mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

2021年秋季トレーニング 今永昇太の一本締め

今シーズンの我がベイスターズは、コロナ禍でのビザ取得の遅れによる外国人選手の不在という大きな失敗から始まった。


そして、ジャイアンツとの開幕戦では志願の開幕投手だった濱口遥大が3回6失点と試合を作ることに失敗した。

その後じわじわと追い上げ、9回表に新加入の田中俊太の2点タイムリーで7-7の同点に追いついたが、9回裏、クローザーの三嶋一輝が先頭打者にサヨナラホームランを喫して救援に失敗した。


開幕から6連敗の後に連勝して波に乗るかと思われたが、そこから引き分けを挟んで10連敗し、開幕ダッシュに完全に失敗した。と言うよりどん底だった。


その後も4月の阪神戦での上茶谷の初回6失点や9月のヤクルト戦での坂本の初回満塁本塁打被弾など調子が上向きかけたところでことごとく波をつかむことに失敗した。


そして6年ぶりの最下位でシーズンを終えた。


大事なことは、上に書いた多くの失敗が不可抗力だったあるいは運が悪かったというように考えないことだ。

心を打ちひしぐ敗北もあれば、目覚めさせる敗北もある。どちらになるかは負けの理由を自分自身の問題と認める勇気を持ち、努力するモチベーションに変えていくことができるかどうかだろう。


ベイスターズは、11月4日から明日22日まで2週間以上にわたって横須賀の二軍施設DOCK OF BAYSTARS YOKOSUKAや横須賀スタジアムで秋季トレーニングに励んでいる。


球団OBの小谷正勝さん、石井琢朗さん、斎藤隆さん、鈴木尚典さん、相川亮二さん、小杉陽太さんがそれぞれコーチやアドバイザーとして10数年ぶりにベイスターズに復帰して、今シーズンの失敗と敗北の理由を突き詰め、改善することに粘り強く取り組んでいる。


そうだ。失敗とは転ぶことではなく、そのまま起き上がらないことなのだ。秋季トレーニングに励むチームの誰もがこの意味での失敗とは無縁だということがわかって嬉しい。


明日はメディカルチェックで不在のメンバーがいるということで、今日21日に秋季トレーニングの打ち上げがあった。主将の佐野に代わって、選手会長の今永昇太が志願して挨拶したということだ。



輪の中心に立ってあいさつをした今永は


「選手を代表しまして、私の方からスタッフの方々への感謝の気持ちを、述べさせていただきます。約2年間続いた新型コロナ禍の中で、私たちが何の不自由もなく、野球が出来たのは、ここにいらっしゃる皆様のおかげだと思っています。ありがとうございました。


来年、ここにいる皆様と笑いあえるように、またこの場所で笑いあえるように、選手一同一丸となって頑張って行きます。それでは、ベイスターズのますますの発展と、皆様の年末年始のご健康、ご多幸を祈念致しまして、一本締めで最後締めさせていただきます」


と言って一本締めで終えた。


我々は今永昇太が素晴らしいボールで三振の山を築く力を持っていることを知っている。しかし、野球というゲームの中でピッチャーの役割は素晴らしいボールをたくさん投げることではない。むしろ、完全に無くすことはできない失投が致命的にならないような配慮と慎重さをどのくらい粘り強く保てるかでチームが勝てるかどうかが決まってくる。


鎖の強さは、強い輪がどれほど強いかではなく、最も弱い輪がどれだけ凌げるかで決まるのだ。そう言えば、江夏豊さんは、「ピッチャーは一球で地獄を見る、バッターは一振りで天国に上がれる」と言っていた。


来シーズン、今永昇太は最低のボールが悪くない(当社比)大人のエースとして君臨してくれるものと私は信じている。