mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

対阪神初戦は逆転して快勝 チーム打率 .280だってさ




4月14日横浜スタジアム 阪神の先発は昨年投手三冠に輝いたエース青柳晃洋、対する我が社の先発は先々週同じ阪神戦で3回4失点ノックアウトのロバート・ ガゼルマン。


どう考えても我が社の分が悪いマッチアップなのだが、得てしてこういう時に会心の試合運びで勝っちゃったりするものなんですよねえ。


ベイスターズ 8 - 3 タイガース


勝 R. ガゼルマン 2勝 0敗 0S


負 青柳晃洋 1勝1敗 0S



【試合展開と得点経過】


タイガース打線、特に近本、中野の1番、2番は右のツーシーム投手に強い印象がある。


ともに左打者である彼らが外角に曲がりながら沈んで行くツーシームやチェンジアップを芯で捉えて軽打あるいは長打にするシーンを何度見たことか。


ピッチャーの背中越しの画面で斜め右下に向いたバットの角度が沈んで行くボールの軌道と一致しており、点ではなく線で捉えられてしまう。


初回の先頭打者だった近本選手がフルカウントから外角に曲がりながら沈むガゼルマンのチェンジアップを捉えた場面もそう言う見慣れたシーンだった。


打球はライナーでセンター横を抜けるかと思われたが、桑原将志が飛び込んで来てスライディングしながら見事に捕球した。


何となく今のベイスターズの勢いを感じさせるようなプレーだった。


必死に守り、思い切り攻める、と言う選手たちの声が聞こえてきた気がした。


結局、初回は3番渡邉選手にヒットを許したものの無失点で切り抜けた。


ガゼルマン投手がつかまったのは2回。


外野フライ2つで簡単にツーアウトとしたところまでは良かったのだが、7番の梅野選手に内野安打からの二盗を許すとそこから勢いに呑まれたかのように9番投手の青柳晃洋を含め4連打で2点を失った。


先々週のようにこのままズルズルと崩れるかと思われたが、今日のガゼルマン投手はギリギリのところで踏みとどまり、二死満塁から初回にヒットを許した渡邉選手を今度は詰まったサードゴロに打ちとって何とか切り抜けた。



ガゼルマン投手は打たれ始めると止まらない点が問題であり、対策を講ずることが今後の重要な課題だと思う。


今日の試合だと1点取られた後の青柳晃洋の打席で0-2と2球で追い込んだ後の3球目をヒットにされた場面。二死だったのだから、あそこで何とか相手の攻撃を断ち切らないといけない。


他方、ベイスターズ打線は3回まで無得点に抑えられていたが、今日の青柳投手は前回登板の時のように手が出ないと言う状態ではなかった。


反撃の狼煙を上げたのは4回。


青柳投手を得意にしている4番牧秀悟がフェンス直撃のツーベースヒットを放つと、二死からこのところ大活躍の関根大気が青柳投手のシンカーを上手く追っつけてレフトの左に運ぶとこれがタイムリーツーベースヒットとなった。1-2となり追い上げ開始。


