mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

荒れた試合を勝ち切った 野球小僧とヤレバデキル!




5月20日 牧秀悟、佐野恵太、宮﨑敏郎の主力3選手がデッドボールを喰らい、3人目となった宮﨑敏郎が投手に向かって何か吠えた。この回だけでも、佐野に続いて2人目の死球だった。


当たりどころによっては大怪我になりかねない硬球を当て放題にされては堪らないので、この宮﨑の行動は理解出来る。


そして、ヤクルトの村上選手やベイスターズの田中コーチが間に入り、宮﨑は冷静にファーストに向かい鎮静化するように見えた。


しかしこの時、ヤクルトベンチから森岡コーチが激昂して走り出したことで、両軍入り混じっての揉み合いになったように見えた。


この結果、両軍に対して警告試合とすることが主審から告げられた。


昨年も森岡コーチは報復を煽るような発言があったので、落ち着いて欲しい。乱闘が好きなのだろうか?




・・・と言う荒れた試合だったが、試合後に三浦監督がコメントしたように、選手たちは落ち着いてゲームに集中し、しっかりと3連勝を飾ってくれた。


こう言う試合だからこそ、落ち着いて勝ち切ることが大事だった。



ベイスターズ 5 - 3 スワローズ


勝 ウェンデルケン 1勝 0敗 0S
敗 石山泰稚 3勝 3敗 0S
S 山﨑康晃 0勝 3敗11S


本塁打 内山壮真3号(4回表2ラン)



【東克樹の好投以来、投手陣は落ち着きを取り戻した】


6連敗中は先発投手が序盤で大量失点するゲームが続き、投手陣が全体として少しパニックになっているように見えたが、一昨日の東の好投から、それぞれがやるべきことをやれば良いと言う落ち着きが戻って来たように思う。


先発のガゼルマン投手は初回からストレート系のボールが走っており、丁寧にコースをつく投球ができていた。


しかし、ヤクルトの打者たちは粘り、なかなかアウトになってくれない。


先頭の塩見選手は7球粘ってセンター前の嫌なところにフライを打ったが、これは桑原将志が反応良く前進して好捕。


一死後、2番青木宣親は9球粘ってフォアボール。


3番山田哲人にレフトフェンス直撃のシングルヒット(当たりが良すぎた)を打たれて一、三塁のピンチになったが、4番村上宗隆は2-2からの6球目で空振り三振に打ちとった。


二死になっても5番サンタナがさらに粘る。


結局、フルカウントからの12球目の外角の変化球に対してバットを出しかけたのがスイング判定となり三振。


初回だけで実に36球を要したが、ガゼルマン投手は決して粘り負けしなかった。これが今日の勝利の一つ目の大きな分岐点だったと思う。


しかし、味方が2点先制してくれた直後の4回表、四球のオスナ選手を一塁に置いて、好調の内山選手に同点ツーランを許してしまう。


1-0から2球目の変化球が真ん中高めに浮いてしまい、ジャストミートされた。


明らかな失投であり、これさえ無ければガゼルマン投手に勝ちがつくような試合展開になる可能性が高かったと思う。


ガゼルマン投手は投手としては打率も出塁率も高く、今日も3回裏に四球で出塁し、先制のホームを踏んだが、出塁した次の回に打たれることが多いように思う。


たまたまかも知れないが、気持ちの切り替えや次の回に向けた準備などをもう一度見直して欲しい。



ガゼルマンが2-2のまま5回で降板すると、三嶋一輝、ウェンデルケン、伊勢大夢が8回まで無失点で抑えた。三嶋と伊勢にはホールドが記録され、ウェンデルケンは来日初勝利を掴んだ。


6連敗中もその後もウェンデルケン投手はずっと無失点の投球を続けており、その安定感から三浦監督の信頼を勝ちとっていることが試合後の監督談話からもうかがえる。



後述するように、彼らの好投で守りからリズムを掴み、7回にヤクルトを突き放す2点を挙げることが出来たわけで、やはりリリーバーの安定感は我が社の最大のストロングポイントの一つだと思う。


