mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

首位固めってどこか遠い国の言葉のように感じていました




4月26日 横浜スタジアムで行われるヤクルトとの対戦カード第二戦はこのところ好調が続いている石田健大が先発。


慎重さと時折見せる攻めの投球の組み合わせが今年30歳になった彼の投手としての円熟を感じさせる。FA資格を得た今季は特に本人のやる気スイッチもしっかりと入っていることだろう。


ここ数日、テレビのスポーツニュースで“首位DeNAはホームでヤクルトを・・・”などと言うフレーズを耳にすることがあり、不慣れなせいか、エッ、どのDeNA?と思ってしまう。


我々ファンがこうした言葉に慣れるくらいの期間、首位をキープして欲しいと願うばかりだ。


と言うようなことを考えながら試合を観ていると、石田健大はしっかり試合を作り、拙い守備もあって1点先制されればその裏直ぐに同点に追いつき、戸柱が逆転スリーランを打つは、難病克服の三嶋一輝が感動の復帰初勝利を挙げるは、ヤマちゃんは相変わらず劇場型のセーブを決めるは、で強いチームの勝ち方を見せてくれた。


あっ、全部言っちゃった。


でも、この試合はいくつか大事なポイントがあるので、それぞれもう少し詳しく見ていきたい。



【試合結果と個人成績】


ベイスターズ 5 - 2 スワローズ


勝 三嶋一輝 1勝 0敗 0S


負 高梨裕稔 0勝 1敗 0S


本塁打 戸柱恭孝2号(7回裏3ラン)


先発の石田健大は持ち味の脱力した滑らかな腕の振りから投げ込むキレのあるストレートを軸に、全く同じ腕の振りで30キロほど球速の差があるスローカーブやスライダー、チェンジアップを組み合わせる素晴らしいピッチングだった。


6回、101球、被安打5、奪三振6、与四球1、与死球1、失点1(自責0)


失点はあったが、レフト前のライナー性の当たりを佐野恵太がファンブルする間にランナーが進塁したことが原因だったため自責点はつかなかった。


これで防御率は1.13まで良化し、被打率 .202、WHIP 0.88と各指標もかなり良い数値に収まってきた。


今永昇太と大貫晋一の左右のエース復帰に加えてトレバー・バウアーが来週には1軍合流予定と言うレベルの高い先発ローテーション争いだが、石田健大はこの競争に生き残ることができそうだ。


打線では、昨日マルチヒットで久々のタイムリーを放った牧秀悟が今日も戸柱のスリーランの導火線となるヒットを打った。


つまったあたりでレフト前に落としたものだが、不振に喘いでいた彼にはHのマークを見るのが一番のクスリだ。


そして8回の一死一、三塁のチャンスではヤクルトの3番手尾仲投手の真ん中高めのストレートを何とかライトに飛ばして犠牲フライで打点を挙げた。彼は常々打点を重視するとコメントしているので、これも彼にとって良いクスリになったことだろう。


チーム全体のヒット数は9本で、マルチヒット(いずれも2本)を放ったのは、


関根大気


戸柱恭孝


林琢真


の3選手。特に林はプロ入り初のマルチヒットで、塁上でも試合後も新人らしい明るい笑顔を見せていた。


彼はサードの守備でも三塁線を抜けるかと言う鋭いゴロ、しかも難しいバウンドの打球を逆シングルで捕球し落ち着いた送球でアウトにすると言うファインプレーを見せた。



期待されて起用してもらった開幕戦でやらかしたショックからようやく立ち直り、彼本来のプレースタイルを見せてくれるようになった。


本ブログでもこのところ注目している関根大気も2安打で、打率を .375まで上げてきた。.392のカープ秋山翔吾に続く3位につけており、この活躍が一時的なものではないことを数字でも示しつつある。


