mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

小園健太の現在地と育成契約になった若手投手達の反撃




4月10日 ベイスターズの試合は1軍もファームも予定されていない。


日曜日に勝つと野球のない月曜日を上機嫌で過ごすことができるのだが、昨シーズンはそういうことがほとんどなかったので、久しぶりの幸せを噛みしめている。


昨日の猛打爆発による大勝と4連勝での借金完済という快挙の陰に隠れて、並行して行われていたイースタンリーグのヤクルト戦について書くのを忘れていたので、今日は遅ればせながらそのあたりを少しほじくり返してみたい。



【小園健太は間違いなく成長している】


イースタンリーグ 戸田球場


ベイスターズ 6 - 7 スワローズ


2回に藤田一也のタイムリーと二死満塁からの西巻賢ニの走者一掃のタイムリーツーベースなどで5 - 0とリードしたが、1軍経験者も多く含まれるスワローズ打線に4回に2点、5回に3点、8回にも2点を奪われ逆転負けを喫した。


ベイスターズの先発は2021年ドラフト1位の期待の若手、小園健太投手。


初回、先頭の奥村選手に粘られフルカウントとなったが、7球目に素晴らしいストレートを低めに投げ込み、見逃し三振に打ちとった。


続く山崎晃太朗選手は二球目を打ってつまったサードゴロ。


3番太田賢吾選手も粘ってフルカウントとなったが、8球目の真ん中低めのストレートで見逃し三振。上々の立ち上がりだった。


2回はフォアボールの走者を出したが、後続を空振り三振とショートライナー、レフトフライに打ち取り無失点で切り抜けた。


3回も外野フライ二つと空振り三振で三者凡退。


しかし、4回、3番太田選手の2打席目で捉えられセンターへのツーベースヒット。


二死までこぎつけたが、5番北村選手をフォアボールで歩かせ、次の6番松井選手のファーストゴロを小深田選手のエラー(暴投)でセーフとしてしまい1点を奪われる。


さらに、次の武岡選手にはフルカウントからの8球目を打ち返されてタイムリー、2点目を失った。


8番の橋本選手はライトフライに打ちとったが、ここまでで72球を要した。


5回は先頭をセンターフライで打ちとったものの、奥村選手に粘られてフォアボール、そして澤井選手にセカンドへのツーベースヒット(!)を打たれて一死二、三塁となったところで降板。


投球数は86球に達していたので、それが目安での交代だったかも知れない。


その後、代わった池谷投手がタイムリーを打たれ、さらに牽制悪送球での失点もあり、5-5の同点に追いつかれてしまった。


小園投手のこの日の成績は以下の通り。


4回1/3、86球、被安打3、奪三振4、与四球3、失点4(自責1)


インターネット配信の画面では球速表示が無かったのだが、見逃し三振を奪った低めのストレートなどは素晴らしいキレと制球だった。


このボールを見ただけでも、彼が順調に成長していることを確認することができた。


味方のエラーなども絡んで失点したが、現時点でそこをあまり気にする必要はないだろう。


問題といえば、粘られて球数がかさむ傾向にあることだが、それについても、ストレート主体で勝負するというような課題があってのことかも知れない。


数値としての成績だけ見ればもう一つだったが、私は現時点として満足のいく投球を見せてもらったと感じている。



追記


スタメンでマスクを被った松尾汐恩はこの試合でもヒットを放ち、打率3割5分台をキープしている。ファームとは言え、高卒の新人が4番を打つと言うのはなかなかのものだ。



【桜井周斗と松本隆之介の反撃が始まる】


昨年11月に怪我の治療のため育成契約となっていた桜井投手と松本投手が4月8日付で揃って支配下登録に返り咲いた。


桜井周斗は日大三高時代から投打に優れた選手として有名で、特に、早稲田実業の清宮選手(現日本ハム)から5打席連続三振を奪ったことや、安田選手(現ロッテ)から3打席連続三振を奪ったことなどで名を馳せた。


2017年のドラフト5位でベイスターズに入団し、1軍では、2019年〜2021年の3年間で合計47試合に登板し、65イニング、奪三振58、防御率4.02という成績を残している。


その後2022年1月に左肘尺骨観血的整復固定術を受けて離脱し、リハビリ後の7月にイースタンリーグのロッテ戦で実戦復帰を果たした。


しかし、その後、コロナに罹患し、これが治ると今度は疲労骨折を発症して再びリハビリ生活に入った。


育成契約のまま登板した4月6日のイースタンリーグ巨人戦では、ショートゴロ三つで一回を三者凡退に抑えた。この登板が支配下復帰への最終テストだったのかも知れない。



清宮選手をキリキリ舞させ桜井投手の代名詞となったスライダーはもちろん、ストレートの威力も増しているように見えた。


砂田投手が京田陽太とのトレードでドラゴンズに移籍した後、石川達也と並んで大事なところで使える左腕の候補になるだろう。


入団してから色々あったが、桜井周斗は未だ23歳だ。これまでの経験は彼のこれからの活躍に必ずプラスになることと思う。



松本隆之介投手は地元横浜高校出身で根っからのベイスターズファンという貴重な人材。


188cmの長身から150キロを超えるストレートを投げ込む大型の本格派投手だ。


彼は2020年ドラフト3位で入団し8月の初登板(イースタンリーグ楽天戦)で一回を三者凡退に抑えた。その試合は私もインターネット配信で見ていたが、スケールの大きい楽しみな投手が出てきたと思ったことを覚えている。


しかし、シーズン後半の9月下旬のイースタンリーグロッテ戦では2/3回、被安打5、与四球8、13失点と大炎上した。


その後、交代した投手も打ち込まれ、ロッテは初回17得点の世界記録を樹立するというとんでもない試合だった。


そして2022年3月に左肩のクリーニング手術を受け、昨シーズンは登板の無いまま11月に育成契約となった。


松本投手も4月4日のイースタンリーグ巨人戦で登板し、1回、被安打1、奪三振2、与四球1、無失点という結果で球団は支配下登録に踏み切った。


私はこの時もインターネット上で見ていたが、球速は出ていないものの松本投手のゆったりしたフォームと球筋を見て、やはり魅力を感じたことを覚えている。



2人とも故障による離脱期間があり、一旦は育成契約になったことで焦りを感じていると思う。


しかし、君たちはまだまだ若いのだ。焦る必要はない。


逆境の中でも君達の才能は決して色褪せたりはしていないのだ。



“いい宝石は泥土に投げ捨て、火の中へくべても固有の輝きを失わない”


谷崎潤一郎「肉塊」より