mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

三嶋一輝が今週3勝目! やや不思議の勝ちで6連勝




4月29日 中日の先発は髙橋浩斗と予想していたが、予告先発は今季初登板の松葉。


侍ジャパンでも売り出し中の髙橋投手に比べると松葉投手は与しやすいという印象を持ちがちだが、彼はバンテリンドームでは難敵に変わることを今まで何度か経験してきた。


対するベイスターズの先発は大貫晋一。右肩肉離れの影響で出遅れたが、4月中の復帰を果たした。


前回登板の広島戦では、5回、被安打4、被本塁打1、失点3(自責2)という成績で敗戦投手となった。チームの好調の流れに乗り遅れることなく初勝利を挙げておきたいところだ。



【試合展開と得点経過】


初回のドラゴンズの攻撃。二死まではポンポンとアウトを重ねた大貫だったが、このところ打撃好調の細川成也を警戒したのか歩かせてしまい、続く新たな4番石川昴弥にセンター前ヒットを許す。


二死一、二塁のピンチで踏ん張ることができなかったのは、やはり大貫晋一がまだ本調子ではないということなのだろう。ストレートも変化球もやや高かったように感じた。


高橋周平に0-1からレフトへのタイムリーツーベースを打たれて先制を許す。


3回表には先頭の山本祐大がフォアボールを選び、大貫のバント失敗の後、佐野恵太がセンターへのクリーンヒットを放って一死一、三塁とチャンスが拡大。


続いて打席に入った林拓真は鈍い当たりのサードゴロだったが、それが幸いしてサードから山本が生還し、1-1の同点に追いついた。


しかし、その裏、先頭の岡林勇希が0-2と追い込まれながらレフトへのツーベースで出塁し、一死後、細川成也のセンターへのタイムリーで得点。あっという間に1-2と再び突き放されてしまう。



粘るベイスターズは5回の攻撃で一死から打撃好調の山本祐大がツーベースヒットで出塁。先ほどバントを失敗した大貫晋一のところで今度はバッティングを選択し、レフト前にうまく打ち返すヒットで繋いだ。


一死一、三塁で打席に入った佐野恵太はファーストゴロだったが、その間に三塁から山本祐大が生還し、2-2の同点に追いついた。


それでも今日の大貫は踏ん張りきれなかった。


5回裏先頭の若手捕手味谷選手がセンター前ヒットで出塁すると、松葉の代打ブライト健太のバントを大貫がフィルダースチョイスと悪送球で無死一、三塁と最悪の状況を作ってしまう。


焦りがあるのか、今日の大貫はいつもの落ち着いた投球やフィールディングができていなかったように思う。


1番に戻って岡林がレフトへのタイムリーを放ってまず一点。


さらに大島洋平が送りバントを決めて一死二、三塁となったところで、ベンチは大貫を諦め三嶋一輝をマウンドに送る。


三嶋は細川成也のショートゴロの間に追加点を奪われたが、その後の石川昴弥はライトフライに打ちとって2-4で切り抜けた。



そして、6回表。中日ベンチは松葉に代わって鈴木博志をマウンドに送ったがこの継投が誤算だった。


先頭の宮崎敏郎は三振に倒れたが、続く牧秀悟、桑原将志に連続死球を与えてしまう。


桑原のデッドボールは引いたバットを持つ手をかすめたようで、治療のためベンチに引っ込んだがそのまま神里和毅と交代した。


ただし、試合後のコメントでは、全治3時間ということなので大事なさそう。



鈴木投手の乱調は治らず、続く関根大気にもフォアボールで一死満塁となった。


ここでベンチは今季初登板の谷元圭介にスイッチすることを選択。


しかし、シーズン最初の登板がこの痺れるシーンというのは百戦錬磨の谷元投手にとっても難しいものだっただろう。次打者のソトを0-2と追い込んでから、結局、押出しのフォアボールを与えて3-4としてしまう。


そして、次の山本祐大はきっちりとセンターへの犠牲フライを打って、4-4の同点に追いついた。


ベイスターズの攻勢はまだ続く。二死一、三塁で三嶋に代わった楠本泰史が2-2と追い込まれてからライトへの勝ち越しタイムリーヒットを放ち、とうとう5-4と逆転。



さらに、佐野恵太が初球を思い切り引っ張ると鋭い打球がライトへのタイムリーヒットとなり、ソトの代走京田陽太が二塁から一気に生還して6-4とリードを広げた。


さらにさらに、林拓真の打席でドラゴンズに痛恨のバッテリーミスが出た。高めに伸びてくるストレートに味谷捕手がミットを出したが届かず、ボールはミットをかすめてバックネット裏へ。


この間にサードから楠本が生還して7-4と試合を決定づけた。


その後は6回森原康平、7回ウェンデルケン、8回伊勢大夢、9回山﨑康晃の継投で逃げ切り、7-4のままベイスターズが勝利。山崎康晃は8セーブ目で、リーグ単独トップに躍り出た。


