mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

ベイスターズがもうすぐ完全体になるって本当ですか?




昨日素晴らしい投球を見せてくれた平良拳太郎は予想通り投げ抹消の形となり、次回登板は4月27日横浜スタジアムでのヤクルト戦ということになりそうだ。


トミージョン手術明けなので大事に行くべき、というのは勿論だ。


しかし、そうは言っても無い袖は振れない、あるいは先発が足りないのだから休ませていられない、というのがこれまでのベイスターズの先発ローテーションのやりくりだった。


いつの間にこんなオリックスバファローズのような投手王国になったのだろう?


そしてもっと驚くのは、これでもまだフルメンバーではなく、ここからさらに左右のエースと超大物外国人投手が加わるということだ。


攻撃に関しても、チーム打率 .271と得点46はリーグ1位で、本塁打数11はリーグ2位という成績を残しているが、これでも、これまでの大半の期間は4番の牧秀悟が絶不調でやっと復調したところであり、さらにタイラー・オースティンというリーグでベストの外国人打者の一人が加わるという伸び代がある。


最近のスポーツ各紙の報道を見ていると、上に挙げた3人の投手とオースティン選手はどうやらゴールデンウィークあたりまでには1軍に合流することになりそうだ。


つまり、これまで存在自体がミステリアスと言われていた”完全体のベイスターズ”がとうとうベールを脱ぐことになるのだ。


まさか、ツチノコやネッシーなどよりも先に”完全体のベイスターズ”が見つかるとは。


今日は、既に秒読み段階となった完全体ベイスターズ出現までのこれからのスケジュールなどについてまとめてみる。



【今永昇太の1ヶ月遅れの凱旋登板】


今永昇太が日本中の期待を背負ってWBCの決勝戦に先発したのは3月22日のことだった。


あれからおよそ1ヶ月。


WBCに出場していた投手たちがそれぞれの所属チームに戻ってシーズン戦で登板している中、ウチのエースはまだファームで調整登板という段階にある。


ご存知の通り、WBC使用球はNPBのそれとは異なっており、今季の今永投手は春季キャンプからWBC球のみを使ってキャッチボールやライブBPでの投球を行い、また、ボールに合わせて投球フォームまで少し変えるという完全なWBCモードでの調整を行なってきた。


その甲斐あって侍ジャパンは世界一の座を奪還することができたし、今永昇太も自身の希望するMLB移籍に向けて最大のアピールをすることができたと思う。


しかし、その代償は、帰国して久しぶりに握るNPB球への違和感だったようだ。


プロの投手が変化球を投じる際の指先の微妙な感覚というのは生命線であるキレや制球を左右する重要なファクターであり、ボールが変わったくらいで、などとは到底言うことができない。


侍ジャパンのチームメイトには、野手も投手もシーズン開幕後に故障したり調子が上がらなかったりしている選手もいる。


それを考えれば、今永投手とベイスターズ球団の段階を踏んだ慎重な復帰プロセスは長い目で見れば最良の選択ということになるかも知れない。


その今永投手はこれまでファームで二試合に先発し、以下の成績を残している。


投球回11、防御率0.82、奪三振率11.45、被打率 .146、与四死球0、WHIP0.55


ファームとは言え、流石と言って良い。



2度目の登板となった4月14日の試合後に本人も準備はできたので次は1軍で、と言っていた通り、今週には1軍での復帰登板を見ることができそうだ。


単純に中6日と考えれば、21日の広島との初戦(マツダスタジアム)となる公算が高いだろう。


昨年大きく負け越したカープに対して、今年は違うぞ、というところを見せるためにもこのタイミングでの今永昇太の復帰は非常に良いと思う。



【大貫晋一の肉離れからの復帰】


今年こそはという強い思いで臨んだ開幕カードの阪神戦で三連敗を喫した背景にはこの人の開幕直前の離脱という抜き差しならない事情があった。


エース今永昇太がWBCのために開幕には間に合わないということは予めわかっていたことだが、それでも右のエース大貫晋一がいれば何とかなると首脳陣も我々ファンも考えていた。


しかし、その目算が大きく狂ってしまったのだ。


別に石田健大が力不足だ、と言っている訳ではない。しかし、押しも押されもしない、という形ではなく、どちらかと言えば消去法的に決まった開幕投手である。


そして、これまでに2度先発した開幕試合で彼はいずれも敗戦投手となっている。


こうした事情から石田投手にかかるプレッシャーはかなり大きくなってしまったのでは無いだろうか?


