mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

本拠地開幕戦の先発投手たち




明日、いやもう日付が変わったので、今日いよいよ2023年のシーズンが始まる。


藤田一也が一塁ベースにヘッドスライディングしたまま起き上がることができなくなったあの無念の敗戦から約半年、私はベイスターズの真剣勝負を見ることから遠ざかっている。


ドラフトやストーブリーグでの補強、春季キャンプやオープン戦などを通じて戦力強化に励んできた我がベイスターズを見ていると、今年こそやってくれるだろうと言う期待が湧いてくる。


しかし、勝負は相手あってこそのものであり、他チームも精一杯の補強をしている以上、彼らとの比較で優位に立てるのかどうかは実際に対戦してみないと全く分からないと言うことも良く知っている。


現時点ではっきりしていることは、今年もベイスターズが勝ったり負けたりするのを見届けながら、ある晩は歓喜の涙を流し、ある晩は絶望して身体の力が抜けてしまったりと言う感情のジェットコースターのような日々が始まると言うことだけだ。


ベイスターズが酷い負け方をして私が落ち込んでいると、そんなにがっかりするなら見なければ良いのに、と言う人がいる。


そんなことはない。絶対にない。


人生で何か酷いことが起きても、生まれてこない方が良かった、などとは思わない方が良い。それと同じことだ。


いや、我ながらどうも悲観的なことを書いてしまった。夜半直症状だろうか。


暗黒時代はもうとっくに終わっているのだから、私も負けを前提にしたような当時のメンタリティは捨てて、今年こそ必ず優勝という悲願を達成してくれることを信じて応援しよう。



開幕カードの先発は石田健大、R. ガゼルマン、笠原祥太郎の3人で確定したようだが、最低でも1

勝はしておきたい。


今永昇太、大貫晋一、トレバーバウアーを欠いたローテーションでもしこのカードを勝ち越すことが出来れば幸先の良いスタートを切ることができるというものだ。


そして、この開幕カードよりもっと重要なのは本拠地横浜スタジアムでの今季緒戦となる4月4日からの対読売3連戦だ。


3年ぶりとなる声出し応援に後押しされてチームの勢いがつくかどうかはこの3試合にかかっているのだ。ここでは是非2勝以上を挙げたい。


そして、このカードで予想される先発投手は濵口遥大、平良拳太郎、東克樹の3人だ。


3月28日からのイースタンリーグ日本ハム戦で登板したこの3人の投球内容を整理しておこう。



【濵口遥大の安定感は本物か】


28日の試合に先発したハマちゃんは5回で52球の省エネ投球で被安打2、奪三振2、無四球、無失点と結果を出した。


ストレートもチェンジアップもホームベースの手前でワンバウンドすることがしばしばあったが、高い確率で低めにボールを集めており、適度な荒れ球と時折ズバッとコースに決まるストレートで打者を圧倒することが出来ていた。


この投球がたまたまではなく、昨シーズン後半の安定感ある新しいハマちゃんの続編だとすれば、4日の試合で先発が予想される難敵の戸郷投手が相手でも互角に渡りあうことが出来るだろう。


そして、新たに習得した変化球スイーパーをこの試合で披露するのだろうか?


オープン戦では不調だったが開幕すれば実力を発揮してくるだろう坂本選手、何度も苦杯を味わった丸選手、WBCで尻上がりに調子を上げている岡本選手、そして打席にいるだけで怖い中田選手など、やはりジャイアンツ打線は怖い。


しかし、冒頭にも書いたように、ここは楽観的にハマちゃんの素敵な荒れ球が功を奏してジャイアンツ打線が調子を崩すことを信じよう。


そうなると、このカードは随分優位に進めることが出来るはずだ。




【平良拳太郎は復帰戦を飾ることが出来るか】


29日に先発した平良拳太郎は5回、78球、被安打4、奪三振5、与四球1、失点2(自責1)という成績で、2回に味方のエラーが絡んで失点したものの彼らしい粘りの投球を見せてその後は立ち直った。


