1年前、トレバー・バウアーがハマスタでマグロを抱えていることを誰が予想できただろうか
昨日の試合は台風の影響で中止となったが、このカードはGet the flag! Series 2023と銘打ってこのために来日したロバート・ローズさんを始め1998年優勝時の選手たちが集結して試合前のセレモニーを行った。
日本一となった時のマウンドにいた佐々木主浩さんが西武OBの金村さんを打ち取るというシーンを再現し、スタンドから拍手喝采を浴びた。
現在のチームの選手たちも今日の試合は98年優勝時のユニフォームを身につけて出場。その甲斐あってか、打線は一昨日の大勝の勢いを継続し、10安打6得点でライオンズに打ち勝つことができた。
そして、攻撃のリズムを作ったのは、やはり一昨日の東克樹と同様、先発投手の好投だった。
ベイスターズの先発投手は前回の中日戦で6回2失点と復調の兆しを見せていたトレバー・バウアー。今日も前回と同じくソロホームラン2本のみで2失点と言う結果だった。
6月3日 横浜スタジアム
ベイスターズ 6 - 3 ライオンズ
勝 T. バウアー 2勝2敗 0S
負 髙橋光成 4勝 2敗 0S
本塁打 外崎修汰 8号(4回表ソロ)、平沼翔太 1号(8回表ソロ)
【久しぶりに打線のつながりが出て来た】
ライオンズの先発は今日の試合開始時点でパリーグの防御率トップだった髙橋光成。
力強いストレートとスプリットやスライダーなどの変化球が売り物の好投手で前回対戦では関根大気のタイムリーで挙げた1点を大貫からの完封リレーで守りきってベイスターズが勝利した。
大量得点は望めない相手に対して、2回裏の攻撃で打線が攻め込んだ。
先頭のタイラー・オースティンがライト右のヒットで積極的に走塁しツーベース。
続く桑原もヒットで無死一、三塁としたが、盗塁失敗で一死三塁。
嫌な流れになったところで7番京田陽太が髙橋の2球目、外角高めのストレートを左におっつけて三遊間を破り先制点を挙げた。試合の流れを掴むと言う意味では、この一打は非常に重要だったと思う。
外崎のソロホームランで1-1に追いつかれた後、5回裏も京田陽太がインハイのカットボールをライト前に運んで先頭打者が出塁。
続く伊藤光がフォアボールを選び、続くバウアーのバントに対して髙橋投手がフィルダースチョイスをおかして無死満塁のチャンスとなった。
ここで、最近ファーストゴロ地獄の住人となっている佐野恵太が打席に入り、初球、真ん中に入ったスライダーを通常通りの右方向へ引っ張るが、今日は打球速度とコースが良く一塁手の右をゴロで抜ける2点タイムリーヒットとなった。
なおも無死一、三塁のチャンスで得点圏打率4割超の関根大気がフルカウントから7球目のストライクゾーンに来たスプリットを狙いすまして大きく開いた三遊間に運んだ。
これもタイムリーとなって4-1と再びリードを奪うことに成功した。
さらに7回にはライオンズの2番手ボー・タカハシ(髙橋リレーだったんですね、今気がついた)から先頭の佐野恵太がフォアボールで出塁し、続く関根大気が粘りに粘ってフルカウントからの9球目インハイのボールを思い切り引っ張ってツーベース。
無死二、三塁となって、宮﨑敏郎、牧秀悟の連続犠牲フライで2点を追加し6-1とリードを広げて試合の趨勢を決めた。
ここでも、宮﨑の犠牲フライでタッチアップしてサードまで進んだ関根の判断と好走塁が2点目につながった。
京田陽太は、本人が3年ぶりくらい、と言う久しぶりの4安打で打率が .250へと急上昇。一気にショートレギュラーでも良いと思わせる水準に上げて来た。
上述の通り大活躍だった関根大気もマルチヒットで打率 353となり、宮﨑に次いでリーグ2位。
オースティンの復活は疑いの余地もなくなり、宮﨑と牧にも打点がつくなど打線に関してはほぼ思い通りに機能したと言えるだろう。
反省すべき点があるとすれば、2回の桑原の盗塁失敗積極的に盗塁を仕掛けること自体は良いと思うが、スタートが悪すぎた。技術面で改善が必要だと思う。
【トレバー・バウアーのピッチングは明らかに改善されてきた】
今日のバウアー投手の投球内容は以下の通り。
8回、109球、被安打3、奪三振10、与四球3、失点2
1回目の登板以来のHQSを達成した。
初回はやや慎重になり過ぎたのか先頭の源田選手と川越選手を連続四球で歩かせ、どうなることかと思われたが、3番の外崎選手を素晴らしいアウトローのストレートで見逃し三振に打ちとり、さらに2塁走者の源田選手をピックオフプレーでアウトにして安定したように見えた。
試合後のバウアーのコメントでもこのプレーは大きかったとのこと。
二死二塁から渡辺選手を空振り三振に抑えて無失点で切り抜け、その後、毎回の10奪三振、被安打わずかに3本と好投を続けた。
今日のピッチングはストレート、変化球ともに全体として低めに集められており、高めのストレートはあえて狙ったボールだったと思う。
こうしたコンビネーションがしっかりとできれば、やはり、そうは打たれないのではないだろうか。
3本のヒットのうち2本がソロホームランだったと言う点が今後の課題。
これで29イニングを投げて被本塁打9という飛翔癖を見せている。
外崎選手に打たれたストレートも平沼選手に打たれた変化球も真ん中に入るボールで、走者なしの平常時で一発被弾と言う失投を確実に防ぐような工夫が必要になるだろう。
バウアー投手自身も今日の試合前にホームランを打たれないことが目標と言っていたがその課題は次回登板持ち越しとなった。
ヒーローインタビューはHQSで勝利投手となったトレバー・バウアー、勝利打点の佐野恵太、そして4安打の京田陽太の3人が選ばれ、マルハニチロからのヒーロー賞としてマグロを貰っていた。
それにしても、トレバー・バウアーがサイ・ヤング賞を受賞した時、数年後に彼がベイスターズの一員としてハマスタでマグロを抱えていることを誰が想像できただろうか?
“予想外の人生になっても、そのとき幸せだったらいいんじゃないかな”
松岡修造
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