mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

石田健大のベストピッチで首位浮上




4月18日 前回登板では味方が初回に6点を取ってくれたこともあり、スイスイと6回を投げて被安打3、奪三振4、与四球1、無失点で今季初勝利を挙げた石田健大。


今日の長崎での読売戦は開幕以来無失点を続けているジャイアンツの新たなエース戸郷翔征との投げ合いで真価が問われる登板となった。


そして、本当に素晴らしい投球を見せてくれた。


ベイスターズ 2 - 0 ジャイアンツ


勝 石田健大 2勝1敗 0S


負 戸郷翔征 2勝1敗 0S


S 山﨑康晃 0 勝1敗 4S


ベイスターズはこれで4連敗、4連勝、1敗を挟んで再び4連勝となり貯金3、広島に劇的なサヨナラ勝ちをおさめた阪神と並んで首位に躍り出た。



【みんなが待っていた左腕カルテット勢揃いの週は幸先の良いスタート】


石田健大(2014年ドラフト2位)、今永昇太(2015年ドラフト1位)、濵口遥大(2016年ドラフト1位)、東克樹(2017年ドラフト1位)の4人はいつしか左腕カルテットあるいは左腕4兄弟と呼ばれるようになった。


しかし、この4人が揃って活躍した年は今までなかった。


特に、東克樹が11勝を挙げて新人王を獲得した2018年には今永昇太が絶不調であり、その後、東投手は肘の故障に悩まされて実力を発揮できずトミージョン手術を受けるに至る、ということでこの二人がローテーション投手として同時に活躍したことはほぼ無いと言って良い。


その左腕カルテットが今週初めて勢揃いすることになりそうだ。



その先陣を切った長兄の石田健大は素晴らしいピッチングで、今永、大貫、バウアーが合流してもローテーションの椅子は簡単には渡さないという心意気を示した。


8回、102球、被安打4、奪三振8、与四球0、無失点


今日の石田投手はとにかくストレートが走っていた。


そしてほとんどのボールが制球よく戸柱恭孝の構えるミットに吸い込まれていく。ストレートが走っているから変化球も効果的に決まるという好循環。


チームが課題として掲げるストライクゾーンでの勝負というのがしっかりとできていた。



自身初の完封、完投がかかっていた9回には二死一塁の場面で代打大和を送られて降板となった。その瞬間のベンチの石田投手の表情がTVカメラで捉えられていたが、彼にしては珍しく悔しそうな表情をストレートに出していた。


自分でもこれまでの投手人生でのベストピッチをしているという意識があったのではないか。


試合後に交代の場面について問われた石田投手の談話。


”本当に行きたい気持ちがありました。


準備はずっとしていました。


あそこで行かせてもらえるような信頼される選手になれるように日々成長して行ければいいかなと思います”


”ベイスターズはいいチーム状況です。


良い試合を続けているので、それに乗っかって自分もマウンドに上がりました。


これからもそうなので、明日からもいい流れのまま勝ち続けたいと思います。


明日も良いリズムのまま絶対に勝ちます”



【難敵戸郷投手に対して打線も奮闘】


ベイスターズが先制点を上げたのは4回。


2番ショートに入った先頭打者の京田陽太がショートへの内野安打でしぶとく出塁すると、続く3番宮崎敏郎がややつまった当たりではあったがレフト線を襲うツーベースヒットを放ち無死二、三塁のチャンスを作る。



その後、牧秀悟が三振、桑原将志もショートフライに倒れてチャンスは潰えたかと思われたが、関根大気がフォアボールを選んで満塁となった後、7番のソトが戸郷投手の初球をコンパクトにセンター返し。


セカンドの中山選手は追いついたがベースカバーに入ったショートの門脇選手がベースを踏むのがわずかに遅れて好スタートを切っていた関根大気はセーフとなり、その間にサードから京田陽太が生還して1点先制。


記録は内野安打で不調のソト選手には嬉しい打点となった。



その後、5〜7回は桑原選手のツーベース一本に抑えられていたが、8回に再びチャンスが巡ってくる。


先頭の佐野恵太が芯で捉えた当たりではなかったものの一塁線を破るツーベースで出塁。京田選手が2球目で送りバントを成功させ、一死三塁とチャンスを拡大。


ここで打席に入った宮崎敏郎は逆球となった戸郷投手の2球目、外角高めのスライダーをバットの先端で捉えてセンター前に弾き返した。佐野が生還して貴重な2点目を挙げた。


9回裏は石田に代わった同期の山﨑康晃が3者凡退に抑えて2-0のままベイスターズが勝利。


戸郷投手を攻めて7安打、1四球と圧力をかけ続け、2点を挙げた打線は先週の好調ぶりを継続しているようだ。


復調傾向だった牧秀悟にヒットは出なかったが、最初の打席の右方向の打球は風速10m/sを超える逆風に押し返されたものの良い当たりだったと思う。明日はきっとやってくれるだろう。



【4年ぶりの首位浮上】


記録を遡ると瞬間的なものであれベイスターズが首位に立ったのは2019年4月1日以来4年ぶりとなる。


ただし、この時はまだ3試合目で、ベイスターズ、ジャイアンツ、タイガースが2勝1敗で並んだというだけであり、首位と言うのは気が引ける。


10試合以上を消化して首位に立つのは、前半を首位で折り返して最終的には最下位に沈むというジェットコースターぶりを見せた中畑監督の最終年2015年以来では無いだろうか?


そうだとすると8年ぶりということになる。三浦監督就任以来ではもちろん初めてだ。


その三浦監督のコメント


”まだこの時期。一つずつ積み重ねシーズンの終わりにこの位置にいられるように頑張りたい”



そりゃそうでしょ。


しかし、我々ファンとしては慣れないことなので舞い上がって喜んでしまう。


そういえば2015年の春先にも首位という慣れない順位に舞い上がってしまい、当時新人だった山﨑康晃のTシャツなどのグッズを大量発注したものの、それらが届いた頃にはすでに最下位になっていたという事件があった。


シーズン序盤に訪れた同率首位という小さな幸せ。


しかし、その幸せを大切に思うことが悪いはずがない。今日は幸せな夜を過ごそう。


でも、グッズの大量発注はもう少しだけ待ってからにしようっと。



”幸福というものはささやかなもので、そのささやかなものを愛する人が本当の幸福をつかむ”


亀井勝一郎