mizuyashikiのブログ

横浜ベイスターズを中心にその時に考えていることを書きます。

孝行息子のマダックスで7連勝





先週日曜日のソフトバンク戦で初先発し、初勝利を挙げた新人の石田裕太郎投手は試合後のヒーローインタビューで、チームの連敗をストップしこれから連勝の起爆剤になりたい、と語っていたが、それが実現した。


あれから、チームはZOZOマリンでロッテをスイープし、ジャクソン、ケイ、大貫という先発投手に全て勝ちがついた。


その勢いをかってベルーナドームにのりこむと、ハマちゃんと東克樹で連勝。ここでも先発の2人が勝利投手となった。


そして迎えた今日の交流戦最後の試合。


6人の先発ローテーションが一周して再び石田投手の出番が巡ってきた。



昨日の試合でハムストリングの肉離れを発症した蝦名達夫は登録が抹消され、代わって桑原将志が1番センターに入った。


その桑原は第一打席でライオンズ先発の渡邉勇太朗投手のインコースのボールを引っ張りツーベースヒットで出塁。


そして、打席にはなぜか得点圏に巡り合わせる度会隆輝。


度会選手は2-2からのストレート、高めのボール球だったと思うが、バットを上からかぶせるようにして打ち返しセンター前への先制タイムリーヒット。


これで球団の新人記録となる6試合連続適時打を達成した。



1-0とリードした状態でマウンドに上がった石田投手は初回の初球を奥村選手にレフト前へと運ばれ、続く滝澤選手に一球で送りバントを決められたが、その後、内野ゴロと見逃し三振でスリーアウト。


無失点で切り抜けた。


これで緊張が解け、投球にリズムが出てきたように見えた。


今日の石田投手はストレートがほぼ全てシュート回転しており、その球質に関しては前回のホークス戦の方が良かったように私は感じていた。


しかし、そのシュート回転のストレートを左バッターのインコース(右バッターのアウトコース)からストライクゾーンに入れるフロンドア(右打者の場合はバックドア)として活用していたようだ。


ライオンズの渡辺監督代行の試合中のコメントで、石田投手のシュート回転の軌道に打者が戸惑っているという言葉があったが、その言葉通り、随所で見逃しの三振があった。



昨日の記事で、東克樹がその日の状態に合わせて勝つために最善の対策をとることのできる「勝つ投手」になった、と書いたが、石田投手にも同じような能力を感じる。


昨日に続いてスタメンマスクを被った山本祐大捕手の力もあるのだろう。石田君も「祐大さんのおかげ」と思っているかも知れない。


リズムを掴んだ石田-山本バッテリーは2回から5回まで三者凡退を続け、味方の攻撃に勢いをつける。


石田投手のテンポの良い投球は守備でも打撃でも野手の集中力を高める効果があるように思う。


そして6回、先頭のタイラー・オースティンが渡邉投手の甘く浮いたボールを見事に捉えて交流戦トップの5本目となる7号ソロホームランで加点。



さらに、フォアボールと佐野恵太のラッキーなツーベースでもう一点追加して3-0とリードを拡げる。


この追加点で石田投手に余裕が生まれた。


その裏のライオンズの攻撃で二死をとった後、奥村選手にレフトフェンス直撃のツーベースを許したが、続く滝澤選手を落ち着いてフォークボールで空振り三振に打ちとり無失点で抑えた。


7回も三者凡退だったが、8回に二死から西川選手のヒットと代打栗山選手のレフト線上にポトリと落ちるヒットで一、三塁のピンチを迎えた。


このピンチにも、本人は腹を括っていた。


“3点差あった。


四球とホームランが1番良くないと思ったので、ヒットでもいいやぐらいな気持ちで投げた”


結果的に、それまで2本のヒットを打たれ唯一タイミングのあっていた奥村選手を良い当たりながらサード正面のライナーで打ちとった。


そのイニングが終わりベンチに帰ると、三浦監督から「どうする?」と聞かれたそうだが、余力があると感じていた石田投手は「もう一回行かせてください」と言ったとのこと。


そして9回表には、その石田投手を打線がさらに援護した。


森敬斗が四球、桑原将志が今日2本目のツーベースで出塁すると、またもや度会隆輝が犠牲フライで得点。


続いて、オースティンのタイムリーも出て、5-0とほぼ試合を決めた。


こうなると、石田裕太郎の初完封への期待が膨らむ。


いや、ただの完封ではない。8回終了時点で投球数が87だったので、100球以下での完封つまりマダックスの可能性が浮上してきたのだ。


9回裏、まず、先頭の山野辺選手はシュート回転で入ってくるストレートを見逃して三球三振。


ここまででちょうど90球。


続く長谷川選手は2球目を捉えたが、牧に代わってセカンドの守備を固めていた林琢真がジャンプ一番好捕してツーアウト。


これで投球数は92。


そして、最後の打者となった4番元山選手は0-2からセカンドゴロに倒れゲームセット。


投球数95で完封、見事にマダックスを決めて、自身が始めた連勝を7まで伸ばした。




試合後のヒーローインタビューでは、初完封やマダックス達成について質問があり、彼らしく穏やかに答えていたのが印象的だった。


石田投手のお父様は熱烈なベイスターズファンで、裕太郎少年が野球をやりたいと言った時にベイスターズファンになることを条件に許したという逸話が広く知られている。


ベイスターズファンにも有名になったこのお父様は初勝利を挙げた横浜スタジアムにはいらっしゃらなかったようだが、今日の所沢では現地観戦だったとのこと。


インタビュアーからお父さんに一言と促され、「父の日ということなので、いつもありがとう」とはにかみながら語っていた。


こんな孝行息子の活躍を間近で見ることができ、お父様はさぞかし嬉しいことだろう。


三浦さんと並んで目を細めている姿を想像してしまった。


裕ちゃん、これからもよろしくね!