mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

若手投手の制球力と牧秀悟の未来(再び)

10月2日 対ジャイアンツ(東京ドーム) 4-5 負け


昨日に続いて僅差の敗戦だ。勝敗を無視すれば良いゲームだったと思う。


しかし、若手投手の制球力については、少しもったいない気がした。


メジャーリーグでは、投手の制球力について、コントロールとコマンドという二つの指標を区別して使う、という話を聞いたことがある。


私の理解では、コントロールというのは高い確度でストライクをとることのできる能力であり、必要な時に確実にストライクが取れる、と言っても良いのかもしれない。一方、コマンドというのは一定以上の確率で狙ったポイントに投げ切れる能力のことを意味しているようだ。


今日の京山投手は、コントロールはある程度あるのだが、コマンドの面がうまく行かず、決めに行った投球がボールとなることが多かったように見えた(勿論、球審との相性もあるだろうが)。そして、やや漠然とストライクをとりにいったところを痛打された。


一方、櫻井投手は以前からあまり制球が良くない印象だったが、今日は一定レベルのコマンド能力を発揮していたように思う。ただ、確実なコントロールという面ではもの足りず、特に、非常に勿体ない暴投で無死一塁の走者を三塁まで進めてしまった。そして、いやな予感通り、そこからの犠牲フライで決勝点を献上してしまった。


京山投手と櫻井投手は、その後に出てきた平田投手と比較すると、投手としての経験や精神年齢の点でまだまだ学ぶことが多いように感じた。

振り返って見ると、平田投手が大卒社会人として入団した2014年、一部のファンに有名な5-0から1イニングで10点取られたいわゆる五点差が五点差事件の発端になったのは彼だったと記憶している。そう言えば、あの時の対戦相手もジャイアンツだった。

私はその試合を横浜スタジアムで観ていたが、最初は「いいよいいよ未だ大丈夫だ」と言っていた前の席のおじさんがだんだん静かになるのが悲しかった。平田投手は、あれから幾多の修羅場をくぐって、大人のピッチャーになったのだと思う。


だから、京山も櫻井もこれから痺れるような経験を何度もして、きっと、相手も一目置くような投手になっていってくれるだろうと思う。


そして、牧秀悟だ。


昨日の記事でも書いたように、昨夜の試合では、7回表に中川投手から喫したダブルプレーがはっきりとした試合の潮目になった。私は、彼がこの失敗を糧として成長することを信じていた。


試合序盤で凡退した時、ベンチに戻って悔しそうに目を閉じて上を向く牧の顔がたまたまテレビ画面でアップになった。そしてほんの1秒後にはすぐに視線を膝の上に落としてメモを取っているように見えた。やはり、彼は正しい資質を持っている。これからもどんどん成長していくことだろう。


そして、7回表二死走者なしの場面で昨日と同じ中川との対戦となった。牧は、昨日凡退した初球の外角シュートを見逃して、次のほぼ同じコースのスライダーをライトに打ち返した。もう少しで長打になるかという良いあたりだった。


今日登場したこの三人の若者達は、これからも命がけで野球を学び、命がけの勝負を演じていってくれるものと思う。今から楽しみでならない。


最後に、私の畏敬するドサ健(阿佐田哲也さんの麻雀放浪記の登場人物です)が、高額の賭け麻雀に負けて一文無しになり、家の権利書も叩き売り、切っても切れない間柄の恋人も女衒に渡した時に、彼女に語る言葉をこの三人の若者達に送りたいと思う(彼らの目にとまることは無いだろうが)。


「俺たちゃこれで生きてるんだ。死ぬまでやるのさ。負けるってのは、つまり死ぬときのことなんだ。」