青柳ー石田、秋山ーガゼルマン、才木ー笠原というマッチアップから見ると3人の投手には失礼だが、三連敗もそれほど予想外ということではない。


第二戦に限っては先発投手で格負けしていない対戦だったが、ご承知の通り、初回に大きな援護をもらいながらガゼルマン投手は持ち堪えることができなかった。


今にして思えば、来日直前にパスポートが盗まれ実戦での調整スケジュールが大きく遅れたことが響いていた可能性はあるだろう。


本来、大貫投手は15日の阪神戦で一軍復帰登板の予定だったが、雨天中止。


スライドせずに来週に回ることとなり、その代わりに昨日のイースタンリーグ西武戦でバウアー投手に続いて2番手としてマウンドに上がった。


最速147km/hのストレートとキレのあるスライダー、スプリット、ツーシームなどの変化球でピッチトンネルを構成し、1軍復帰間近であることを強く印象付けた。


2回2/3、49球、被安打1、奪三振3、与四球1、失点1(自責0)


失点シーンは唯一の安打となった長谷川選手のライト前の後、彼が二盗、三盗を決め、二死三塁から知野選手がサードゴロを捕球した後に悪送球の間にホームに生還するというある意味

ファームらしい状況だった。



従って、大貫投手としてはあまり気にする必要は無いと思う。むしろ、この日も2つのエラーを犯した知野直人のことが心配になってしまう。


平良拳太郎と同じく”投げ抹消”となった東克樹が再登録可能となるのが4月23日であり、その日の対広島3連戦の最終戦に先発することが予想されるので、大貫投手の今季初登板は22日のカープ戦ということになりそうだ。


おそらく広島3連戦は今永、大貫、東という先発になると思う。


昨シーズンの借りを返して初っ端から今年のベイスターズは違うという印象を与えたい。



【トレバー・バウアーは”野球は野球”とクールに呟いた】


少し前まで、バウアーと言えばジャックだった。



しかし、今、バウアーと聞いてトレバーと答える人が日本中で急増している。


昨日のイースタンリーグ西武戦での彼の来日初登板の際には、こうした事態に対して準備ができているとはお世辞にも言えない横須賀スタジアムだったこともあり、プロ野球のスター選手の登場というよりは多摩川にアザラシのタマちゃんが出現した時に川端に集まった報道陣のような状況になってしまった。


ファームの試合でさえこうなので、彼の横浜スタジアムでの初登板の時のフィーバーぶりは容易に想像できようというものだ。



そして、昨日の記事にも書いた通り、彼の投球、特にピンチになってギアを上げてから連投したストレートの威力は流石にMLBの一線級の投手のものだった。


試合前に、益子捕手に対して、ストレートの時はバッターの膝下とベルトの間にミットを構えてくれ、そうすればベルトから胸元のあたりに1番強いボールが行くから、と語っていた通り、二人の打者に6球続けてインハイのストレートを投じた。


すると、彼らはバウアー投手のストレートに一度もかすることさえなく6回空振りして2者連続三振となった。


その他にも、落差の大きいスプリットチェンジや恐らくスイーパーと呼ばれる球種であろう水平に大きく曲がるスライダーなどの変化球もNPBで見慣れたレベルのものとは明らかに異なっていた。



