mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ベイスターズのV字回復を予言していた自分が怖い




開幕カードで3連敗した4月2日に私はこのブログで


“ベイスターズだったら全然大丈夫ですけど、何か?”


と言う記事を書いた。


完全な手前味噌ですけれど、以下にその一部を引用させてください。


※※※※※※※※※※※※※※ 以下引用 ※※※※※※※※※※※※※※


昨年に続いて、これで開幕カード3連敗となった。


毎年、出だしでつまづくことが多く、そして昨日のように勝つべき試合を落とすことで傷口を広げると言うのも見慣れた光景だ。


見慣れた、と言えば特に今日は京セラドーム、開幕カード、日曜日、先発ローテーションの谷間での敗戦と言うのは残念ではあるが、驚きは全くない。


だからと言う訳でもないが、今シーズンのベイスターズの戦いについて不安視する必要は全くない。


インターネット上では、采配がひどいとか、佐野、宮﨑の1、2番では各駅停車だとか、牧はオフに浮かれすぎだったとか様々な意見や批判が飛び交っているが、皆さん落ち着いた方が良いと思う。


坂本龍馬だったら、ひとこと、


“ほたえなや!“


と叫んで浮足だった皆を一喝するところだ。



私が見るところ、今のベイスターズに大きな問題は一つもない。


現有戦力のままでも近いうちに5割程度の勝率に戻し、今永昇太、大貫晋一、トレバー・バウアー、そしてタイラー・オースティンと言った面々が戦列に加わるにつれて徐々に貯金を増やして行く未来が見える。


※※※※※※※※※※※※※※ 引用終了 ※※※※※※※※※※※※※※


そして、現有戦力のままでも心配無いと私が考える理由を二つほど書いた。


(理由1) 牧が打てば点が入るし牧が打たなくても手はある


(理由2) 先発投手が試合を作れば失点は激減するしそうでなくても手はある


詳しくは先週の記事をご覧いただきたいと思うが、書いた本人も自信3割、希望的観測3割、残りの4割は開き直りと言う精神的ブレンディングだった。


そして、これが的中した、と言わせてもらいたい。


接待の強要に当たるかもしれないが、よくぞ的中させた、と言っていただきたい。


というわけで、今日の試合結果は以下の通り。


ベイスターズ 8 - 0 ドラゴンズ


勝 石田健大 1勝1敗 0S


負 福谷浩司 0 勝1敗 0S


本塁打 戸柱恭孝1号(1回裏2ラン)、佐野恵太1号(8回裏ソロ)


これで、4連敗の後の4連勝と言うまさにV字回復を見事に成し遂げたことになる。


しかも、4連勝中の失点はわずかに1。


4連敗中の総失点が27だったことを考えると、まさに上に書いた“先発投手が試合を作れば失点は激減する”と言う予言通りとなった。


ああ、自分が怖い。


牧秀悟は未だ復調の途上であるが、“牧が打たなくても手はある”と書いたように、下位打線が活躍して1番佐野と2番あるいは3番の宮崎が前倒しのクリーンアップのように機能してそれなりに得点を挙げている。



【初回に見せた怒涛の攻撃】


一回表の石田健大はやや不安定だったがなんとか無失点で切り抜けることができた(詳細は後述)。


この“ああ、良かった”と言う後味がその回の裏の怒涛の攻撃のアペリティフになったように今となっては感じている。


大量得点のきっかけはいつでも地味なものだが、この日も、先頭の佐野恵太の守備シフトが災いするようなセカンド内野安打から始まった。


続く林琢真はセーフティ気味のバントで送って一死二塁。


次の打者は好調の宮﨑敏郎で、この打席ではドラゴンズ先発福谷投手の厳しいコースのストレートやスライダーをことごとくファウルして粘る。


ここまでの福谷投手はオープン戦から開幕戦にかけての好調のまま強いボールを良いコースに投げていたように思う。


そして、2-2からの8球目は福谷投手が根負けしたかのようにフォークボールが抜けて外角高めに。今思えば、この瞬間がこの試合の分水嶺だった。


好調の宮﨑選手がこれを見逃すはずもなく、右中間を真っ二つに破りワンバウンドでフェンスに当たるタイムリーツーベースヒットを放った。



ここから往年のマシンガン打線のような怒涛の攻撃が続く。


一死二塁で4番牧秀悟が二球で追い込まれた後、外角のスライダーを右方向に打ち返して出塁、一死一、三塁とチャンスを広げる。


続いて今日5番に入った桑原将志がワンボールの後の2球目、ツーシームあるいはシュート回転のフォーシームが真ん中内角寄りに入って来たところを逆らわずに追っつけてライト前に弾き返す。


宮﨑敏郎が生還して2点目。


6番関根大気はショートファウルフライに倒れたが、昨日完全休養だった次打者のネフタリ・ソトが意地を見せた。


二死一、二塁とチャンスが続くところで、3-1のバッティングカウントから福谷投手の5球目やや甘く入ったストレートを右中間方向に打ち返すと、右翼手アキーノ選手の拙い守備もあって、これが2点タイムリーツーベースヒットとなった。これで4点目だ。