これでチームは6連勝となり、貯金8、19年ぶりとなる4月単独首位を確定させた。


ベイスターズ 7-4 スワローズ


勝 三嶋一輝 3勝 0敗 0S


負 谷元圭介 0勝 1敗 0S


S 山﨑康晃 0勝 1敗 8S



【ビッグイニングを作ることが多くなった気がする】


4月27日のヤクルト戦では、0-4とリードされ、今日は負けかと思っていた6回裏にタイムリーヒット2本と牧秀悟のスリーランホームランで5点を挙げ、一気に逆転した。


この時の攻撃は往年のマシンガン打線の再来のようで、迫力十分のものだった。


そして今日、やはりリードされていた6回に一挙に5点を挙げて試合を決定づけた。


死球二つと四球二つが連続して押し出しで1点を取ったところは相手のミスである。


しかし、経験豊富なドラゴンズ救援陣がこうしたミスをしてしまうのは、昨年来のベイスターズに対する苦手意識に加えて、連勝中のベイスターズから受ける精神的圧力が効いているとも感じた。


そして、その後の犠牲フライ、タイムリーヒット、タイムリーヒットという打線のつながりは、相手のミスに乗じて大量得点に結びつける集中力のなせる技だ。


不思議の勝ち、という言葉がある。


確かに今日の大量得点は運に味方された部分もあっただろう。しかし、幸運で転がり込んだチャンスをモノにできるか否かと言うのは、やはり、チーム全員の必死でつなぐ執念にかかっている。


今のベイスターズは、チーム全員としての熱意と諦めない気持ちが充実している。


どの試合も今日のようにうまくいくとは限らない。いや、何をやってもダメな日もこれからあるだろう。


しかし、それでも、こうしてチーム一丸で勝ちとった逆転勝利の記憶は個人レベルだけではなく組織の集団的な経験知として蓄積され、相手のミスやちょっとした幸運などで打線を爆発させる起爆装置になるのだ。



【ブルペンの安定が連勝を支える】


今日は3点差、昨日は1点差と緊迫した終盤でベイスターズ救援陣が踏ん張りリードを守り切って勝っている。


今回の6連勝を通じて、常に1〜3点差のリードを保ってゲームを終わらせてくれるブルペンの存在が今のベイスターズの強さの一番の要因だと思う。


先日のエスコバーのように、打たれて失点することもある。しかし、その後のマウンドを引き継いだ投手が最小失点で踏み止まり、それを意気に感じた打線がリードを広げる、と言うようにチームで補い合う闘い方ができていることが安定感をもたらしている。


実際、ここしばらく、リードあるいは同点の試合終盤でリリーフ投手が打たれて負けたゲームの記憶が無い。


気になったので少し調べてみると、該当する試合は今季ただ一つ。4月1日の開幕第二戦だった。


京セラドームでの阪神戦で先発の秋山とガゼルマンがそれぞれ打ち込まれ、5-5のまま延長に入った12回裏。


山﨑康晃が二死走者なしまで漕ぎ着け、引き分けで終わるかと思われたその時、ヒット2本とフォアボールであっという間に満塁になり、最後は近本選手のサヨナラタイムリーで敗れた。


あの時は、今年もまた悔しい夜を度々過ごすことになるのかと覚悟したが、あれからちょうど4週間もの長きに渡ってこうした事象は起きていない。


入江、森原、エスコバー、ウェンデルケン、三嶋、伊勢、山﨑と言う勝ちパターン級の7投手をうまくローテーションさせながらやりくりしており、しばらくはこの安定感を維持することができるはずだ。


唯一の懸念材料は左腕が1人しかいないこと、そしてその唯一の左腕リリーバーであるエスコバー投手の調子がなかなか上がらないことだ。



ところで、昨日のイースタンリーグのロッテ戦では、田中健二朗とハマちゃんの2人の左腕がリリーフとして登場し、いずれも三者凡退で抑えてチームの勝利に貢献した。


タナケンは元々そう言う役割なので、調子が十分に上がったと判断されれば一軍に合流し、対左打者の局面を中心に使われると想定できる。


しかし、ハマちゃんはどうなのだろうか?


今季三敗目を喫して抹消されたのが4月20日で、それ以降最初の登板が4-4で迎えた9回表の1イニングと言うのは、先発ローテーション復帰のプロセスとしては考えにくい。


今季のハマちゃんの不調の原因はストレートの球威不足だと思うが、それを克服するために短いイニングで最大出力で投げ込ませること、そして同時に今のブルペンの左腕不足を解消するための方策の一つとして、暫定的であるにせよ、ハマちゃんを中継ぎに転向させようとしているのではないだろうか?


そうだとすると、このところ、石川達也と坂本裕哉の2人を続けて抹消していることも納得できる。そう言えば、以前、石田健大も同じようなアプローチでボールの強さを取り戻したことがあった。


来週早々、タナケンとハマちゃんを中継ぎとして再登録すると言う驚きの公示があるような予感がする(滅多に当たらないけど)。