平良と牧の活躍で3連勝、ハマスタ6連勝、ハマスタ阪神戦10連勝、さらにバウアーまで
4月16日 一昨日の試合とは違い互いの先発が譲らない緊迫した投手戦の中、わずかな勝機をものにしたのは復調しつつある4番の一振りだった。
昨日の雨で良い流れが止まることを危惧していたがしっかりと勝ちを継続してくれた。
さまざまな試合展開に応じて勝ちをつかみ取るための色々な引き出しができてきた。
チームが強くなってきていることを感じる。
ベイスターズ 2 - 1 タイガース
勝 平良拳太郎 2勝0敗0S
負 才木浩人 1勝1敗0S
S 山﨑康晃 0勝1敗3S
本塁打 牧秀悟2号(1回裏2ラン)、大山悠輔1号(4回表ソロ)
【平良拳太郎のピッチトンネル】
平良投手は前回4月5日の巨人戦で復帰登板を白星で飾った。
これが今季のチーム初勝利で、この日からベイスターズは急速に調子を上げて行った。
この時は6回、85球、被安打4、奪三振7、与四球1、無失点の好投だったが、今日の彼のピッチングも以下の通りこれに勝るとも劣らない出来だった。
6回、85球、被安打2、奪三振10、与四球0、失点1
未だ2試合に登板したのみだが、
防御率 0.75
被打率 .143
奪三振率 12.75
WHIP 0.58
と言う素晴らしい内容でチームに二つの貯金をもたらした。
試合後に三浦監督も仰っていたが、今日の平良投手はストレートのキレが良く、そしてストライクゾーンを広く使ってコースにしっかりと投げきれていた。
私がもう一つ注目したのは、ピッチトンネルをうまく使った投球ができていたことで、タイガースの誇る1、2番コンビをほぼ完全に抑えることに成功していた。
例えば、中野選手への投球で、左バッターの外角ボールゾーンからストライクゾーンに入ってくるスライダー、いわゆるバックドアでまず見逃しのストライクをとり、次のボールはこれと全く同じ軌道だが打者の手元で逆に外側に曲がりながら落ちていくシンカーで空振り三振に打ちとった。
彼の素晴らしい制球力が見事に発揮されたシーンだったと思う。
その他にも、タイガースの選手たちがホームベースからかなり離れた外角低めのボールになるスライダーを振って三振することも何度かあった。
バッターのこうした反応を見ると、スライダーのキレも素晴らしいものだったことがわかる。
平良投手は前回登板の翌日に登録抹消され中10日で今日の登板となったが、トミージョンからの完全復帰の途上であることに配慮した慎重な起用法で大変良いと思う。
今回も明日抹消し次回登板は4月26日の横浜スタジアムでのヤクルト戦と言うことになるのだろうか?
余裕のある先発投手の運用って本当に良いですね。オリックスバファローズのようだと思い、何だか嬉しくなりました。
【牧秀悟の復活の狼煙】
今日のベイスターズの安打数はチーム全体でわずかに4本だったが、その内訳は宮﨑敏郎2本、牧秀悟2本と言うものだった。
タイガース先発の才木投手は現状セリーグの最高の投手の1人なので多くのヒットは期待できないとは思っていたが、2人の打者しか打つことができないとは思わなかった。
試合を振り返って見ると、この4本のヒットのうちの一本が牧選手のホームランだったこと、そして、このホームランの前に宮﨑選手がヒットで出塁していたことが、今日、ベイスターズがタイガースをギリギリのところで躱わして勝利するための唯一の可能性だった。
WBCの本戦では、疲れのせいだと思うが凡退することが多く、その不調のまま帰国して開幕を迎えてしまった。
ここ数日、彼にヒットが出始めたが、そのきっかけとなったのは4月12日のヤクルト戦で侍ジャパンのチームメイトでもあった髙橋奎ニ投手から打った今季第一号のホームランだったと思う。
その後、4打数、1安打、打点2(4月12日ヤクルト戦)、4打数、2安打、打点1(4月14日阪神戦)、2打数、2安打、1ホームラン、2打点(今日4月16日阪神戦)と復調傾向が鮮明になり、打率も .285まで上げて来た。。
