mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

再逆転勝ちで単独首位浮上 常にベストを尽くす大切さを関根大気が教えてくれた




4月23日 今季初対戦となったマツダスタジアムでのカープとのカードは1勝1敗で第3戦を迎えた。


昨年9つ負け越した苦手の相手に対して、今年のベイスターズは違うというところを見せつけるためにも勝ち越して終わりたいところだ。


ベイスターズの先発は開幕以来2戦2勝と好調の東克樹。


6回、96球、失点1で勝利投手となった4月12日のヤクルト戦から中9日と十分な調整を経てマウンドに上がった。対するカープの先発は若手で期待の左腕、玉村昇吾投手。


トミージョン手術から完全復活を果たした東克樹は、今日も、力のあるストレートを低めに集め、時折高めにも意図的に投げ込むなど的を絞らせない投球が出来ていた。


右打者へのバックドアとなるスライダーなどに変化球も有効だった。


そして、打線の方はといえば、開幕以来の連続試合安打が途切れた宮﨑敏郎を休養のためベンチスタートとし、不調のソトも外すなど、かなり見直してきた。


1番 佐野恵太 (1B)


2番 大和 (SS)


3番 大田泰示 (RF)


4番 牧秀悟 (2B)


5番 桑原将志 (CF)


6番 関根大気 (LF)


7番 山本祐大 (C)


8番 京田陽太 (3B)


9番 東克樹 (P)



【試合展開と得点経過】


初回は両投手ともヒットや四死球を許さず上々の立ち上がりを見せたが、2回表にまず動きがあった。


四球で出塁した桑原将志を一塁において一死から6番関根大気がカープ先発の玉村投手の初球を捉えてライトへ運んだ。


さらに、関根は続く山本祐大の打席の初球から走って盗塁を決め、一死二、三塁とチャンスを拡大する。


山本はショートファウルフライに倒れ、このカードはやはり打線がつながらないか、と思われたが、次の京田陽太が1-2と追い込まれてから玉村投手の投じたスライダーがやや甘く入ったところを見逃さず、二遊間をゴロで抜けるタイムリーヒット。


二死であったため京田が打った瞬間にスタートを切っていた三走の桑原とニ走の関根の2人がホームに駆け込んで2-0と幸先よく先制に成功した。


これが京田陽太の移籍後初となったタイムリーヒットで、打線が湿りがちだったベイスターズにとっても27イニングぶりの適時打となった。



その裏は東がカープ打線の5番から始まる攻撃を三者凡退で抑え、流れをベイスターズに引き寄せたかと思ったが、3回裏二死走者無しから菊池涼介に甘く入ったスライダーを掬い上げられ、これがレフトスタンドに飛び込むソロホームラン。


バックドアを狙ったスライダーがコントロールミスで真ん中に入ってしまった。


それにしても菊池選手のドアスイング気味のこうした打球は良く伸びる。


2-1となり、試合の流れはカープに傾き始めるかと思われたが、4回から6回まで、東克樹はヒットと味方のエラーでの出塁が一つずつあったものの、いずれも併殺でピンチの芽を摘み、2-1とリードを保ったまま、7回表の攻撃で代打ソトを送られベンチに下がる。


その直後、7回裏にマウンドに上がったエスコバーはいきなり初球をマクブルーム選手に捉えられ、レフトスタンド上段に飛び込む今シーズン1号のソロホームランで同点に追いつかれた。


外角高めのストレート、球威はあるように見えたが、コースが甘かった。


その後もエスコバー投手は調子が上がらず、西川龍馬につまった当たりのヒットを許し、デビッドソンに四球を与えると、バッテリーエラーもからんで一死二、三塁のピンチを迎える。


ここでベイスターズベンチがエスコバーから入江大生にスイッチすると、カープは堂林選手に代わって松山龍平を打席に送る。


松山選手は2-2からの6球目を打ってショートゴロとなったが、この間に三塁ランナーが生還して2-3とカープに逆転を許した。


しかし、今日のベイスターズ打線はしぶとかった。


8回表の先頭打者、佐野恵太がカープのセットアッパーであるターリー投手の2球目、外角高めのストレートを振り抜いてライトスタンドに飛び込む同点ソロホームランを放った。



