夢はこのような困難に直面することでリリーバーとしてのレベルが明らかに一段上がったし、先発から転向した入江大生が一流のリリーバーに駆け上がる足掛かりができた。
そして今シーズン、彼らが故障などで欠けることなく、FAでMLB挑戦の可能性があった山﨑康晃の代わりのクローザー候補として獲得したウェンデルケン投手が加わり、昨年途中に入団した森原康平投手の復調、三嶋一輝に復活などで非常に厚みのあるブルペンが出来上がった。
【ベイスターズが今季Aクラス入りする確率80%、優勝確率は30%】
オープン戦で11位と言う順位にあったチームの公式戦での成績まとめてみた。
2009 中日→2位
2010 阪神→2位
2011 千葉ロッテ→6位
2012 広島→4位
2013 オリックス→5位
2014 阪神→2位(日本シリーズ進出)
2015 巨人→2位
2016 オリックス→6位
2017 広島→優勝
2018 広島→優勝
2019 阪神→3位
2020 オリックス→6位
2021 DeNA→6位
2022 ヤクルト※→優勝
※巨人と勝率は同じで直接対決でも優劣がないためWBC一次リーグと同様失点率の高い巨人を最下位とした
パリーグのチームが11位になった場合は5位あるいは6位と言う事例ばかりなのだが、セリーグに限ると、オープン戦11位の球団は10回のうちAクラス8回、2位以上が7回、そして3回優勝を果たしている。
このデータから見る限り、Aクラスに入ってクライマックスシリーズに出場する確率が80%、2位以上になってクライマックスシリーズを横浜スタジアムで主催する確率が70%、悲願の優勝を成し遂げる確率が30%と言うことになる。
ほら、だんだん幸先が良いような気がしてきたでしょう?
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