あっ橋から落ちた、と思ったら実はバンジージャンプだった時ってこんな感じ?
今日はついに断行した打線の組み替えが奏功して初回から得点を重ね、5回表までは6-0とリードしていたが、終盤ホークスの怒涛の追い上げにあい、最後は一打逆転サヨナラの場面でクローザーがなんとか踏ん張り6-5という薄氷の勝利をものにした。
全国300万人(当社調べ)のベイスターズファンの寿命が1年(のべ300万年)縮んだ夜だった。
6月8日 福岡PayPayドーム
ベイスターズ 6 - 5 ホークス
勝 東克樹 6勝2敗0S
負 森唯斗 1勝1敗0S
S 山﨑康晃0勝3敗14S
本塁打 栗原陵矢7号(5回裏2ラン)、近藤健介6号(8回裏2ラン)
【やはりベイスターズはパリーグ投手の再生工場ではなかった】
今日は大幅に打線を変更して連敗脱出を目指すベイスターズ。
1番 梶原昴希(ライト)
2番 関根大気(レフト)
3番 佐野恵太(ファースト)
4番 牧秀悟(セカンド)
5番 T. オースティン(DH)
6番 桑原将志(センター)
7番 京田陽太(ショート)
8番 山本祐大(キャッチャー)
9番 林琢真(サード)
宮﨑敏郎はお疲れ休み(と思ったら練習中に背中から脇腹にかけて違和感があり病院に行ったとのこと。これはまずい)、ソトはスタメンから外れた(昨日のエラーのこともあったかも知れない)。
ホークスの先発は5月10日以来ほぼ1ヶ月ぶりの一軍登板となった森唯斗投手。かつてのクローザーとしての活躍の印象が強いが、最近は先発に転向していたらしい。
その森投手は久しぶりの登板しかも慣れない先発ということで力が入っていたように見えた。
1番の梶原昴希は1球でセカンドゴロに仕留めたが、関根大気を四球で歩かせると久しぶりに3番に入った佐野恵太がセンター前にヒットを放って一死一、三塁のチャンスを作った。
ここで、4番牧秀悟、5番オースティンの連続タイムリーで2-0とリードすると、続く桑原将志のショートゴロの間に1点を追加して3-0と幸先の良いスタートを切った。
3回にもヒットの関根を一塁において牧秀悟がセンター左へのツーベースで一死二、三塁とすると、オースティンがライトへ大きな犠牲フライを打って4点目。
さらに、二死三塁の場面で桑原がレフトへのタイムリーで5-0とした。
5回にも無死満塁でオースティンのショートゴロの間にサードランナーの関根がホームに還り6-0とリードを広げた。
久々に打線がつながり、今日は良い勝ち方ができそうだと思っていた。この時点までは。
【東のピッチングは彼らしかったのか、らしくなかったのか】
初回に3点もらった東克樹は立ち上がり抜けるボールが多く、先頭の中村晃選手を四球で歩かせたが、その後の2番から4番を打ちとり、落ち着いた。
2回は2安打を許したが、ここぞと言うところでチェンジアップが決まりダブルプレーをとれたことが大きかった。ここも無失点で切り抜ける。
その後、3回と4回はストライクゾーンで勝負して三者凡退。ストレートの力があり、バッターを押し込むことができていた。
しかし、調子が出てきたかという5回、先頭の野村選手にヒットを許すと、続く栗原陵矢選手に真ん中のストレートをライトスタンドに運ばれた。
6-2となったが、まあ大丈夫だろうと思っていた。この時は。
その後、変化球主体に切り替えて6回と7回を無失点で抑えたのは東克樹らしいピッチングだった。
しかし、8回先頭の代打野村選手にヒットを打たれると投球が一変した。
次打者の中村選手に対してボールがとんでもない高めに抜け、ストライクが入らない。
結局、3-1から歩かせて無死一、二塁のピンチでマウンドを降りたが、これは東らしくない。本人も悔しかっただろう。
2番手の伊勢大夢は非常に厳しい局面で今宮健太を5-4-3のダブルプレーに打ちとり、二死三塁まで漕ぎつけたが、次の近藤健介選手を追い込みながらも6球粘られ、最後は浮いたフォークボールを捉えられてツーランホームランを打たれた。
これで6-4。それでも、まあ何とかなるだろうと思っていた。この時も。
【地面に激突する直前でロープは伸び切った】
9回裏、6-4のセーブシチュエーションとなって山﨑康晃がマウンドへ。
この時、楽勝のはずが追い上げをくらった全国のベイスターズファンは内心の動揺を隠しつつ、クローザーなんだからきっと抑えてくれるだろう、と自分に言い聞かせていた。
しかし、何となく予想していた通り、先頭の牧原選手はショートへの内野安打で出塁し、続く柳町選手はストレートのフォアボールで歩かせてしまう。
無死一、二塁で打席には先程ツーランホームランを打たれた栗原選手が入り、我々は声が出なくなった。
まさかとは思うが、6-0からの逆転サヨナラ負けはまずい。そうなると大型連敗につながる可能性が高いということは経験的にわかる。
しかし、その懸念を裏付けるように栗原選手はフルカウントで粘り8球目をライト前に運ぶタイムリーヒット。とうとう6-5と1点差に迫られた。
しかも、守備固めでライトに入った神里がファンブルし、一、三塁となってしまった。
最終回、1点差に迫られ、なおノーアウト一、三塁の絶対絶命のピンチと言うか、これはもう終わったようなもんだろうと言う場面。
この時、私は高い橋の上からはるか下に見える真っ黒な水面に吸い込まれるように落ちて行く自分の姿が見えた。
ああ、こうなる前に冷凍庫のチョコモナカジャンボを食べておけば良かった。でも、もうお遅い。
しかし、野球というのは分からないものだ。
この後、急に正気を取り戻したヤマちゃんは谷川原選手をセカンドゴロ、野村選手を空振り三振に打ちとり、何とかツーアウトまで漕ぎつけた。
ひょっとするとこのまま抑えられるかも知れない。
私は名前も知らない神様(村神様でないことだけは確か)に祈った。
もし、ここでヤマちゃんが中村晃を抑えて勝つことができたら、私は大好物の田村町新生堂の切腹最中を断ちます。だから、何とかしてください、お願いします。
すると、何ということでしょう。中村選手の打球は平凡なショートゴロとなり、京田陽太が冷静にさばいてアウトにしたではないですか。
これでゲームセット。ギリギリの勝利を掴むことができた。
私には、橋から落ちた私自身が、暗い水面に届く直前に脚を縛っていたロープが限界まで伸び、その反力で跳ね上がって行く姿が見えた。
ああ、助かった。
今度ヤマちゃんが失点するまでは本当に切腹最中は控えるようにしようっと。
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