課題となるのはクイックモーションがやや遅いこと、そして長い回を投げるスタミナだろう。


NPBの打者や走者と初めて対峙したバウアー投手だったが、マウンドなども含めて米国とあまり大きくは違わないという感想を語っていた。


”野球は野球”


そりゃそうだ。日本の野球へのリスペクトは持ちつつ、身構えることなく自分の投球をしようとする彼の姿勢は大変良いと思った。


次はまたファームで登板することになると思うので、23日の楽天戦(平塚)でもう少し長いイニングを投げ、最速だと5月2〜4日の広島戦(横浜スタジアム)で1軍初登板という工程が考えられる。


ファームで2回投げるということだと、30日に平塚でロッテ戦があるので、ここで投げてからということになるが、それだと次の横浜スタジアムでの主催試合が11日の読売戦ということになってしまう。


もしファームでさらに2回投げる場合には、中6日ではなくもっと間隔を詰めて、やはり5月4日の広島戦で登板するのでは無いだろうか?


つい最近購入した背番号96のユニフォームを来て応援に行かなくちゃ。



【そして最後のピースはいつもこの人】


私が最後にタイラー・オースティンを見たのは昨年のCSファーストステージ最終戦で、その日の私の座席の目の前でファーストベースにヘッドスライディングしたまま起き上がれなくなった藤田一也に駆けより抱えて立ち上がらせた時だった。


あの時、ファーストベース上で突っ伏したままの藤田選手を見るやいなや、タイラー・オースティンが誰よりも速く駈け寄るのを私はただ茫然と見つめていた。


オースティン選手はあの時、考えるよりも先に身体が動いたのだろう。


道徳的衝動というやつだ。


その後、この2人が互いの背番号を交換し合うことになったのはまた別のはなし。


あの後、オースティン選手はなかなか状態の上がらない右肘靱帯に再度メスを入れる決断を下し、昨年10月に靱帯修復術(トミージョン手術とも言われる靱帯再建術とは別のもので、靭帯の移植ではなく修復によって治療する)を受けた。


それからおよそ半年。


元阪神タイガースの岩田稔さんが2010年3月末に同じ手術を受け、その年のフェニックスリーグで復帰登板を果たすまでの期間もおよそ半年だった。


個人差もあるし、投手と野手の相違もあるので一概には言えないが、オースティン選手の復帰もそろそろと言うことになるのではないか。


実際、スポーツ紙やSNSなどを見るとオースティン選手は一塁手として守備練習を行なっているようであり、また、打撃練習も行っているらしい。



オースティン選手の復帰時期については、球団OBの野村弘樹さんが4月末か5月初めということを2週間ほど前のTV解説の時に仰っていた。


この発言にどの程度の裏付けがあるのかは知る由もないが、その他の様々な情報とも特に矛盾はしていないため、ある程度信ぴょう性があるのではないかと考えている。


問題は、野村さんの言う復帰というのがファームの試合に出始めることを指しているのか、あるいは1軍に合流する時期を言っているのかが良くわからないということだ。


私としては、今週中に彼がファームの試合に出場し始め、ゴールデンウィーク前半のホームゲームで1軍に合流することを予想している。


ところで、彼の守備位置がファーストと言うのは、首脳陣のソト選手に対する評価が厳しいものであることを意味しているのだろうか?


たしかに、ここまでのところソト選手らしい豪快な一発は出ておらず、ストレートに振り遅れる光景を繰り返し見ているような印象はある。


ベイスターズの主軸である佐野恵太、宮﨑敏郎、牧秀悟の3人はいずれもリーグを代表する好打者だが、タイプとしては中距離バッターであり、ホームランバッターではない。


ベイスターズの打線に凄みを加えるためにも、ソト選手かオースティン選手の少なくともどちらかが状態を上げてくることが“横浜頂戦”に欠かせない最後のピースになることだろう。



平良拳太郎投手の復帰登板の応援に沖縄から駆けつけた北山高校野球部のチームメイトたち。


平良選手に加えてタイラー選手も応援しているのが嬉しい。