さらに攻撃の手を緩めないベイスターズ打線は、8番戸柱恭孝がフルカウントからの6球目、ツーシームかシンカーだろう、左打者の外角に沈んでいくボールを芯で捉えると、これがライトスタンドに飛び込むツーランホームランとなり、ベイスターズが打者10人、ヒット7本、うちツーベース2本、本塁打1本の猛攻で6-0とリードして試合の趨勢を早くも決めかけた。




【追加点を取ったことで来週につながる】


初回の6失点でドラゴンズベンチは福谷投手を早々に諦め、2回から鈴木博志投手が2番手として登板。


鈴木投手は昨シーズンに復活を果たしたと思っていたが、今日も球威のあるストレート(ツーシーム)を軸に好投を見せた。


2〜5回は毎回走者を出すものの後続を危なげなく抑えて無失点で切り抜け、荒れ模様だった試合を見事に落ち着かせた。


試合がやや膠着した状態となり、ベイスターズも攻めあぐねた感じが出て来た6回、石田投手の代打で登場した京田陽太が回の先頭打者としての役目を見事に果たし、3-1からの5球目をゴロでセンターに抜けるヒットとして出塁。



さらに、続く佐野恵太が思い切り引っ張って鋭いゴロがライトに達する間に京田選手は全く無駄のない走塁でサードまで達する。


そして、次に打席に入った林琢真が真ん中高めのボールをこするようにして打ち上げた打球はやや浅いレフトフライだったが、京田選手は迷うことなくタッチアップからスタートを切り、最後はヘッドスライディングで生還し、戦う顔が必ずしも重要ではないことを示した。


待っていた追加点が5イニングぶりに入った瞬間だった。これで7-0とリードはさらに広がる。


8回には、二死走者なしから4番手(今季ベイスターズからドラゴンズに移籍した)砂田投手の初球、インコースのスライダーを思い切りよく引っ張ってライトスタンド上段に届く大きなソロホームランで加点。


お祭り騒ぎのベンチ前で今季初めてのデスターシャも決まり、ダメ押しの8点目がスコアボードに記された。



終わってみれば、チーム全体のヒットは14本。


主な選手の内訳は以下の通り(括弧内はゲーム終了時の打率)


1番 佐野恵太 3安打、1打点、1本塁打(.364)


2番 林琢真 1打点(.000)


3番 宮﨑敏郎 2安打、1打点(.433)


4番 牧秀悟 1安打(.219)


5番 桑原将志 2安打、1打点(.276)


6番 関根大気 1安打(.444)


7番 N. ソト 2安打、2打点(.174)


8番 戸柱恭孝 1安打、2打点、1本塁打(.400)


9番 石田健大 1安打(.333)


代打 京田陽太 1安打(.364)



【石田健大の情熱と冷静のハザマ】


3度目の開幕投手をつとめた3月31日の阪神戦でも4回4失点(自責3)で降板し敗戦投手となった石田健大は雪辱に燃えていた、と思う。


そのせいか、初回の立ち上がりはスピードが146km/hと妙にぴったり揃ったストレートを中心に力の入った投球を見せたが、安定感はなかった。


先頭の大島選手はショートゴロに打ちとったものの、2番岡林選手に粘られ、7球目の真ん中のボールをセンター前に打ち返されてリズムが悪くなった。


3番カリステ選手をストレートのフォアボールで歩かせて一死一、二塁のピンチ。


しかし、ここで4番ビシエド選手をバットの先端でのセンターフライ、5番アキーノ選手をファーストファールフライに打ちとって無失点で切り抜けて落ち着きを取り戻した。


私には、“おっと、俺はパワーピッチャーじゃなかったよな”と言う石田投手の心の声が聞こえたような気がした。



それ以降、2回と3回にはヒットを一本ずつ許したものの、4〜6回はパーフェクトに抑えて6回を無失点で終える冷静なピッチングで先発投手の役割を十分に果たした(被安打3、奪三振4、与四球1)。


FA権を獲得した後、最初の試合で勝利投手になると言う幸先の良い船出となった。


7回は難病から復帰の三嶋一輝、8回は若手左腕の石川達也、そして9回はギックリ腰による離脱から復帰したJ. ウェンデルケンがそれぞれ無失点で抑えて完封リレーを完成させた。


石川投手は1軍の試合の要所で登板できるだけの力のあるストレートを持っていることを再認識させられた。


球速は145km/h程度だったが、ホップ成分の割合が大きくスピンレートの高い彼のフォーシームは魅力的だ。


リリーバーとしてこれから幾多の修羅場を経験しなければ彼の本当の適性は明らかにはならないが、その道のスタートラインに立つ資格があることをハッキリと示すような力投だったと思う。


ウェンデルケン投手も状態が故障前のレベルにまで戻って来ていることを実証し、二つの三振をいずれも150キロ前後のストレートで奪って見せた。



彼の存在によって、昨年は危機的状況に陥ることもあったベイスターズのブルペンが安定化し、長いシーズンを戦い抜くことのできる層の厚みが出てくる。


そして、約一年ぶりのハマスタ公式戦復帰となった三嶋一輝がヒーローインタビューで見せた晴れ晴れとした笑顔が印象的だった。


がんばれ三嶋、これからもずっと応援しているぞ!