一昨日の試合を見ながら、インハイの速いストレートを思い切り引っ張ってレフトスタンドにホームを打てるようになると牧選手の完全復活と言って良い、と思っていたが今日のホームランはまさにそう言う一発だった。
2-2から才木選手の投じたボールはインハイに決まる150 km/hのフォーシームで、身体を素早く回転させながら打ち返した鋭い打球は放物線を描いてレフトスタンドに消えていった。
ツーランホームラン。結局、初回のこの2点を最後まで守り抜いて接戦を勝利した。
これで12日のヤクルト最終戦からの連勝を3に伸ばし、本拠地に限れば6連勝と言う昨年来の内弁慶ぶりを発揮している。
開幕直後の4連敗の時は例年通りの4月の低迷を覚悟したが、今日時点で首位に0.5ゲーム差の同率2位にまで戻して来た。
ちなみにハマスタでの阪神戦ということになるとこれで10連勝。本拠地でタイガースに一方的にやられていた数年前のことを考えればまだまだ借りは返せていない感じだが、この調子でタイガースの選手たちが苦手意識を持つほどに勝ち続けて行きたい。
【その頃横須賀スタジアムではトレバー・バウアーが】
超大物外国人選手の来日後初登板ということで、かつて無いほどの数の報道関係者を集めた横須賀スタジアムでのイースタンリーグ西武戦。
トレバー・バウアーは試合前の練習から非常に独特のものだった。
何と70m離れたところから捕手を座らせて投球練習を行う。
彼は140mの大遠投を行うことでも有名だが、野球に関しては全ての行動が彼独自の理論に基づいているようだ。
彼のYouTubeから推察される通り、彼自身は日本の文化に対してリスペクトを持ち、郷に入っては郷に従え、と言う姿勢でいるようだ。
だとすれば、我々も彼の野球に対する考えや練習方法に対してリスペクトを持ち、彼に調整を一任するべきだと思う。
もちろん、相手バッターのデータや彼自身の投球に関する数値情報などは提供し、分析好きな彼への入力とするが、それを踏まえてどのようにピッチングを組み立てるかは彼自身の意見を最大限に尊重することが成功につながるように思う。
試合が始まると、通常運転時は8割程度の力で投げているようであり、やはり2年のブランク後の初登板ということでバウアー投手自身が自分の調子やバッターとの駆け引きなどの様子を探りながらのピッチングに見えた。
それでもスピンレートの高そうなストレートとほぼ水平に大きく曲がるスライダー(これが噂のスイーパーか)などで三振を奪っていく。
4回を投げて被安打4だったが、色々と試しながらのことでもあり、あまり気にする必要はないと思う。
圧巻だったのは、ヒット2本と盗塁で一死二、三塁のピンチになったところでギアを上げてからの投球。
ライオンズの2番蛭間選手、3番高木選手の2人に対して6球全てストレートで2連続3球三振に打ちとった場面だ。
ここでのストレートは最速155km/h(球団計測では156km/h)であり、ピンチでギアを上げた時の投球のテストをしたいと思っていたが格好の場面でしっかり投げることができた、と試合後本人も語っていた通りの素晴らしい投球だった。
この6球はMLBの一線級のピッチャーの実力そのものだったと思う。
今日の結果は、4回、53球、被安打4、奪三振6、与四球0、無失点というものでともかく無駄なボールがないこと、ギアを上げた時の伸び代が大きく攻略されにくいことが強く印象に残った。
本人によると、今後の予定としては、イニング数を増していき100〜120球程度を目安にしていきたいとのこと。
日本の野球にアジャストする上では、クイックモーションをもう少し早くすることが課題になるように思うので、ここに関しては日本の文化ということで受け入れてもらってしっかりと練習して欲しい。
一軍での初登板はゴールデンウィークの前後になるだろうか?
来週予定されている今永昇太と大貫晋一の復帰登板に続いて、また楽しみが増えた。





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