mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

大貫晋一のプロ初完封は未遂に終わったが連敗脱出




5月28日 昨日のブログにも書いた通り、今週はここまで1勝4敗と結果が出ていないが、先発投手たちはしっかりと試合を作ってきており、打線がそこそこ機能してくれれば勝てる下地はできている。


その流れを受けて今日の先発大貫晋一は彼らしく相手バッターに的を絞らせないピッチングをしてくれた。


初回はベルトあたりの高さに行くボールもあり、前回の登板となった5月20日イースタンリーグのロッテ戦(6回、被安打7、与四死球3、奪三振2、失点2)のように打ち込まれる懸念があった。


実際、先頭打者の岡林選手には2球目をライト前に運ばれ出塁を許したが、続く大島選手を高めのストレートで外野フライに打ちとり、内角高めのボールを詰まらせて細川成也を6-4-3のダブルプレーに抑えてから調子に乗って行った。



その後はストレートと変化球を低めに集め、また、時に高めのボールとなるストレートを釣り球に使って危なげなく打者と対峙することができていた。


良い当たりは4回に石川昴弥に打たれたライトフェンス直撃のツーベースのみ。


しかしこれは危なかった。


フェンスの一番上のところに当たってツーベースで済んだが、あと数十センチ上だったらホームランだ。あの当たりがスタンドに入っていたら試合展開は変わっていたかも知れない。


打線はドラゴンズ先発の髙橋宏斗投手に序盤は完全に牛耳られていたが、5回表に京田陽太が一死から150キロオーバーのストレートをセンター前に弾き返して出塁すると、そこからチャンスが広がった。


続く戸柱恭孝はファーストゴロで併殺かと思われたが、ビシエド選手から2塁カバーに入ったショート村松選手への送球が大きく左に逸れてしまい、村松は何とか捕球したものの足が完全にベースから離れてしまいセーフ。労せずして無死一、二塁の好機となった。


そして8番林琢真は髙橋宏斗の外角の直球を逆らわずに左方向に打ち、三遊間を破るヒット。


レフトが前進守備だったためにタイムリーとはならなかったが、このところやや燻っていた新人の林選手には嬉しいヒットとなった。


大貫は予定調和的に三振に倒れて二死満塁となったが、ここで佐野恵太が打席に入ると髙橋宏斗の投球に力みが見られ、ストレートのフォアボールで彼にとっては痛恨の押し出しとなった。


これで1点を先制したが、このところ4試合続けて一点差ゲームに敗れているベイスターズとしてはどうしても追加点が欲しい。


そして、おあつらえ向きに、次の打席には関根大気が入る。


髙橋投手が脚を上げて第一球の投球動作に入った時点で打席を外し主審に何かをアピールしていた。セットモーションで髙橋投手が完全静止していないと言う指摘だったと思う。


髙橋投手はWBCの時からこの癖を指摘されていたので、今日の関根の主張も恐らくそのことだったのだろう。


少し穿った見方かも知れないが、タイムが認められずストライクコールになることを承知の上で、関根は敢えてこのタイミングで主張を行ったのではないだろうか?


満塁のピンチで押し出しで先制を許してしまい動揺している若い髙橋投手に対して、本人も自覚しているセットモーションの問題を指摘するとさらにストレスがかかることを見抜いていたのかも知れない。


この心理戦がどの程度効果的だったかは分からないが、関根は髙橋宏斗が2-2から投じた5球目のツーシームを少しタメてレフトへと運び、これが2点タイムリーヒットとなって3-0とリードを拡げた。



5月に入って、関根が勝負を決める働きをすることが目立ってきた。大味と言われることが多かったベイスターズ打線にあって、こうした玄人好みの活躍ができる選手がしっかりと自己主張できているのは大変に心強い。


リードをもらった大貫晋一は、桑原将志がセンター前に落ちようかという浅いフライを飛び込んで捕球するファインプレーにも助けられ、5回から8回まで一人の走者も出さずに無失点ピッチングを続けた。


そして、自身初となる完封を目指して、9回のマウンドにも上がった。この時点で球数は105。


大貫の場合、比較的早めに2番手を送る傾向のある三浦監督としては我慢の起用だったと思う。


しかし、先頭の代打鵜飼選手にレフトへのヒットを打たれてしまう。


その後、岡林選手をセンターフライ、苦手の大島洋平を三振に打ちとり、行けるか、と思われたがこのカード絶好調の細川成也にセンター前に打ち返されてしまった。


セカンドの牧秀悟が飛びついてグラブに当てたのだが、それで打球方向が変わった分だけセンターのバックアップが遅れ、ファーストランナーの鵜飼はサードまで進んでしまっていた。


ここで球数117となり、大貫にタイミングの合っていた石川昴弥が次打者ということもあって、三浦監督がベンチから出てきて投手交代を告げた。


大貫は大いに悔しそうだったが仕方ない。


チームが4連敗中ということで余裕がなく、どうしても勝たなくてはならないということで大貫には酷な采配となった。試合後には指揮官から労いの言葉とフォローがあったようだ。



試合後のヒーローインタビューでこの交代について聞かれると、大貫は悔しさを飲み込んで、もっと頑張ります、と前向きに答えていた。


いいぞ、大貫!


マウンドを引き継いだ山﨑康晃は5月21日以来7日ぶりの登板で二死一、三塁というタフな場面に直面した。


初球を捉えた石川選手の打球は山﨑康晃の足を直撃する内野安打となり、その間にサードランナーの鵜飼選手が生還して1点を返され、尚も二死一、二塁でビシエド選手を打席に迎える。


しかし、ここは山﨑康晃が踏ん張ってビシエドをバットの先端で引っ掛けたセカンドゴロに打ちとりゲームセット。


ずいぶん長く感じた連敗からやっと脱出することができた。


連敗のまま交流戦を迎えるのは宜しくないと考える一方、今日のドラゴンズの先発が若手ナンバーワンの髙橋宏斗投手なのでやむを得ないかと思っていたが、何とか勝つことができた。


この勢いを活かして、火曜日からの楽天戦でまずは勝ち越しを狙いたい。


そのためにも初戦は非常に重要だ。


初戦に先発予定の今永昇太が今週の流れを引き継いでロースコアのゲームに持ち込んでくれれば、十分に勝機はある。