【3回表裏の攻防】


3回表にはサンタナのレフト前ヒットの処理で佐野恵太の拙いプレーがあり、一死二、三塁とされたピンチで村上宗隆のファーストゴロの間に先制点を挙げられた。


しかし、現在のベイスターズの強みは、ここで直ぐに取り返せることだろう。


その裏の攻撃で、先頭の7番戸柱恭孝と続く林琢真の連続ヒットがあり、その後打席入った石田健大は一球で送りバントを成功させて一死二、三塁のチャンスを作った。


失点の原因を作った佐野恵太はタイムリーヒットという訳には行かなかったものの、セカンドゴロでサードランナーを還すと言う最低限の仕事はできた。


この攻撃では、林琢真のつなぎのバッティングが大きかった。


無死一塁というこの場面では右方向に引っ張ってファーストランナーを進塁させるのが定石だと思うが、咄嗟の判断で変化球にバットをチョコンと当ててショートの頭上を超える渋いヒットを打った。


いつでもうまく行く訳では無いだろうが、定石だけではなく、自身の技術とその時々のボールへの反応でこう言う臨機応変な対応があっても良いと思う。



【7回表裏の攻防】


6回が終わって1-1の投手戦が続く中、101球と球数が嵩んだ石田健大が先にマウンドを降り、2番手として三嶋一輝がマウンドに上がった。


こう言う展開では得てして2番手投手の出来が試合を左右するものだ。


三嶋投手は最初の打者、赤羽選手をインハイのボール球で空振り三振に打ちとった。明らかにボールだったが、彼のストレートの球威とノビが思わず打者にスイングさせたと言う印象。


続く高梨投手も三振。並木選手にはヒットを許したが、続く好調の濱田選手にはフルカウントからキレのある外角のスライダーを振らせて三振。


結局3つのアウトをいずれも三振で奪う好投で、難病からの復活を強く印象付けた。


三嶋投手のヒーローインタビューのコメントでも、同点という場面でしっかり結果が出せたことの安堵感と本当に復活したという喜びそして家族はじめ支えてくれた人たちへの感謝が滲み出ていた。



彼の手術を担当した第一人者の石井賢医師も、試合後に、


“まずは一安心。


彼のひたむきな努力と、チームを思う強い気持ちがあったからこそ。


同じ病気で苦しむ人にも光明が見えた”


と仰っていた通り、同じ病気で離脱しているドラゴンズの福投手などを励ます投球になった。


そして、この投球のリズムがその裏の逆転劇につながった。


ベイスターズの攻撃は先頭の牧秀悟が変化球に体勢を崩されながらレフト前に運び、その後、桑原将志のバント失敗(と言うよりは高梨投手のバント処理が上手かった)でランナーが入れ替わった後、推しの関根大気がレフト前ヒットで一死一、二塁となった。


ここで、冒頭にも書いたように、戸柱恭孝が代わったばかりの木澤投手から値千金の逆転スリーランをライトスタンドのフェンスギリギリのところに放り込んだ。


打ったボールは真ん中に入ったスライダーあるいはカットボールだったと思う。


失投ではあるが、一発で仕留めた集中力が素晴らしかった。



昨日の伊藤光に続いて、こうして日替わりで捕手が決勝打を放ってヒーローになると言うのはチームにとっても良い流れだと思う。


これでチームは3連勝、ハマスタ8連勝で貯金5。


2位以下に2ゲームの差をつけたため、気の早いスポーツ紙はDeNAが首位固めなどと言う嬉し恥ずかしいことを書いている。


それにしても、首位固めなどと言う言葉は暗黒時代以降ずっとどこか遠い国のことだと思ってきたが、まさか我が社でそう言う状況になろうとはねえ。



第三戦の先発予定は平良拳太郎で、今季2度の登板時はいずれも伊藤光がマスクを被っている。第一戦に続いて、ここでも伊藤光が内助の功を発揮してくれれば、昨年の王者ヤクルトに対してスイープを決めることも現実味を帯びてくる。


頑張れベイスターズ。


みんながそう言うなら首位をガッチリ固めてやろうぜ。