mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

蝦名達夫の輝きと帽子を触らなくなった石田健大





ドラゴンズとのカード第三戦は開幕以来4試合でわずか2失点の涌井秀章投手と今季初先発の石田健大投手のマッチアップ。


涌井から大量得点は期待できないので、石田が踏ん張ってロースコアの勝負に持ち込めれば、と思っていたが、そんな予想は完全に裏切られた。


初回、先頭打者の桑原将志が初球をきれいにセンター前に弾き返すと、続く蝦名達夫も2球目を打って同じようなセンター前へのクリーンヒット。



3番の佐野恵太は1-2と追い込まれたが、4球目の変化球で体勢を崩されながらセンター前にポトリと落ちるヒット。


チャージしたセンターの上林選手がボールを弾く隙を見逃さず、桑原は一気にサードを回って生還した。


百戦錬磨の涌井投手ですら立ち上がりにヒットを続けられると焦るのだろうか。


次の4番牧秀悟への初球は真ん中に入る甘いストレート。


牧は軽くスイングしたように見えたが、打った瞬間にそれとわかる打球は広いバンテリンドームのレフトスタンド中段に飛び込むスリーランホームラン。



わずか8球で4得点というロケットスタートを見せてくれた。


さらに、5番宮﨑敏郎がこれまた初球を捉えてフェンス直撃のツーベースヒット。


6番に入った京田陽太の内野安打とその後の盗塁、そして関根の四球で一死満塁と再び大きなチャンスを作った。


石田健大は三振に倒れ二死満塁となったが、早くも2打席目が回ってきた桑原の2点タイムリーと同じく蝦名のタイムリーヒットで3点追加。


7-0とリードを広げたところで涌井は降板。


続く佐野恵太は2番手の梅野投手もとらえてライト右への2点タイムリーツーベース。


初回の攻撃で9点を挙げたのはベイスターズとしては28年ぶりとのこと。


ベイスターズ打線は3回にも猛威を奮った。


ヒットの関根大気と桑原将志を一、三塁において、蝦名達夫がこの日早くも猛打賞となる3本目のヒットで1点追加。


佐野が倒れて二死一、二塁となったところで、牧秀悟が梅野の高めのボールを見逃さず左中間を深々と破る2点タイムリーツーベース。


この回3点を追加して12-0となり、完全にダメを押した形となった。


さて、こういう大量得点の試合では、乱打戦となって荒れた展開となることがままある。


もうベテランと言っても良い石田健大がこの試合をどうやって落ち着かせるのか、私はその点に注目しつつ彼の投球を見守っていた。


先日、石田が先発したイースタンリーグの試合を見ていて気がついたのだが、投球間隔は短く、ポンポンと投げ込んでいく。


そう、以前のように両腕で帽子を挟んだり、モジモジと庇に手をやったり、などと言う余分な動作が無くなり、サインが決まるとサッと構えて直ぐに投げ込む。


1軍での初めての登板となった今日のマウンドでも、イースタンの時と同じようにテンポよく投げ込んでいった。


そして、概ねストライクゾーンで勝負できていた。



聞けば、イースタンリーグの試合で一緒になった筒香嘉智から怖がらずにゾーンで勝負していくべきだ、と言うアドバイスを貰ったそうで、その影響もあったのだろう。


9点の援護をもらった初回の投球では、丁寧なピッチングと大胆な攻めを上手く同居させていたと思う。


好調の山本選手にはヒットを許したが、その他の打者に対しては3球以内で追い込むと言う攻めの投球ができており、内野ゴロと外野フライに打ちとった。


今日の快勝は、初回の打線爆発に加えてその裏石田健大の冷静な投球がもたらしたものと言って良いだろう。


石田は2回、3回も無失点で切り抜け、12-0の大量リードをバックにベイスターズの優位を決定づけてくれた。


今日はベンチの中田翔に代わって4番に入った細川成也に4回一死走者無しからソロホームランを打たれたが、それ以外は危なげなく7回まで投げ切った。


7回、100球、被安打6、奪三振7、与四球0、失点1のHQSで今季の初勝利を挙げた。


来週は月曜日と水曜日に横浜でヤクルトと連戦する変則的なカードだが、水曜日には中6日で石田の出番が回ってくるだろう。


オスナ、村上、サンタナ、山田哲人と並ぶヤクルト打線は強力だが、今日のように丁寧な攻めのピッチングを見せてくれれば十分に勝機はある。



今日の蝦名達夫は自身初めての猛打賞、さらに第四打席でもヒットを放ち4本のかため打ち。


これで4月29日の今季初出場以来、11打数8安打、打率 .727、OPS 1.659と猛烈な勢いで打っている。



ブレイクしかけた一昨年に続いて期待の膨らんだ昨年は43打数6安打、打率 .140と極めて不本意なシーズンを送ったが、今年はその借りを返すことができるだろうか。


少なくとも安打数については、この3試合で既に昨シーズンの総数を上回っている。


蝦名選手の場合、粗忽というのか、驚くような凡プレイをしてしまい、そこから急速にデフレスパイラルに取り込まれるようなことがあるので、そうならないように気をつけて、集中力を持続して頑張ってもらいたい。