あっという間に3-3の同点に追いつき、試合がカープのペースになることを許さなかった。


8回裏には伊勢大夢が登板したが、先頭の菊池涼介にヒットを許し、続く上本選手が送って一死二塁となったところで、信じられないこちが起きる。


続く3番秋山選手はワンバウンドのボールで空振り三振に倒れたが、山本捕手のファーストへの何でもない送球を佐野が落球し、振り逃げとなって一死一、二塁。


さらに、続くマクブルーム選手にフォアボールを出して一死満塁と絶体絶命のピンチ


しかし、ここは伊勢大夢が踏ん張った。


西川、矢野をいずれも内野ゴロに抑え、何とか無失点で切り抜けた。


このチャンスをものにできなかったカープベンチは嫌な感じがしたと思うが、それが現実のものとなる。


9回表、後攻めのカープベンチは定石通り、同点でクローザーの栗林良吏をマウンドに送った。


一死から6番関根大気がレフトへのヒットで出塁し、山本祐大の送りバント、代打宮﨑敏郎の申告敬遠で二死一、二塁としたところで、伊勢大夢の代打は楠本泰史。


楠本は栗林投手の初球、外角のストレートを一、二塁間に打ち返した。ややつまった打球だったが、コースが良く、名手の菊池選手でも追いつくことができなかった。



さらに、セカンドランナーを刺そうと焦ったライトの野間選手が捕球を少しミスってしまい、関根大気が悠々とホームに戻って来て、土壇場で4-3と再逆転することに成功した。


そして、9回裏には我が社のクローザー山﨑康晃投手が登場し、坂倉、代打會澤、野間の3人を三振とフライに打ち取りゲームセット。


ベイスターズ 4-3 カープ


勝 伊勢大夢 1勝 0敗 0S


負 栗林良吏 0勝3敗 7S


S 山﨑康晃 0勝 1敗 6S



【カバーし合うことができるのは強いチーム】


今日のベイスターズは3つの失策があり、ここから流れを悪くして負けてもおかしくない試合だった。


しかし、初回の牧秀悟のセカンドゴロ後逸の後は東克樹が、8回の佐野恵太のファースト捕球ミスの後は伊勢大夢がそれぞれギアを上げた投球でミスをカバーして失点を防いだ。


7回裏にエスコバーの乱調から2点を失って逆転された直後に佐野恵太の同点ソロで追いつき、継投ミスを致命傷にはさせなかった。


ベンチに戻って珍しく激昂していたエスコバー投手に対しては、投手キャプテンでもある山﨑康晃が試合後にハグして言葉をかけることでフォローしていたのが印象的だった。


ブルペンはファミリー、と言う彼の日頃の言葉を実践してみせた振る舞いだった。


エスコバー投手も笑顔を見せていたので、来週はまた勝負どころでしっかりとした投球を見せてくれるに違いない。



エスコバー投手も伊勢大夢投手も、このところ少し登板間隔が開いていたことが影響していた可能性もある。


この点については、僅差のリード以外の場面でも調整を目的として勝ちパターンの選手を登板させる等の運用上に工夫も今後必要になるように思う。



【関根大気。プロ野球選手としての有限の時間で自分のできるベストを常に】


今日のヒーローは楠本泰史選手であり、そのことについて全く異論はない。


しかし、9回表にカープのそしてジャパンのクローザーでもある栗林良吏がマウンドにたち、先頭の桑原将志が倒れた時点で、良くて引き分けかと言う雰囲気もあった中、“コト”をおこした関根大気の貢献も特筆すべきだと思う。


先日の横浜スタジアムでのヒーローインタビューで“プロ野球選手としての有限の時間の中で常に自分のできるベストを尽くすことだけを考えている”と言う趣旨のことを語っていた関根選手が、まさにその言葉通りのことを実践して見せた。


この試合は色々なことがあったために、かなり前の出来事のような気がする2回表のベイスターズ先生の場面でも、フォアボールの桑原将志を一塁においてヒットを放って一死一、三塁とし、さらに次打者の初球で盗塁を決めて二、三塁としたのは関根大気だった。


10年間のプロ野球選手としてのキャリアで積み上げて来た走攻守全ての面での彼の工夫や研鑽が今年になって一気に花開いたと思う。


人一倍練習し、常に、どうすればチームに貢献できるかだけを考え続ける彼が度重なる故障を乗り越えて掴みつつあるレギュラーの座を確かなものとすることを祈っている。


そして、彼は我々に、諦めないことの大切さを誠実さ溢れるプレーで教えてくれているように私には思える。




チームはこれで5年前の同じ日、2018年4月23日以来となる単独首位への浮上を果たした。


今回はこれが一瞬の出来事ではなく、悲願の優勝へと続くストーリーの序幕となってくれるはずだ。