mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

東MADDUXで7連勝 貯金積み立てコツコツ




先週末から、あるCMソングが無限ループのように頭の中に響いている。


“純金積み立てコツコツ


プラチナ積み立てコツコツ


3,000円からコツコツ”


そう、子供店長こと加藤清史郎さんが出演していた田中貴金属工業のCMの歌です。


私の脳内では、この歌と共にベイスターズが日々コツコツと貯金を増やしているのだ。



と言うわけで、6連勝で貯金8として迎えた4月最後の試合はバンテリンドームでの中日戦の第3戦。


ドラゴンズの先発は近未来の日本のエースとなるであろう髙橋宏斗。簡単に行く相手ではない。


しかし、我が社の先発もトミージョン手術からの完全復活を果たし、既に2勝を挙げている東克樹だ。決して見劣りするものではない。


そして、試合は第一戦(今永昇太 vs. 小笠原慎之介)と同様、緊迫した投手戦となった。



【試合展開と得点経過】


ベイスターズ初回の攻撃は髙橋投手に簡単に三者凡退で抑えられ、一方、その裏の中日の攻撃は先頭の岡林選手が初球をセンター前に打ち返して出塁し、ドラゴンズのペースで進むかと思われた。


しかし、東克樹は巧打者の大島洋平をファーストフライに打ちとると、続く3番細川成也を1球で6-4-3のダブルプレーに仕留め、結果的にこの回を4球で終えた。彼はこれでリズムを掴んだように見えた。


東克樹が前回に勝るとも劣らない投球で2塁も踏ませず順調にアウトを重ねるのに対して、



髙橋投手は昨シーズンの好調時に比べて球威、制球ともにもう一つと言う状態が垣間見えた。


生命線のストレートがシュート回転して甘く入るボールがそこそこあるのだ。


このところすっかり抜け目のない“意識高い系打線”になっているベイスターズの打者たちが、この若きエースの見せた綻びに必死で付け込もうとする。


2回には桑原、関根の連続ヒットとワイルドピッチで二死二、三塁のチャンスを作ったが山本祐大がファーストゴロに倒れて無得点に終わった。


3回にも京田陽太のセンター前ヒットからの盗塁、そして宮﨑敏郎と牧秀悟への連続四球や再びのワイルドピッチなどがあり二死満塁のチャンスとなったが、やはりここも桑原将志がショートゴロに倒れて無得点。


さすがに髙橋浩斗はピンチの場面でギヤを上げて押さえ込むだけの力がある。


しかし、ここまでの展開は、柔道の試合であれば有効のポイントあるいは技ありという判定になっているところだ。


残念ながら柔道ではなく、野球の試合なので全くポイントにはならないのは勿論だが、大きなピンチが何度かあると、髙橋投手とは言え、やはりメンタルは削られ体力的にも消耗する部分はある。


それが形として見えたのが5回表の攻撃だった。


一死から佐野恵太と京田陽太の連打で一死一、二塁となり、ここで中日バッテリーは好調の宮﨑を警戒してフルカウントから歩かせてしまう。


ここで打席に入った4番牧秀悟はこのところ本格的に復調傾向を示しており、1-2と追い込まれてから外角の155km/hのストレートを基本に忠実にセンター返しのヒットとして先制2点タイムリー。2-0とリードした。



試合後のインタビューで、牧自身が甘いボールは一球もなかったと語っていた通り、外角の厳しいコースの速球で、軽打を狙ったコンパクトなスイングが功を奏したと言う印象。


この試合の得点シーンは両軍を通じてこの回だけであり、ドラゴンズはその後、砂田、祖父江、勝野、田島と4投手を注ぎ込んでベイスターズ打線を沈黙させた。


そして、東克樹は後述するようにドラゴンズにセカンドベースすら踏ませることなく、無四球完封勝利を挙げた。しかも、球数は100を切っており、昨年の上茶谷以来のマダックス達成ということになる。


今日の東の成績は、9回、97球、被安打4、奪三振6、与四球0、失点0だった。



ベイスターズ 2-0 ドラゴンズ


勝 東克樹 3勝 0敗 0S


負 髙橋浩斗 1勝 3敗 0S



【京田陽太と牧秀悟が期待に応えた】


京田陽太は古巣との対戦でスタメン出場し、4打数2安打のマルチヒットに盗塁1つ、そして再三にわたって好守で東投手を盛り立てた。



9回裏最後の打者となった大島洋平の三遊間のゴロを深い位置で捕球し、不十分な体勢でファーストに送球してアウトにしたのは彼ならではの素晴らしいプレーだった。


これがセーフになっていたら、次の打者に98球目から対戦することになり、100球を超えてマダックスを逃していたのではないかと思う。


チーム内でもバトルフェイスと呼ばれているという噂があるが、その呼称のきっかけとなった立浪監督にも最高の形で恩返しができたのではないだろうか。


ドラゴンズに移籍した砂田投手や細川選手もそれぞれこのカードで活躍しており、この2チーム間の選手の移動はこれまでのところ成功だったと言って良いだろう。


一時はプロ入り後最大の不調に喘いでいた牧秀悟だったが。今週はかなり復調の目処が立ってきた。


25日からの横浜スタジアムでのヤクルト3連戦では、火曜日に4打数2安打打点1、水曜日に3打数1安打1打点、木曜日には逆転スリーランを放って大逆転劇の基盤を作った。


28日からのバンテリンドームでも金曜日に唯一の得点をタイムリーで挙げ、そして今日の決勝打となった5回の2点タイムリーに続く。


これで、今週は8打点を挙げ、宮﨑敏郎と並んで打点部門でリーグ3位タイに浮上した。


今シーズン、牧が打点を挙げた8試合の全てでチームが勝利していることからも分かる通り、やはり4番としての貢献度は高い。


これから復調してさらに彼らしい勝負強いバッティングを見せてくれることだろう。



【東貴博が東MAXであるならば、東克樹は東MADDUXである】


今日の東克樹はストレートの球速表示が140キロ台半ばから後半というところだったが、その数値よりもはるかに威力があるように見えた。そして制球が素晴らしい。


このストレートを軸にして、スライダーやチェンジアップを低めに投げ切り、ストライクゾーンで勝負して早めにバッターを追い込むというチーム方針通りの投球ができていた。


無四球完封でマダックス達成。


これで、彼のトミージョン手術からの完全復活を願っていた関係者や我々ファン一同は大願成就と言って良いと思う(勿論、その先にはチームの優勝というさらに大きな目標がある訳だが)。


ところで、お笑いの東貴博さんは東MAXと呼ばれている。



私は常々これだとアズママックスとなってマが一つ余分なのではないかと思っていたのだが、これだけ一般に広く受け入れられている呼び名に文句をつけるのは無粋というものだ。


そして、同じ流儀で東克樹にあだ名をつけるとすれば、当然、


東MADDUX


とすべきだと私は考える。


余談はさておき、2020年春のトミージョン手術以降、東投手が痛みと不安に耐えながら長いリハビリを続け、その後も昨シーズンは年間を通して彼らしくない投球を続けざるを得なかった時期、出口の見えないトンネルの中にいるように思ったこともあったと思う。


しかし、その長い苦難の旅はようやく終点に至り、これからは新しい靱帯と新しい投球フォームで再びリーグを席巻する戦いが始まる。


私は彼の栄光に満ちたその戦いがチームの悲願の優勝というサクセスストーリーの要の部分になると信じている。