続く5回にも一死から佐野恵太がライトフェンス直撃のスリーベースを放つ。



阪神のライト板山選手は内外野をこなすユーティリティプレイヤーだが、横浜スタジアムの高いフェンスのクッションボールの処理には不慣れだったと思う。


明らかにフェンスの近くまで追いかけすぎており、高い位置で跳ね返ったクッションボールが彼の頭上を超えてかなり遠くまで転がってしまった。


ここからの青柳投手は“らしくない”投球だった。


神里和毅の初球をデッドボールとすると、その後、宮﨑敏郎、牧秀悟に連続フォアボールで押し出し。2-2の同点となった。


続く桑原将志がレフトへの犠牲フライ。あまり大きな当たりではなかったが、神里が俊足を飛ばしてホームに滑り込んだ。これで3-2となり逆転に成功。



なおも二死一、二塁のチャンスで先程タイムリーを打った関根大気が打席に入る。


関根は2-2からの5球目、高さは良かったがコースが真ん中に入ったシンカーを今度は右手一本で引っ張り、ライトの右を破る2点タイムリーツーベース。


この回一挙4点を挙げ5-2と試合をひっくり返すとともに、難敵青柳投手をノックアウトした。



そして6回表のタイガースの攻撃。


ここをきっちり抑えればベイスターズの流れが確かなものになると言う重要な場面でガゼルマンに代わる2番手としてベンチが選択したカードはギックリ腰から復帰間もないジェフリー・ ウェンデルケン。


おやっと思ったが、この選択は、首脳陣が ウェンデルケン投手の実力と復帰後の状態を評価しているからに他ならない。


実際、彼は期待に応えて5番から始まるタイガースの攻撃を内野フライと内野ゴロ二つの三者凡退に抑え込んだ。


成功したから言えることかも知れないが、ここで ウェンデルケンが使えることがわかったのは今日の大きな収穫の一つ。


そして、この好投が続く6回のベイスターズの攻撃につながる。


先頭の8番京田陽太が7球粘った末にフォアボールで出塁すると、投手の打順で代打として送られた久しぶりのソト選手はタイガース2番手の新人富田が2-2から投じた5球目をやや体勢を崩しながら右方向に打ち返した。


これがライトフェンス直撃のツーベースとなって一気に無死二、三塁のチャンスとなる。


続く佐野恵太は富田投手の2球目胸元の高さの真ん中ストレートにバットを振り抜き、今度はレフトフェンス直撃の2点タイムリーツーベース。


逆方向に引っ張ると言う形容矛盾の野球用語があるが、まさにそう言う表現が最も相応しいような柔らかくてしかも強いバッティングだった。


これで7-2となり、試合の趨勢はほぼ決した。


その後、両チームとも犠牲フライ一本ずつで加点し、8-3でベイスターズが開幕カード3連敗の雪辱を果たした。いや、分割払いで返し始めた。


最終回を任された森原康平は久しぶりの重要局面で緊張したのかヒット2本を許したが後続を絶って無失点で切り抜けた。




【これが令和版マシンガン打線なのか?】


昨シーズンのベイスターズは明らかに投手を中心とした守りのチームになっており、昔の印象で“ベイスターズは打線が良いので”などと言う解説者は不勉強がと言って批判されたものだが、このところ様子が大分変わってきた。


今日の野手成績は以下の通り。


佐野恵太 打率 .356、4打数、2安打(ツーベース1、スリーベース1)、打点2


神里和毅 同 .167、4打数、1安打


宮﨑敏郎 .429、3打数、1安打、打点1


牧秀悟 .250、4打数、2安打、打点1


桑原将志 .333、3打数、1安打、打点1


関根大気 .452、4打数、3安打、打点3


伊藤光 .143、4打数、1安打


京田陽太 .375、3打数、1安打


N. ソト .179、1打数、1安打


先発野手全員がヒットを放ち、チーム全体では13安打と打線が活性化している。


試合数が少ないので余り浮かれすぎてはいけないが、それでも、チームバッティングや先の塁を常に狙う意識高い系の走塁など、昨年の就任時に2年はかかると言っていた石井琢朗コーチの攻める野球が浸透しつつあるのかも知れない。


引き続き注目していこう。


これでチーム打率はなんと .280となり、12球団トップ(ちなみに優勝した1998年のベイスターズのチーム打率が .277。こちらはシーズンを通しての数字なのでやはりすごい)。


セリーグでは2位中日の .246を大きく引き離しており、得点44も本塁打10もリーグトップにつけている。


そして、なななんと、今日で規定打席に達した関根が現時点でセリーグの打率1位となり、2位には宮﨑敏郎と言う夢見の良い状況となった。


ああ、野球ってこんなに楽しいものだったんだね。


辛いことや悲しいことが随分多かったから、おじさんすっかり忘れていたよ。