特に4回、5回に連続して三者凡退に打ちとった時のピッチングは精妙なコントロールでストレート、シンカー、スライダーのピッチトンネルを構成した良い出来だった。


この2回に限れば、一昨年のトミージョン手術前の好調時の状態が戻って来たと言って良いだろう。


開幕前の最後の2イニングを良い状態で終えることが出来たのは幸いだ。


恐らくこの時の感覚を保ったまま久しぶりの本拠地での復帰戦に臨むことが出来る。


この復帰戦は平良投手自身にとって非常に重要なものであることはもちろんだが、彼が先発の柱として機能するかどうかはベイスターズが序盤戦で優位に立つことの可否を決める重要な要素でもある。


彼が古巣ジャイアンツ相手に本領を発揮して凡打の山を築いてくれることを期待しよう。




【東克樹は自分を信じられるか】


東克樹がトミージョン手術を受けたのは2020年2月であり、既に3年が経過している。


2021年6月に同じ手術を受けた平良拳太郎より一年半近く長い時間が経過しているにも関わらず、平良投手以上に手術の影響が感じられるような投球が続いている。


同じ手術と簡単に書いたが、故障の状態も違えば移植した靭帯の馴染み方も違うということでやはり手術後の経過も異なるのだろう。


そして、制球とボールのキレで勝負するタイプの平良投手とパワーピッチャーの部類に入る東投手とでは求められる球威も異なるはずだ。


それを承知の上で敢えて書くのだが、東投手は肘自体が問題なのではなく、肘の故障の再発を回避するために新しいフォームを探す長い旅の途中なのでは無いだろうか?


彼の場合、手術前は典型的なアーム式の投球フォームで、このフォームは球速は出るものの肘の負担が大きいと言われている。


そして、プロの投手として長く投げていくにはやはりフォームを変更せざるを得ないのだろう。


手術後の彼の腕の振り、特に肘の位置は素人目にもかなり変わったことがわかる。


彼の場合、肘の状態が元に戻るかどうかという問題ではなく、アーム式をやめても以前と同じような球威を発揮できるような新たな投球フォーム模索することに時間を要しているように感じるのだ。


この試行錯誤のプロセスのために、昨年以降の東投手のピッチングは日によって、もっと極端に言うと一球一球で良かったり悪かったりかなり振れ幅がある。


もう一つの問題はこの試行錯誤の中で生じた迷いのために、彼自身が自分の投球を信じられなくなっている、あるいはピンチになると疑心暗鬼になってしまうように見えることだ。



30日の登板でもそうした傾向が見られた。


ファームの試合で5回、83球、被安打5、奪三振5、与四死球3、失点2という数字はあまり褒められたものではないが、コースヒットや内野安打が多く、クリーンヒットは1、2本と言うところだったと思う。


むしろ気になるのは2点を失った4回。


ピッチャーゴロと三振で簡単にツーアウトをとった後に前の打席で死球となった王選手に投げにくそうにしてフォアボール。


続く郡選手にレフト前ヒットを打たれたあたりから自分のピッチングに迷いが出たようで、次の阿部選手も歩かせて満塁。


そして阪口選手に一二塁間を破られたヒットが2点タイムリーとなった。


ファームの打者相手とはいえ打たれることはある。


それは良いとしても、この回2個目となった阿部選手へのフォアボールはいけない。


この辺りが1軍で通用するかどうかの分水嶺だと思う。


このフォアボールを出している間は1軍と2軍を行き来する悩める若手と同じカテゴリーの投手になってしまうのだ。


そしてこの二つ目のフォアボールの原因は東投手の肘の状態や投球技術の問題ではなく、ピンチで自分が信じられなくなる彼のメンタルの問題だと思う。


そう、彼に今必要なのは、このところあまり実績は挙げられていなくても、根拠抜きに自分を信じてみようと思う楽観的な気持ちと開き直りだ。


離脱中に結婚してお子さんも生まれ、家族を支える身としては開き直るなんて言う無責任なことはできない、と言うのが今の彼の心情だろう。


しかし、捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、と言うではないですか?


浮かびあがろうとしてもがき続けてもダメだったら、一回開き直って敢えて沈んで見れば無限に深いと感じていた水底に足が着き九死に一生を得ることもある。


4月6日の巨人戦では、開き直って思い切り腕を振ることだけ考えてみて欲しい。


なんだったら打たせようと思って投げてみても良い。


そうすれば彼の人生の流れが変わるような気がする。