3点差で迎えた9回表、山﨑康晃がフォアボールとヒット2本で1点を失うものの、最後の打者青木宣親を6-4-3のダブルプレーに打ちとりゲームセット。


タイムリーを放った代打川端慎吾はさすがだったが、打たれた山﨑のツーシームもやや高かった。この回の2本のヒットはいずれも初球を狙われており、配球も含めて反省が必要と感じた。


初勝利のウェンデルケン投手はヒーローインタビューにも呼ばれ、仲の良い入江大生に教わった


“ヤレバデキル!”


と言う日本語のフレーズを叫んで幸せそうだった。これはお笑い芸人で独立リーグのプロ野球選手でもあるティモンディ高岸さんのセリフからとったのだろうか?


そう言えば、先日も“ねばる”と言う言葉を書いたボールを持って微笑んでいるウェンデルケンの写真がアップされていたっけ。




【関根大気は野球小僧だった】


今シーズン覚醒した選手の筆頭といえば文句なく関根大気だろう。


今日の試合終了時点での成績は以下の通り。


打率 .371、本塁打1、打点15、出塁率 .426、得点圏打率 .419、盗塁2、OPS 0.910


打率 .371はカープの秋山選手を抜き、宮﨑敏郎に次ぐリーグ2位だ。


そして、積極的な走塁やセーフティバントなども含めると、上記の数字以上にチームに貢献している印象がある。


苦労人の彼がやっと開花してくれたことは本当に嬉しいし、このままシーズンを駆け抜けてくれることを願っている。


今日の試合では、まず、3回裏二死二塁の場面で好投を続けるピーターズ投手に対してフルカウントまで粘り、8球目をややつまりながらセンター前に落として先制点を挙げた。



この際、センターの塩見選手がボールをファンブルする間に抜け目なくセカンドにまで達したのは関根選手の真骨頂だろう。


結局、この走塁が次の宮﨑選手のレフト前ヒットによる2点目をもたらすこととなった。


そして、試合を決めた7回裏の攻撃では、冒頭に述べた佐野恵太のデッドボールなどもあり一死満塁のチャンスで冷静に打席に集中して2点タイムリーツーベースを放った。


この打席に入る前、彼自身は何とか犠牲フライを、と思っていたようだが、それを察した石井琢朗コーチが普段通りで良いよ、と言ってくれたそうで、その言葉が背中を押した。


2-1からヤクルト3番手の石山泰稚が投じたストレートは逆球となりキャッチャーの要求した外角ではなく真ん中やや内寄りに甘く入った。


このボールを見逃さず思い切り引っ張った関根の打球はファーストのオスナ選手の脇を抜けライト線に転がって行った。


ライトのサンタナはこのゴロに追いついていたが、彼の守備がやや緩慢なことを見逃さず、関根はここでも迷わずセカンドに駆け込んだ。


走攻守にわたっていつも元気に駆け回っている関根選手を見て、ああ、こう言うのを野球小僧って言うんだなあ、と私は思った。


その野球小僧は、ヒーローインタビューではいつも通り落ち着いてしっかりとした受け答えをしていた。


自分が活躍できるともちろん嬉しい。でも、ファンの皆さんが喜んでくれるのを見ると、それが何倍にも大きくなる、と感謝の気持ちを彼らしい素直で誠実な言葉で表現した。


メディアトレーニングが進み、ややパターン化した発言も見られる中、こうした自分自身の言葉を選んで適切に自分の考えを表現できるのも関根選手の優れた資質だと思う。


一時は戦力外の可能性も巷で囁かれていたこの遅咲きの苦労人が、これから先、出来るだけ長く野球小僧として活躍し、本人と私たちの両方を喜ばせてくれることを願ってやまない。